パクリかシャレか、いずれにせよ本家本元に相当の知名度とブランド価値があってこそ成り立つものですから、本家本元には仁義を切って然るべきでしょう。
とはいえ、本家のお会社にもシャレを理解できる会社と理解できない会社もあると思います。
記事の事例を見る限り、それによって本家本元の価値に傷がつくとは思えませんが、それを本家のお会社がどう受け止めるかで問題が変わってくるように思います。
パクリとシャレの差も簡単そうで難しい。
クスっと笑えるのがシャレで、これはと首を傾げるのがパクリ・・・とも言い切れません。
記事にも書かれていますが、少なくとも何らかのオリジナリティを感じる要素があることが必要なのだとは思います。
ちょっと気になるのは記事の最後にある警察関係者のコメントにある「パロディでも悪質な商品」というのはどういう商品なのか。
パロディはそもそも対象を風刺したり揶揄したりすることを目的に模倣することを言うそうです。
とすると、「良質なパロディ商品」という概念を明らかにしていただかないことには、シャレが効かなくなりそうで怖いですね。
😒
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<悪質なパクリ?壮大なシャレ? 商標権侵害、パロディーのあいまいな線引き>
ヤフーニュース 産経新聞配信 http://headlines.yahoo.co.jp/ 2017年1月12日
若者を中心に人気を集めるナイキやアディダスといった有名ブランドの正規ロゴを巧みに模倣した「パロディー商品」を販売していた大阪・アメリカ村の6店舗が昨秋、大阪府警に一斉摘発された。「偽ブランド品」を所持していたとして経営者ら13人が現行犯逮捕されたのだ。パロディー商品は、偽物か独自商品か違法性の判断が難しいとされる。スイスの高級腕時計ブランド「フランク・ミュラー」ならぬ「フランク三浦」、北海道銘菓「白い恋人」ならぬ「面白い恋人」…。過去には法廷闘争に発展したケースもあるが、ほとんどが“おとがめなし”で決着してきた。「悪質なパクリ」か「壮大なシャレ」か、パロディーの線引きはいまだ明確でない。(桑村朋)
「警察です。偽ブランド品を販売した商標法違反の容疑で、店内を捜索させてもらいます」
平成28年10月26日午前、若者が好む古着の販売店が集まる大阪・ミナミのアメリカ村。ダボダボのジーンズをはいたり、耳にピアスの穴を開けたりする若者が見守る中、スーツ姿の大阪府警の捜査員が散り散りになり、周辺の衣料品店計6店舗に捜索に入っていった。店内からは多くの商品が押収され、道路沿いに陳列された商品も、白い手袋をはめた捜査員が次々と段ボールに詰めて押収していった。
押収されたのは、ほとんど本物と見分けがつかない偽ブランド品のほか、有名ブランドをまねたロゴが付いたTシャツやバッグも混じっていた。「NIKE(ナイキ)」を「NAMAIKI(ナマイキ)」、「adidas(アディダス)」を「adios(アディオス=スペイン語で『さようなら』の意)」。米コーヒーチェーン大手「STARBUCS COFFEE(スターバックスコーヒー)」を「STARWARS COFFEE(スターウオーズコーヒー)」ともじり、ダースベーダーのキャラクターまで添えたロゴを見つけた際は、思わずクスッと笑ってしまった。
意図して正規品をまねれば明らかな偽造だ。だが、正規品を模倣しながらも、何らかの独創性を加えてオリジナル商品のように見せていれば、世間一般的にはパロディー商品と称されている。府警はブランド側から被害相談を受けて捜査に着手したが、捜査関係者によると、摘発したのはパロディー商品を販売していた店ばかり。ただ、パロディー商品をめぐっては法的な定義があいまいで違法性の認定が難しいとされる。
そもそも、パロディー商品とは法的にどのように定義されるのか。知的財産権や商標権に詳しい冨宅恵弁護士(大阪弁護士会)によると、パロディーには、漫画や音楽など著作権に関するものと、ロゴやデザインなど商標権に関するものの大きく2種類に分かれる。今回のような商標権事案は、本物と区別できる「独自商品」であるケースも少なくないが、「どの法律にも明確な規定はない」とする。
商標権を侵害するかどうかの法的な判断基準は、正規商品か否かを区別できるかどうかはもちろん、どのブランドか判断できるほど認知度が高いか▽高い品質が保証されたデザインか▽ブランド力が理由で人気が高いか-などがあるという。
摘発された店にあったパロディー商品も、「正規ロゴを勝手に引用してブランドイメージを損ねた」「本物より安く販売されていた」などの理由から正規品の商標権を侵害したと主張される恐れは十分ある。ただ、冨宅弁護士は「パロディー商品は、『シャレ』として広く認知され、オリジナル商品と認定できるケースは少なくない。まずは民事訴訟で争われるべきで、いきなり刑事事件になるのは違和感がある」と指摘する。故意に他人の商標権を侵害する行為は、商標法によって刑事罰の対象とされてはいる。「捜査が入ったことで『パロディー商品は逮捕される』との印象を与えかねない。店側への萎縮効果があまりに大きいのではないか」と危惧する。
知的財産権と消費者利益保護を目的に全国で活動する団体「ユニオン・デ・ファブリカン」(東京)には連日、インターネット上のオークションやフリーマーケットなどで横行する偽ブランド品の削除依頼が各種ブランド会社から寄せられる。28年1年間の削除件数は計25万弱の見込みで、今回摘発されたような衣料品関係は約2割。このうちパロディー商品は5%程度だったという。「『パロディー』と書いていれば、法の網から逃げられると思っている人はかなり多い」と担当者は苦笑する。もちろん、ちょっとしたひねりも面白みもないまま本物を偽造するだけでは、パロディー商品と呼べない。ただ、裏を返せば、ちょっとした独自性さえ加われば、何でもパロディー商品になり得るのだ。
過去にはパロディー商品をめぐり、注目を集めた民事訴訟がある。28年4月、スイスの高級時計「フランク・ミュラー」のパロディー商品名「フランク三浦」を商標登録した大阪市の会社が、この商標を無効とした特許庁の判断を取り消すよう求めた訴訟で、知財高裁はフランク三浦側の勝訴を言い渡した。そもそも、特許庁は「全体の語感が似ている」としてミュラー側の申し立てを認めていたが、知財高裁は「連想はするが、明らかに日本語の『三浦』が含まれる」「多くが100万円を超える高級腕時計と、4千~6千円程度の『三浦』を混同するとは到底考えられない」と指摘。フランク三浦を商標として登録できると判断した。
23年には、北海道銘菓「白い恋人」を製造販売する石屋製菓(札幌)が、吉本興業(大阪)の子会社が販売した菓子「面白い恋人」に商標権を侵害されたとして、販売差し止めと損害賠償を求める訴訟を起こした。しかし、これも結局、「面白い恋人」の名称は変更せずにパッケージを変え、販売地域を関西に限定することで和解が成立した。この2つの裁判は「お笑いの街」大阪の会社が関係している。今回、府警がパロディー商品の販売店を摘発したことを受け、ネット上には「大阪人にとってあの手のパロディーはシャレ」「おもろければええやんか」など、店側を擁護する書き込みが多くみられた。パクリであっても、「笑いさえ取れればいい」という大阪人も多いのかもしれない。
府警による今回の捜査では、現行法制度の“グレーゾーン”もあって、パロディー商品の違法性を判断せず、いずれも偽ブランド品として立件した。捜査関係者は「パロディー商品の立件が難しいのは事実。だが、パロディーでも悪質な商品をこれ以上、のさばらせていいのか。今後もブランド側の要請があれば捜査していきたい」と話している。
とはいえ、本家のお会社にもシャレを理解できる会社と理解できない会社もあると思います。
記事の事例を見る限り、それによって本家本元の価値に傷がつくとは思えませんが、それを本家のお会社がどう受け止めるかで問題が変わってくるように思います。
パクリとシャレの差も簡単そうで難しい。
クスっと笑えるのがシャレで、これはと首を傾げるのがパクリ・・・とも言い切れません。
記事にも書かれていますが、少なくとも何らかのオリジナリティを感じる要素があることが必要なのだとは思います。
ちょっと気になるのは記事の最後にある警察関係者のコメントにある「パロディでも悪質な商品」というのはどういう商品なのか。
パロディはそもそも対象を風刺したり揶揄したりすることを目的に模倣することを言うそうです。
とすると、「良質なパロディ商品」という概念を明らかにしていただかないことには、シャレが効かなくなりそうで怖いですね。
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<悪質なパクリ?壮大なシャレ? 商標権侵害、パロディーのあいまいな線引き>
ヤフーニュース 産経新聞配信 http://headlines.yahoo.co.jp/ 2017年1月12日
若者を中心に人気を集めるナイキやアディダスといった有名ブランドの正規ロゴを巧みに模倣した「パロディー商品」を販売していた大阪・アメリカ村の6店舗が昨秋、大阪府警に一斉摘発された。「偽ブランド品」を所持していたとして経営者ら13人が現行犯逮捕されたのだ。パロディー商品は、偽物か独自商品か違法性の判断が難しいとされる。スイスの高級腕時計ブランド「フランク・ミュラー」ならぬ「フランク三浦」、北海道銘菓「白い恋人」ならぬ「面白い恋人」…。過去には法廷闘争に発展したケースもあるが、ほとんどが“おとがめなし”で決着してきた。「悪質なパクリ」か「壮大なシャレ」か、パロディーの線引きはいまだ明確でない。(桑村朋)
「警察です。偽ブランド品を販売した商標法違反の容疑で、店内を捜索させてもらいます」
平成28年10月26日午前、若者が好む古着の販売店が集まる大阪・ミナミのアメリカ村。ダボダボのジーンズをはいたり、耳にピアスの穴を開けたりする若者が見守る中、スーツ姿の大阪府警の捜査員が散り散りになり、周辺の衣料品店計6店舗に捜索に入っていった。店内からは多くの商品が押収され、道路沿いに陳列された商品も、白い手袋をはめた捜査員が次々と段ボールに詰めて押収していった。
押収されたのは、ほとんど本物と見分けがつかない偽ブランド品のほか、有名ブランドをまねたロゴが付いたTシャツやバッグも混じっていた。「NIKE(ナイキ)」を「NAMAIKI(ナマイキ)」、「adidas(アディダス)」を「adios(アディオス=スペイン語で『さようなら』の意)」。米コーヒーチェーン大手「STARBUCS COFFEE(スターバックスコーヒー)」を「STARWARS COFFEE(スターウオーズコーヒー)」ともじり、ダースベーダーのキャラクターまで添えたロゴを見つけた際は、思わずクスッと笑ってしまった。
意図して正規品をまねれば明らかな偽造だ。だが、正規品を模倣しながらも、何らかの独創性を加えてオリジナル商品のように見せていれば、世間一般的にはパロディー商品と称されている。府警はブランド側から被害相談を受けて捜査に着手したが、捜査関係者によると、摘発したのはパロディー商品を販売していた店ばかり。ただ、パロディー商品をめぐっては法的な定義があいまいで違法性の認定が難しいとされる。
そもそも、パロディー商品とは法的にどのように定義されるのか。知的財産権や商標権に詳しい冨宅恵弁護士(大阪弁護士会)によると、パロディーには、漫画や音楽など著作権に関するものと、ロゴやデザインなど商標権に関するものの大きく2種類に分かれる。今回のような商標権事案は、本物と区別できる「独自商品」であるケースも少なくないが、「どの法律にも明確な規定はない」とする。
商標権を侵害するかどうかの法的な判断基準は、正規商品か否かを区別できるかどうかはもちろん、どのブランドか判断できるほど認知度が高いか▽高い品質が保証されたデザインか▽ブランド力が理由で人気が高いか-などがあるという。
摘発された店にあったパロディー商品も、「正規ロゴを勝手に引用してブランドイメージを損ねた」「本物より安く販売されていた」などの理由から正規品の商標権を侵害したと主張される恐れは十分ある。ただ、冨宅弁護士は「パロディー商品は、『シャレ』として広く認知され、オリジナル商品と認定できるケースは少なくない。まずは民事訴訟で争われるべきで、いきなり刑事事件になるのは違和感がある」と指摘する。故意に他人の商標権を侵害する行為は、商標法によって刑事罰の対象とされてはいる。「捜査が入ったことで『パロディー商品は逮捕される』との印象を与えかねない。店側への萎縮効果があまりに大きいのではないか」と危惧する。
知的財産権と消費者利益保護を目的に全国で活動する団体「ユニオン・デ・ファブリカン」(東京)には連日、インターネット上のオークションやフリーマーケットなどで横行する偽ブランド品の削除依頼が各種ブランド会社から寄せられる。28年1年間の削除件数は計25万弱の見込みで、今回摘発されたような衣料品関係は約2割。このうちパロディー商品は5%程度だったという。「『パロディー』と書いていれば、法の網から逃げられると思っている人はかなり多い」と担当者は苦笑する。もちろん、ちょっとしたひねりも面白みもないまま本物を偽造するだけでは、パロディー商品と呼べない。ただ、裏を返せば、ちょっとした独自性さえ加われば、何でもパロディー商品になり得るのだ。
過去にはパロディー商品をめぐり、注目を集めた民事訴訟がある。28年4月、スイスの高級時計「フランク・ミュラー」のパロディー商品名「フランク三浦」を商標登録した大阪市の会社が、この商標を無効とした特許庁の判断を取り消すよう求めた訴訟で、知財高裁はフランク三浦側の勝訴を言い渡した。そもそも、特許庁は「全体の語感が似ている」としてミュラー側の申し立てを認めていたが、知財高裁は「連想はするが、明らかに日本語の『三浦』が含まれる」「多くが100万円を超える高級腕時計と、4千~6千円程度の『三浦』を混同するとは到底考えられない」と指摘。フランク三浦を商標として登録できると判断した。
23年には、北海道銘菓「白い恋人」を製造販売する石屋製菓(札幌)が、吉本興業(大阪)の子会社が販売した菓子「面白い恋人」に商標権を侵害されたとして、販売差し止めと損害賠償を求める訴訟を起こした。しかし、これも結局、「面白い恋人」の名称は変更せずにパッケージを変え、販売地域を関西に限定することで和解が成立した。この2つの裁判は「お笑いの街」大阪の会社が関係している。今回、府警がパロディー商品の販売店を摘発したことを受け、ネット上には「大阪人にとってあの手のパロディーはシャレ」「おもろければええやんか」など、店側を擁護する書き込みが多くみられた。パクリであっても、「笑いさえ取れればいい」という大阪人も多いのかもしれない。
府警による今回の捜査では、現行法制度の“グレーゾーン”もあって、パロディー商品の違法性を判断せず、いずれも偽ブランド品として立件した。捜査関係者は「パロディー商品の立件が難しいのは事実。だが、パロディーでも悪質な商品をこれ以上、のさばらせていいのか。今後もブランド側の要請があれば捜査していきたい」と話している。
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