現在、進められている辺野古の埋立工事で使われている岩ズリ(土砂)の単価の疑問点について指摘してきた。その後、東京新聞や沖縄タイムス、琉球新報等でも再三、報道され、ますます大きな問題となっている。
今回の事業では、あの赤土混りの土砂の単価が5,370円/㎥とされている。防衛局が3年前に発注した辺野古の工事では1,870円/㎥だったから、なんと3倍にもなっているのだ。
この5,370円/㎥という単価決定にあたって、防衛局は見積りを徴収している。見積は13社に依頼したが、12社が見積りを辞退し、1社しか回答がなかった。公共工事では見積りは原則として3社からとされているが、今回は1社だけの見積りで単価を決定してしまった。こんなことは通常、あり得ない。
さらに、先日、防衛局が開示した「沖縄防衛局(29)資材価格等調査」(2018.3)でいろんな資材の価格が明らかになった。岩ズリの見積りによる価格決定も、この調査の「別途報告書」として出されたものだ。
そこには、沖縄防衛局の工事での砂や石材の単価が示されている。
砂 3,150円/㎥
割栗石 2,800円/㎥
粒度調整採石 3,100円/㎥ (北部6:キャンプ・シュワブ)
(キャンプ・シュワブは「北部6」)
割栗石は上の写真のような径が50~150mmの石材で規格等が厳しく管理されている。当然、土砂が混じることなど許されない。
下の写真が今回使用されている「岩ズリ」だが、実際には誰が見ても赤土混りの土砂にすぎない。こんな赤土混りの土砂が、割栗石の2倍の値段だというのだから呆れるほかない。
同じ調査報告書の中で、割栗石を2,800円/㎥としていながら、岩ズリについては見積りの結果、5,370円/㎥としているのだから、これはおかしいということがすぐに分かったはずだ。
これでは、埋立には全て割栗石を使えば、費用も半分で済むことになる。しかも液状化や沈下の心配もなく、強度も強い。何故、2倍の単価の赤土を放り込むのか?
埋立用の岩ズリ(土砂)が5,370円/㎥というような馬鹿げた価格は通用しない。こんな不正行為は許されない。