秋の野

生れしは秋の野にきて遊ぶため


様々な秋の草花が咲き乱れ、夜には虫が鳴き、そこを秋風が吹き

渡っていく野をさす。







秋の野に遊んだ。

爽やかな風があまりに気持ちよかったので、もしかして秋の野に遊

ぶために生まれてきたのかと思うほどであった。






すれ違ふ女四五人秋の原



　

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南瓜

日の強き畑や南瓜のごろごろと


ウリ科の蔓性一年草。

アメリカ大陸原産。

日本には十六世紀に渡来。







夏、黄色の大きい花が咲いた後、秋近くに実を結ぶ。







実は扁球形で、肉質は柔らかくねばりけがあって甘い。







表皮は暗緑色、熟すると赤褐色に変化する。







広い南瓜畑があり、南瓜がごろごろと生っていた。

明るい日差しが結構強かった。






積まれしは南瓜近くに農夫婦



　

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冬瓜

生りたるは尺の冬瓜岬畑


ウリ科の蔓性一年草。

熱帯アジア原産。



あ



夏、葉腋に黄色の雌雄異花をつける。

果実は大型の球形または楕円形。

果肉は淡泊で煮物、漬物に、果皮はかんぴょうの代用に用いられる。







三浦三崎の畑に冬瓜が生っていた。

かなり大きいもので丁度収穫されていた。






収穫の冬瓜（とうが）次々投げられぬ



　

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鶏頭

鶏頭の赤しあかしと媼かな


ヒユ科の一年草。

熱帯アジア原産。







秋、茎の頂に鶏冠状の赤、紅、紅紫、黄、白などの花をつける。







扇鶏頭、箒鶏頭、槍鶏頭、房鶏頭などがある。







鶏頭が咲いていた。

媼が幼子と歩きながら、「真っ赤かだね」と言って鶏頭を見ていた。






鶏頭に若き波郷を想ひけり



　


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パンパスグラス

雲飛びてパンパスグラス靡きけり


イネ科の大型多年草。

アルゼンチン原産。

初秋、高さ２～３メートルの花茎を直立し、巨大な薄状の円錐花序

をつける。

シロガネヨシともいう。

季語としてはまだ認められてはいないが、公園や庭園などでよく見

かけるようになった。

そこで、初秋の季語とすべく詠んでみた。







パンパスグラスは丈が高いので、遠くからでもよく見える。

早くも銀色の花序をつけて風に靡いていた。

空では秋めいた雲が刷毛で書いたように飛んでいた。






馬曳けよパンパスグラス立ちをれば



　


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