有名な夏目漱石の「草枕」の冒頭部分。
「智ちに働けば角かどが立つ。情じょうに棹さおさせば流される。意地を通とおせば窮屈きゅうくつだ。とかくに人の世は住みにくい。
住みにくさが高こうじると、安い所へ引き越したくなる。どこへ越しても住みにくいと悟さとった時、詩が生れて、画えが出来る。
人の世を作ったものは神でもなければ鬼でもない。やはり向う三軒両隣りょうどなりにちらちらするただの人である。ただの人が作った人の世が住みにくいからとて、越す国はあるまい。あれば人でなしの国へ行くばかりだ。人でなしの国は人の世よりもなお住みにくかろう。」
改めて含蓄ある文章だと感じます。
人でなしの国がこれだけ好き勝手する世界を果たして夏目漱石は予想していたのでしょうか。
「住みにくき世から、住みにくき煩わずらいを引き抜いて、ありがたい世界をまのあたりに写すのが詩である、画えである。あるは音楽と彫刻である。」
オヤジの好きなタコさんはじめ20世紀のソ連音楽の真髄はまさにここにあったのでしょう。
それも住みにくき世を表向きは素晴らしい世界と言いながらその実態を音楽でさりげなく表現する・・・創作者の苦労を感じます。
何故、こんな話題を持ち出したかと言えば、名札に名前を書けない世の中になったんだというこの記事を見て、ふとオヤジのハゲ頭に浮かんだのが「草枕」の冒頭「とかくに人の世は住みにくい」だったのです。
(ヤフーニュース配信中国新聞デジタル2023年3月20日付「店員の名札、実名を伏せる企業が中国地方でじわり増加 イニシャル・ひらがなで名字だけ 客のSNS投稿・つきまとい防止」)
とかくに人の世は住みにくい。
だからこそ人には知恵がつく。
住みにくさもまた一興と笑い飛ばせるに越したことはありませんな。
「智ちに働けば角かどが立つ。情じょうに棹さおさせば流される。意地を通とおせば窮屈きゅうくつだ。とかくに人の世は住みにくい。
住みにくさが高こうじると、安い所へ引き越したくなる。どこへ越しても住みにくいと悟さとった時、詩が生れて、画えが出来る。
人の世を作ったものは神でもなければ鬼でもない。やはり向う三軒両隣りょうどなりにちらちらするただの人である。ただの人が作った人の世が住みにくいからとて、越す国はあるまい。あれば人でなしの国へ行くばかりだ。人でなしの国は人の世よりもなお住みにくかろう。」
改めて含蓄ある文章だと感じます。
人でなしの国がこれだけ好き勝手する世界を果たして夏目漱石は予想していたのでしょうか。
「住みにくき世から、住みにくき煩わずらいを引き抜いて、ありがたい世界をまのあたりに写すのが詩である、画えである。あるは音楽と彫刻である。」
オヤジの好きなタコさんはじめ20世紀のソ連音楽の真髄はまさにここにあったのでしょう。
それも住みにくき世を表向きは素晴らしい世界と言いながらその実態を音楽でさりげなく表現する・・・創作者の苦労を感じます。
何故、こんな話題を持ち出したかと言えば、名札に名前を書けない世の中になったんだというこの記事を見て、ふとオヤジのハゲ頭に浮かんだのが「草枕」の冒頭「とかくに人の世は住みにくい」だったのです。
(ヤフーニュース配信中国新聞デジタル2023年3月20日付「店員の名札、実名を伏せる企業が中国地方でじわり増加 イニシャル・ひらがなで名字だけ 客のSNS投稿・つきまとい防止」)
とかくに人の世は住みにくい。
だからこそ人には知恵がつく。
住みにくさもまた一興と笑い飛ばせるに越したことはありませんな。
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