23日未明、超大型台風21号は、静岡県の御前崎に上陸し、
東京八王子付近を通って、茨城県へと進んだ
「超大型」での上陸は、史上初。
(詳細な記録のある平成3年以降)
台風は下の図のように、サイズと強さを組み合わせて表現する。
「大型で強い」、「超大型で猛烈」など。
昔は「超小型で弱い台風」などという表現も使われたが、
防災上望ましくないとのことで、現在は中型・小型・超小型、
ならびに並、弱いは言わず、修飾語なしとなる。
この台風はピーク時に925hPaまで発達し、
上陸時も950hPaくらいをキープしていた。
関東に来る台風としては、文句なしの史上最強クラスである
しかもまた、コースが怖い
台風は一般的に、進行方向右側で風がとりわけ強い。
八王子を通るということは、
東京が中心のすぐ右側に位置することに……。
「デイ・アフター・トゥモロー」ばりの、身の毛もよだつような事態だ。
都心も最大瞬間風速50~60メートルを食らうことを覚悟した方がよかろう。
が、蓋を開けてみれば
都心の最大瞬間風速は29.9メートル、
最大1時間雨量15ミリ、147.5ミリ。
まあ、警報級の雨と風ではあるが、
台風のスペックから考えると、あまりに大人しい。
これはいったいどうしたことだろうか。
詳細はもっともっと解析が必要だが、
パッと思いつくことを備忘的に描いておく。
★1.本当に950hPaの台風だったのか?
台風の強さは、気象衛星から推測する(ドボラック法)
このため、ときに誤差が大きくなることがある。
台風が上陸した御前崎で952.8hPaを観測しているので、
台風の強さの見積もりは妥当と言えそうだ。
★2.「超大型」が吉と出た
同じ中心気圧でも、小型だと気圧勾配がきつくなって、
おり強い風が吹きやすく、
大型だと緩くなって、極端な風速が出にくくなるのではないか。
今回とよく似た勢力&コースだったのが2004年の台風22号。
大きく違っていたのは、2004年の22号は小柄だった点である。
このときは、静岡県の伊豆半島に上陸し、
石廊崎で最大瞬間風速67.6メートルというバケモノ値が出た。
●2004年台風22号特集
http://www5e.biglobe.ne.jp/~tooriame/meteolology31.htm
※なお『こんなに凄かった! 伝説の「あの日」の天気』にも書いたのだが、
関東においては、台風が西側を通過するよりも、東側を通過したほうが
「安定した暴風雨」になるようだ。
※以下、拙著もよろしくお願いいたします。