祇園祭は、京都市東山区の八坂神社(祇園社)の祭礼で、明治までは
「祇園御霊会(御霊会)」と呼ばれた。貞観年間(9世紀)より続く。京都の
夏の風物詩で、7月1日から1か月間にわたって行われる長い祭である。
京都及び各地に流行った疫病退散を祈願したのが元々の由来である。
コロナについては第6波から第7波が来るのではと懸念される状況ではありますが、
疫病退散の願いが届くように願っています。
本ブログでは7月1日から31日までの主な祭事を整理しました。
7月1~18日 吉符入 祭の無事を祈願する。この日の夜から祇園囃子の稽古が始まる
1日 長刀鉾町お千度 長刀鉾の稚児が神前で祭礼の無事を祈る神事
2日 くじ取り式 山鉾巡行の順番をくじで決める式
山鉾町社参 山鉾連合会長はじめ各山鉾町の代表者が八坂神社に参詣する
7日 綾傘鉾稚児社参 綾傘鉾を先導する6人の稚児が八坂神社に参詣する
10日 お迎提灯 神輿洗の神輿を迎えるために提灯行列が所定のコースを巡る
神輿洗式 中御座神輿を四条大橋に運び、鴨川の水で清める神事
10~14日 前祭 山鉾建て 前祭の山鉾23基を建て始める
12~13日 前祭 山鉾曳初め 山鉾建て完了後、町内の直線道路を往復。昇初めも実施
13日 長刀鉾稚児社参 長刀鉾の稚児が巡行の無事を祈り立烏帽子水千姿で参詣
久世稚児社参 神幸祭、還幸祭の神輿に供奉する2人の稚児が八坂神社に参詣
15日 斎竹建て 山鉾巡行の開幕を告げる「注連縄切り」の青竹を建てる
16日 岩見神楽 八坂神社の境内の能舞台で岩見神楽が奉納される
前祭 宵山 山鉾巡行の前夜、町会所などに山鉾の人形や織物などが飾られる
17日 前祭 山鉾巡行 23基の山鉾が巡行する
神幸祭(おいで)3基の神輿が氏子地域を巡行し、御旅所に渡御する
18~21日 後祭 山鉾建て 後祭の山鉾11基(鷹山が追加)の組み立てが行われる
20~21日 後祭 山鉾曳初め 山鉾建て完了後、町内の直線道路を往復。昇初めも実施
23日 後祭 宵山 山鉾巡行の前夜、提灯にあかりが灯され祇園囃子が賑やかに奏でられる
24日 後祭 山鉾巡行 11基の山鉾(今年から鷹山が追加)が巡行する
花傘巡行 馬長や児武者などが列を整えて所定のコースを巡行する
還幸祭(おかえり) 御旅所に奉安されていた3基の神輿が八坂神社に還る
28日 神輿洗式 10日と同様に神輿を清め、その後に蔵へ納められる
31日 疫神社夏越祭 八坂神社の境内摂社・疫神社の大茅輪をくぐり、護符を授かる
上述の2022年祇園祭の日程に関する詳細は下記サイトで紹介されています。
祇園祭2022日程一覧(宵山屋台・山鉾巡行・・・) - 京都ガイド (kyototravel.info)
2022年は3年ぶりに祇園祭のハイライト的存在である山鉾巡行が実施され稚児も選出されました。
本ブログでは2022年の祇園祭で話題になっている下記の2つの項目について紹介します。
1)祇園祭・芦刈山の小袖が復元新調
2)後祭で「鷹山(たかやま)」が196年ぶりに復活参加
1)芦刈山 小袖
祇園祭の芦刈山保存会(京都市下京区綾小路通西洞院西入ル)は2022年5月30日、山鉾最古のご神体衣装とされ、重要文化財に指定されている小袖「綾地締切蝶牡丹文片身替小袖(あやじしめきりちょうぼたんもんかたみがわりこそで)」を復元新調したと発表した。
1960年代に芦刈山町の蔵で見つかり、70年に国重文に指定された。墨書により1589(天正17)年に寄進されたことが分かっており、山鉾では最古の衣装です。現物は京都国立博物館に寄託されている。経年劣化していたため、これまで同保存会では、御神体に着せることはなかった。
京都新聞がYoutube動画を作成されていますのでGooで共有させていただきました。
祇園祭・芦刈山の小袖、復元新調(2022年5月30日、京都市中京区)
新たに製作した小袖は、7月の祇園祭前祭の宵山期間(7月14~16日)に展示し、17日の山鉾巡行で御神体に着せるという。
上の2枚の写真は芦刈山の巡行です 撮影:2016-7-17
貧しさのため妻と離れて難波の浦で芦を刈る老翁が、やがて妻との再会をはたす
謡曲「芦刈」を題材にした山。御神体(人形)は天文6年(1537)七条仏師運慶
の流れをくむ康運作(墨銘あり)。御神体の衣装は天正17年(1589)銘をもち
重要文化財に指定されています。
小袖について文化庁のデータベースより要項を記しておきます。
名称:綾地締切蝶牡丹文片身替小袖(あやじしめきりちょうぼたんもんかたみがわりこそで)
重文指定年月日 :昭和45年(1970)5月25日 所有者:芦刈山保存会
銘文:衿裏「天正十七年己丑年六月吉日」の墨書銘がある。
時代:桃山時代 寸法:身丈135.5 裄62.0 袖丈46.5 袖幅30.0 衿幅13.0 (㎝)
品質・形状:表白萌黄締切蝶牡丹文綾地、裏白地平絹の袷仕立て。前身頃、後ろ身頃とも大きく二段に分けて段替とし、さらに片身替にして四区に分ける。地は経糸と緯糸の色を替えた六枚綾地綾とし…
解説文:祇園祭りの芦刈山の人形が着用していた小袖である。段・片身替とし萠葱と白地を交互に織りわけ、地文に蝶牡丹文を織り出した綾で室町時代末期の特色が強く、数少ない当代の遺品としても優れている。
鷹山(たかやま)
鷹山は江戸末期に休み山となって以来、なんと約200年ぶりの巡行復帰となります。
7月24日の後祭(あとまつり)の山鉾巡行で披露されます。
KyodoニュースがYoutube動画を作成されていますのでGooで共有させていただきました。
祇園祭「鷹山」、復活へ 196年ぶり参加目指す
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