本日のブログでは横尾山断層、須磨断層、多井畑断層を取り上げます。
断層の基本的な定義(断層とは)についてはWikipediaより引用紹介します。
断層(だんそう、英語: fault)とは、地下の地層もしくは岩盤に力が加わって割れ、割れた面に沿ってずれ動いて食い違いが生じた状態を言う。
断層がずれ動く現象を断層運動(faulting)と言う。食い違いが生じた面そのものを断層面(fault surface)と称する。鉛直線に対して水平な角を断層角(fault dip)0度と定義したため、鉛直な断層面は90度である。また、水平面に置き換えた断層運動の方向を走向(fault strike)と言う。
なお、侵食や堆積環境の変化、火山岩の噴出・堆積などによってできた地層の境界は、一見食い違っているように見える場合もあるが、ずれ動いたわけではないため断層ではなく、不整合、非整合などと呼ばれ、区別される。
上の写真はGoogleの地図の上に横尾山断層、須磨断層、多井畑断層の位置を示した
横尾山断層は六甲山地の南西端に近い横尾山(312m)、鉢伏山、鉄拐山などの西側の
山麓を通り、走向が北北東の活断層である。
西側には神戸層群、東側には六甲山の基盤である花崗岩の境界断層で逆断層であった。
しかし、1995年の阪神淡路大震災んにより正断層となりました。
この件は詳細な櫻井孝氏による論文が応用地質37巻2号(1995)及び6号(1996)で報告されています。
応用地質37巻2号(1995) _pdf (jst.go.jp)
応用地質37巻6号(1996) 兵庫県南部地震により出現した横尾山地震断層 (jst.go.jp)
須磨断層については西側が六甲山系の花崗岩東側が大阪層群のベースに沖積層が乗った境界断層で逆断層である。走向は北北東で活断層である。
多井畑断層は走向が東北東~西南西のあまり活動が活発でない休断層である。正断層
断層線は奥須磨公園の中を通っています。地層としては3,500万年前の地層である
神戸層群で砂岩、泥岩、礫岩、凝灰岩から構成されています。
新生代(Cenozoic )第3紀(Tertiary)始新世末から漸新世にかけて神戸市西部から北部さらに三田にかけて古神戸湖と呼ばれる大きな湖がありました。
この古神戸湖に積層したのが神戸層群(The Kobe group)です。
上の写真はGoogleの地図に赤線で示したA-B間の断面図
阪神淡路大震災(1995)では沖積層/大阪層群の六甲山系の南側より神戸層群の上に建つ住宅の方が被害が少なかったと言われています。
出典:国土交通省 近畿地方整備局 六甲砂防事務所編 六甲の川物語 みんなで語り伝えよう 「妙法寺川物語」Page8
上の写真は約3,500万年前の古神戸湖(淡水)と内海の位置
神戸層群の中の白川層(以前の白川累層)からは植物化石、多井畑層(以前の多井畑累層)からは貝の化石がよく見られます。
出典:国土交通省 近畿地方整備局 六甲砂防事務所編 六甲の川物語 みんなで語り伝えよう 「妙法寺川物語」Page6
上の写真はイオンジェームス山からみた風景です。撮影:2022-6-14
とうくの山並みに横尾山、栂尾山、おらが茶屋がある山並みが写っています。
これらの山麓に横尾山断層が通っています。
また、多井畑断層はゴルフ練習場のネットが写っている付近です。
上の写真はGoogleの地図の範囲より少し広域の地図に横尾山断層、須磨断層、多井畑断層の3つの断層の他に高塚山断層、高取山断層、丸山断層、長田断層、会下山断層の位置が示されたものです。
出典:国土交通省 近畿地方整備局 六甲砂防事務所編 六甲の川物語 みんなで語り伝えよう 「妙法寺川物語」Page14
この冊子の全容は下記サイトから見られます。
六甲砂防 - 六甲の川物語 | 妙法寺物語 (mlit.go.jp)
上の2枚の写真はさらに広域な地図と断層名と地質及び断面図
出典:国土交通省 近畿地方整備局 六甲砂防事務所編 六甲の川物語 みんなで語り伝えよう 「妙法寺川物語」Page10
基礎知識(1)正断層vs逆断層
断層面が傾いている場合、両側の岩盤のうち、断層面の上側を「上盤」、下側を「下盤」と呼びます。
「縦ずれ断層」のうち、上盤側がずり下がる場合を「正断層」、のし上がる場合を「逆断層」と言います。
また、正断層の場合上下方向に圧縮の力が左右方向には引っ張りの力がかかるのに対し、
逆断層では上下方向に引っ張りの力が左右方向には圧縮の力がかかる。
基礎知識(2)縦ずれ断層vs横ずれ断層
断層面を境として両側のブロックが上下方向に動くときを「縦ずれ断層」と呼びます。
断層面を境として両側のブロックが水平方向動くときを「横ずれ断層」と呼ぶ。
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