標題のニュースが6月10日付の新聞各紙で報じられた。一例として読売新聞の記事にリンク。
各紙で報じられた内容を簡略して記載しておく。
米国食品医薬品局(FDA)の末梢・中枢神経系薬物諮問委員会(以下 諮問委員会)が
2023年6月9日に開催され、エーザイと米国バイオジェンが開発したアルツハイマー治療薬
「LEQEMBIR」(一般名:レカネマブ)の臨床試験(治験)の結果が、
「臨床上のベネフィットを示すエビデンス」であることが、6人全員が一致で支持された。
諮問委員会の意見はFDAの承認判断とは独立しているが全会一致で賛同を得られたことで
正式承認の可能性は高まった。
FDAは7月6日までに判断する。正式承認されれば米国で高齢者向けの公的医療保険が適用される。
この薬は患者1人の治療に年370万円かかるため広く使われるには保険適用が鍵を握る。
2021年6月8日、米国食品医薬品局(FDA)がアルツハイマー病の治療薬ADUHELM
(一般名:アデュカヌマブ)について、脳内のアミロイドβプラークを減少させることにより、
アルツハイマー病(AD)の病理に作用する世界で初めてかつ唯一のAD治療薬として、
迅速承認されましたが、普及せず、次の新薬候補が注目されていた。
アナリストによると、レカネマブの売上高は2026年に10億ドル超、
2030年には57億ドルに達すると予想されている。
治験では認知症の前段階である経度認知障害(MCI)と、経度認知症の人を対象に
18ヶ月使用すると偽薬(プラセボ)と比較して、統計学的に高度に有意な認知機能と
日常生活機能の悪化抑制を示した。抑制効果は27%。
諮問委員会は、「レカネマブ」の総合的な「治療の利益を証明するか」について
臨床的意義が支持された一方で、議論の中で脳の腫れなどの副作用や、
抗凝固剤と併用した際の出血リスクなどを指摘する意見もあった。
エーザイからのニュースリリースは下記リンクのとおりです。
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