生き物好き気象予報士&理科教員、公認心理師・金子大輔(金兵衛)のブログ~通り雨の旅路~

拙著10冊目出版、ぜひ読んでね!おかげ様で19年続いている老舗ブログです。

前回の記事を哲学的に展開!

2020-09-09 | 人口を減らせ論

前回のブログの、
不幸な子どもを生み出さないためにも、
産めや増やせよ、のノリで、社会が
半ば出産を無理強いするなんてけしからん、という話題。

このネタ、実はけっこうネット上でも議論されていて、
哲学的に名前がつけられているれっきとした思想でもある。
関連する思想をまとめてみます。


ナタリズム:国家繁栄のために、多くの子孫を残すべきだとする思想。
現代日本で主流といえる思想だが、個人的には嫌いな思想。
ナタリズムを嫌いなことは、アンチナタリズムという。

反出生主義:子供を産むことに対して否定的な意見を持つ哲学的な立場。
そもそも生まれなければ死もないし、病気にもならないし、
苦しみを感じることもないと考える。生まれることがすべての「苦」の根源であると考える。

マルサス主義:世界人口が少ない方が、人類は幸福になれるという考え方。

ほとんどの国や文化で、出生はめでたいこととされている。
一方で、死を悲しいことと考えるが、中東かどこかの言語で、
「彼は生きている」と言うときに、
「彼はまだ肉体に囚われている」という言い方をする言語があり、面白いと思った。

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「なぜ産んだんだ?」と問い詰めたくなるような事件

2020-09-09 | 人口を減らせ論

また起きた。
幼児を炎天下の車内に放置して死亡させる事件。

どんな極悪人でも
「なぜ生まれてきたんだ?」と詰問するのは酷だ。

だが「なぜ産んだんだ?」と問い詰めたくなるような、
事件、事故、虐待は枚挙に暇がない。


有性生殖で出生した以上、いつかは死を迎える
出生とはつまり、この世に「死」を生み出すと言うこと、
ヒトとして生まれた以上は
老化や病気などの人生の苦役も経験することになる。

こうした「出生」の意味する重みを学ぶことも、
義務教育での性教育に入れて欲しいものだ。


子どもが重度の障害をもっていたら?
夜泣きがひどくて精神を病まされたら?
子どもがいじめに遭ったら?
不登校になったら?
家庭内暴力に走ったら?
グレてしまったら?
絶望的に勉強ができなかったら?
私立医学部に行かせてと言われたら?
ニートになったら?
とんでもない人と結婚したら?


↑ネガティブで申し訳ないが、すべて現実にありうることだ。
当然想定しておくべきであり、
それを受け入れる覚悟はあるか?
自分は子育てに向いていてると思うか?

これらにすべて自信をもって「YES」と答えられる場合のみ、
子どもを授かることを考えるべきではないか。

個人的には
「国会議員に立候補するくらいの覚悟で、我こそは!」と思う人だけ
子育てにチャレンジして欲しいと思う。

「フツーは大人になったら、結婚して子どもを持つものでしょ」
という惰性で子どもを授かることだけは辞めてほしい。
不幸な子どもを増やさないために……。


そんなこと言ったら、誰も子どもを産まなくなってしまう
という指摘がありそうだが、
今、本当にヤバいのは少子化ではなく人口爆発だ。

産めや増やせよ、のノリで、
不幸な子どもを増やすのは、愚の骨頂である。

人口爆発のやばさについては、
ツイッターの以下の垢でつぶやいている。

●平和的に人口減らそう(金子大輔)
https://twitter.com/jinkougensyo

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台風10号のやばさ

2020-09-05 | 天気・気象

今回の台風を語る際には、
どうしても怖い言い方をせざるを得ず、恐縮ですが……。



台風10号は、920hPa、最大風速50m/sにまで発達しました。
今後、
915hPa、最大瞬間風速80m/sまで発達する予想が出ています。

ちなみに、風速80m/sというのは、
最高速度で走る新幹線の屋根に立っているときに受けるのと
同じくらいの風速です。


5000人以上の犠牲者を出した伊勢湾台風で930hPaくらい、
2005年にアメリカを襲った最悪のハリケーンカトリーナで920hPa、
2013年にフィリピンを襲ったスーパー台風で895hPa。

台風は、中心気圧が低いほど強いとみてよいです。
つまり、伊勢湾台風やカトリーナを上回る勢力での
接近・上陸が予想されているのです。

伊勢湾台風がどれくらいヤバかったかは、
『戦後の自然災害で、5000人を超える犠牲者をだしたのが、
伊勢湾台風と阪神淡路大震災、そして東日本大震災のみである』
という事実からも、わかると思います。


台風10号に関して、2本ほど簡単な動画も出しています。

https://www.youtube.com/watch?v=J5nLv2DTnmU

https://www.youtube.com/watch?v=aCaPBpOcbDc


動画で解説した以外の注意点として、
今は「大潮」あるため、大規模な高潮の可能性があること、
高波が防波堤を越えて、市街地に侵入する可能性があること、
なども挙げられます。

進路にあたる地域の方はもちろん、
離れた地域でも、最大限の警戒をお願いします!
無事に台風10号を乗り切れますように~。

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おかげ様で8冊目が出ました~!

2020-09-01 | 著書関係

おかげ様で、8冊目の拙著を出版できました。
今回は、子どもから楽しめる「気象本」なので、
ぜひともお子様などにも!


★気象予報士が楽しく教える!雲と天気のよくばり自由研究 

小学生から読める一方で、
国際式天気記号のようなマニアックな内容まで扱った
本当に『欲張り』な一冊です。

一部の予報士からは怒られてしまいそうなのですが、
この本の特徴として、
「地震雲」のような非科学的なものも頭ごなしに否定はせず
「どんなところが地震雲だと思ったか?」
「実際に地震は起こったか?」
「本当に地震雲があると思うか?」考えてごらん、
というスタイルを取ります。

また、「ゲリラ豪雨」「ゲリラ豪雪」という言葉も容赦なく使っています
「現象にはきちんと根拠もあって、予報もできる」ことから、
この言葉をよく思わない予報士もいらっしゃることは存じ上げています。

ただ、一般の方にとっては「多摩地方では午後、所により雷雨」
なんていう予報は、とてもとても聞いちゃいられないのが実情です。
「国分寺市は、何時から、何ミリくらい降るのか」
そこが知りたいのだと言われます。

バタフライ効果なども絡んで、予報は不可能なのかもしれませんが、
満足な予報を提供できていないいち予報士として、
自らへの叱咤をこめて、私はあえてこの言葉を使っています。

こんなご時世で、今年の夏休みは盛り上がらず、
ターゲットの「自由研究」から肩透かしを食った感はありますが、
長い目で、多くの方々に読んで頂きたく思います。 

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