ナットが弛まない様に使われているセーフティーリング。
実はこのセーフティーリング、絶対に信用できるものではないことは皆さん知っていました?
過去、私は多くのグライダーをオーバーホールしてきましたが、実は、多くのセーフティーリングに異常があるものを見てきました。
異常ならまだいいのですが、時には完全にはずれてしまっていたものも、いくつかみた事もあります。
ハンググライダーに使われているナットの多くは、セルフロックナットと言われているもので、そのナット単体で弛み止めの機能を持ったものが使用されています。
しかし、パイプとパイプの関節部分となる場所で、セットアップの度に動くところ(例えば、スパートクロスバーのつなぎ)などは、ナットを締め付けることができない(動かなくなる)ため、通常のセルフロックナットは使用せず、キャッスルナットというナットを使用して、セーフティーリングでそれを緩みを止める手法が一般に使われています。
キャッスルナットは、本来、ステンレスワイヤーで近隣の同様のキャッスルナットとつなぎ合わせて弛まなくする使い方がとられていますが、しかし、ハンググライダーでは近隣のキャッスルナット自体がないため、仕方なくセーフティーリングが使用されています。
しかし、はじめにも申し上げたように、このセーフティーリングの信頼性は、決して100パーセントではないのです。
セットアップや機体の運搬等で、このセーフティーリングにムリな力がかかり、変形あるいは最悪取れてしまうことも、可能性としてはあります。
ですから皆さんには、是非、このセーフティーリングがちゃんと正常についているか、フライト毎にチェックすることを実施していただくよう、お願いいたします。