生き物好き気象予報士&理科教員、公認心理師・金子大輔(金兵衛)のブログ~通り雨の旅路~

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考えさせられた「動物倫理」の一冊

2020-09-28 | ナウシカ系

「動物倫理」の本を読んだ。
しばしば話題になる事例が網羅されていて、とても勉強になった。 




それぞれの問題について、私個人の簡単なコメントを書いておく。

1.ペットをしつけるのは人間のエゴか
→NO.特に問題ないと思う。イヌの親が行うことを
たまたまヒトが代理を勤めただけ、と考える。

2.なくならない伴侶動物の殺処分
→「地域ネコ」のように、今生きている動物に最大限の
幸福追求権を認め、避妊や中絶をしっかり行う。
やむを得ず「処分」するときには、苦痛を感じない方法を
模索し続けるべき。


3.化粧品の動物実験
→今ではだいぶなくなってきた。
話題がそれるが、「すっぴんは失礼」って、
どこの怪しげなマナー講師が作ったマナーもどき?
すっぴんOKにすれば女性の負担も減る。

4.集約的畜産業
→これはすぐにでも辞め、罰則を設けるべき。

5.動物園の是非
→これはよいのではないか。
バラエティ番組だって、特定の人間を見せ物にして
茶の間を楽しませることはあるのだから。
動物に苦痛を強いる者でない限りは。


6.外来生物
→これも難しい問題だが、たかが人間ごときが
「駆除すべき生物種」を決めていいのだろうか?

7.医療のための実験動物
→これも、最近では大型霊長類を使うことは減っている。
バイオテクノロジーを駆使し、「皮膚」「や「臓器」を
試験管で作れるようになれば、殺生の必要がなくなる。

8.野生動物による被害
→ニホンジカは155万~549万頭(北海道を除く)、
イノシシは66万~126万頭、ヒトは1億2000万人、これをどう考える?

9.種差別の是非
→種差別をダメと考える理由です。
https://blog.goo.ne.jp/cameleotino/e/5476f3b7af0d037a064b1be0c2497fb6


小中高大学などで、このようなテーマでディベートなどもして欲しい。
幼稚園あたりでやってみるにもありかもしれない。
どれもまだ結論がでていない問題ばかりである。

生物学、哲学、宗教学、経済学など、どの立場を取るかによっても
議論の方向性は大きく異なってくるだろう。

だから、「動物倫理学」「環境教育学」のような
新たな学問体系をゼロから創ることも必要かもしれない。

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