緑道を人走りきぬ水木の実
ミズキ科の落葉高木。
山地に自生し、10~20メートルになる。
初夏に白色小花をつけた後、球形の小さな実を結ぶ。
初め赤黄色をしているが、十月頃黒紫色となる。
緑道に水木の実が生っていた。
その下をジョギングの人が走ってきた。
水木の実喉が渇けば茶を飲みて
緑道を人走りきぬ水木の実
ミズキ科の落葉高木。
山地に自生し、10~20メートルになる。
初夏に白色小花をつけた後、球形の小さな実を結ぶ。
初め赤黄色をしているが、十月頃黒紫色となる。
緑道に水木の実が生っていた。
その下をジョギングの人が走ってきた。
水木の実喉が渇けば茶を飲みて
ざんばら髪の武者の如しや破芭蕉
秋になり、風や雨で葉が裂け破れた芭蕉をいう。
夏に解き広げられた緑の葉は、やがて裂け、破れて物寂しい風情となる。
秋も終わりになると、凄惨ですらある。
その侘びた趣を賞する季語である。
芭蕉の葉が一面に破れていた。
まるで、戦の武者のざんばら髪のようであった。
破芭蕉農家の門に鉄扉なく
東伏見稲荷神社
秋澄むや杉の枝の伐り落されて
本殿
秋になって大気が澄んでいることをいう。
大陸から移動性高気圧がやってきて、乾燥した冷たく新鮮な空気が流れ込む。
目に入るものがくっきりと鮮やかに見え、鳥の声や物音もはっきりと聞えるようになる。
西東京市の東伏見稲荷神社を訪れた。
秋の大気が澄んで鳥居も本殿もくっきりと美しく見えた。
そんな大気のなか、入口の御神木の杉が枝を伐り落されていた。
公園のヴィーナス像に秋澄めり
振返る秋の夕日を眩しみて
秋分を過ぎると太陽は次第に南下する。
日差しも衰え、目に見えて日暮れが早くなる。
だが、美しい秋の夕日には郷愁を感じさせるものがある。
振返って秋の夕日を見た。
夕日は眩しかった。
一万歩歩いてきたり秋没日
天空を日の傾けり秋の薔薇
秋に咲く薔薇をいう。
薔薇は五月頃咲くので夏の季語となっているが、盛夏を休み、秋涼しくなった十月頃に再び咲くのを秋薔薇という。
二度目のため樹勢に左右され、花はやや小ぶりであることが多い。
天空を日が渡って傾いていた。
秋の薔薇に斜めから日が差していた。
青空にかかる半月秋薔薇(あきさうび)