毎日がちょっとぼうけん

日本に戻り、晴耕雨読の日々を綴ります

「江西財大は日本人老師を守ります」 2012年9月18日(火)No.446

2012-09-18 09:59:14 | 中国事情
午前10時から、外でサイレンが鳴り続いている(現在10:09)。
ときに高く、時に低く、とても物悲しい音だ。
胸に痛く響く。
今日は9月18日。
柳条湖事件(関東軍による満州侵略のきっかけを作った事件)の日だ。
毎年この日に、南昌市ではサイレンを鳴らす。

今、私は財大蛟橋(ジャオチャオ)キャンパスの宿舎でそれを聞いている。
本来なら火曜日は授業がある日だが、今日だけ特別になくなった。
この間の反日ムードが、ピークに達する可能性がある今日、
大学側が安全面に配慮して休講措置にしたのだ。

昨日の午後、日本語学科の新平老師が宿舎に来訪。
その後、小紅主任老師からも電話があり、
二人から大学側の対応について詳しい説明があった。
以下のようなことだった。
①大学は学長自らが「財大にたった一人しかいない日本人老師を全力をあげて守りなさい。」と指示した。
②外国語学院(外国語学部)は共産党書記、学院院長、日本語学科老師四人たちが「日本人老師を守る対策会議」を開き、当面、次のことを決めた。
 ・授業のある日は蛟橋キャンパスから麦盧キャンパスまで、特別に車で送迎する。
 ・車にはドライバーだけでなく、日本語学科の中国人老師達が交代で付き添う。
 ・買い物は小紅老師や新平老師が代行する。
 ・宿舎に学生は遊びに来させない。オフィス一階で、管理人が学生など通行人の名前等をチェックする。
 ・正当な用事で来た学生でも、管理人が私の部屋まで付き添う(用事が終わるまでずっと)。
③外国語学院の党書記と新平老師が蛟橋のオフィスに来て国際交流與合作処(=外国人教師関係事務所)所長と話し合い、職員に指示した。

といった内容だった。
新平老師は「希望を失わないで頑張りましょう。」と、
小紅老師は「こんなことになって申し訳ありません。」と言ってくれた。

大学が悪いんじゃない。まして、先生たちのせいでは決してない。
政治が私たち庶民の命運を握っている、と感じた。
普段日本では、こうした緊迫感はあまりない。
しかし、本当はそうなんだ。
政治によって私たちの命なんか簡単に押しつぶされてしまう。
石原も野田も、そんなことに関心はまるでない。
自分のしたいこと、自分の人気、自分の保身…。
そればっかりだ。

私たちは政治家に引きずり回される奴隷じゃないんだ!
・・・・・・
サイレンは約15分間続いた。
今日は終日、部屋に閉じこもる。

 


コメント
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