毎日がちょっとぼうけん

日本に戻り、晴耕雨読の日々を綴ります

「いつかきっと花開く日本語学習」 2012年11月15日(木) No.505

2012-11-15 18:51:17 | 中国事情
一年生が今、日本語の文字を覚えている。
授業を始めて一ヶ月半だが、
まだ、両手で手すりにつかまり、ようやく立っているスケーターのような状態だ。
ディクテーション(聞き取り)をすると、
音だけを頼りに
「はじめましで」(はじめまして)
「ちゅごくじん」(ちゅうごくじん)
「シャプペンシル」(シャープペンシル)
「エンジニーア」(エンジニア)
など、惜しいミスのオンパレードである。

それが1年後には、平仮名、カタカナが(もちろん漢字も)、
スラスラと美しく書けるようになっている。
その頃からが私にとっての楽しみの時だ。

大学からやれと言われている課目は、
1年生、2年生では「会話」だけだ。
「みんなの日本語」のⅠ・Ⅱを2年間で履修する。
もし、それだけを忠実に教えるのであれば、私の人生灰色である。
ぜ~んぜん、面白くない。
いい大学生を相手に、
「あなたはアメリカ人ですか」
「いいえ、アメリカ人じゃありません。私は中国人です。」
「あなたは先生ですか。」
「いいえ、先生じゃありません。学生です。」
とかさ。
私が退屈なんだから、学生たちも同様だろう。
そうは言ってもこれを乗り越えなければ、
彼女ら・彼らがせっかく持っている知性を、日本語で発現させることはできない。
辛抱我慢である。

では、日本語学科の学生達の知性が最も輝くチャンスはいつ訪れるのか。
この大学では、三年生の時期だと私は思う。
就職や進学の準備にはまだ少し余裕があり、
1年、2年と蓄えてきた実力はかなりなものになっている。

今週月曜日、3年の「日本文学」の時間は
宮沢賢治の「雨にも負けず」の朗読発表だった。
2グループが発表したが、
もう、私の期待を遥か超えていた。
ああ、YOU TUBEとかでお見せしたい。
(撮ってないけど)
宮沢賢治と李白がコラボとか。
「雨にもまけ~ず、まけ~ず。 風にもまけ~ず、まけ~ず。」とか。

言葉は使ってなんぼ。
覚えるだけじゃ、拷問に等しい。
明日は日本語コーナーの日だけど、雨は大丈夫かな。







コメント
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