雨に濡れた翼は非常に危険な状態になります。
翼の表面に水滴がついてしまうと、ハンググライダーは思うように曲がらなくなってしまうのです。
これは、特に表面に水滴が残りやすいマイラーセールの場合に顕著に表れ、水滴が染み込んでしまうノーマルセールの場合はいくらかマシにはなりますが、やはり、注意は必要でしょう。
水滴がつくとハンググライダーがノーコンになってしまう理由は、私は前回のセーフティーノーツでご紹介した、マイラーの折れによるノーコンとまったく同じ理由で、翼の中央部の気流の状態を理想的に制御できなくなることによるものであろうと私は考えています。
とにかく、フライト時は雨に遭遇しないようにすることが賢明であるといえるでしょう。
以前、雨の水滴を、シャンプー液を翼の表面に塗ることにより、水が水滴にならないようにするアイデアを目にした事がありますが、フライトのたびにそれを塗るのも、あまり現実的とは思えません。
理屈の上では、もし、翼に水滴がついた場合、低速のままでは制御不能ですが、高速まで出してしまい、ハンググライダーを翼の後退角に働く安定性の原理を用いて操作すると、操縦は可能なはずですが、しかし、その速度に達するまでの間、ピッチの安定の保証はありませんので、現在のところ、私はこの方法はお薦めできません。
まあ、最後の手段と考えてよいでしょうね。
誰か勇気のある方の試してもらいたいところ?ですね。