辺野古の工事区域(臨時制限区域)を囲っているフロートは、抗議船やカヌー等の進入を阻止するためのものだが、総延長10km以上にもなる。
2014年に設置が始まり、その後も、フロートの径を大きくしたり、鉄柵・ロープをつけるなどの改造が行われてきた。また、台風接近時には、いったん撤去しなければならない。
このフロートや汚濁防止膜の設置・維持管理事業について、談合・官製談合ではないかと思われる不可解な点があるので指摘したい(下の図参照)。
2014年当時、「H26/汚濁防止膜等設置工事」が大成建設・五洋建設共同企業体(JV)に、「H26/仮設工事」(フロート・オイルフェンス・アンカーブロック等)が大成建設に発注された。この「H26/仮設工事」は2016(H28)年に終了となったが、その中のフロート・オイルフェンス工事は、当時、大成建設を代表者とするJVが受注していた「H26/中仕切岸壁新設工事」に設計変更で移された。この工事は、中仕切岸壁(A岸壁)等の新設工事で、そこにフロート・汚濁防止膜工事が変更契約で追加されるのは不自然である。
2018(H29)年から辺野古側の埋立工事が始まったが、防衛局は、1工区の工事(「H29/増設工事(1工区)」に、何故か、フロート・汚濁防止膜工事を含めて発注し、大成建設・五洋建設・国場組のJVが受注した。その後、辺野古側埋立工事を継続する「R2/埋立追加工事(1工区)」もフロート・汚濁防止膜工事を含めて発注され、やはり、大成建設・五洋建設・国場組のJVが受注している(1者応札)。
その後、「R3/埋立追加工事(1工区)」、「R4/埋立追加工事(1工区)」、「R5/埋立追加工事(1工区)」(前の2件の工事は辺野古側埋立工の続きだが、最後の「R5/埋立追加工事(1工区)」は辺野古側への土砂仮置工事である。これらの工事(1工区)は、毎年、大成建設・五洋建設・国場組のJVが連続して受注している)には、フロート・汚濁防止膜工事は無くなり、「R5/仮設物維持管理工事」としてフロート・汚濁防止膜工事が独立して発注された。この工事も、大成建設・五洋建設・国場組のJVが受注している。
このように、辺野古のフロート・汚濁防止膜工事は、今まで6件の工事が発注されたが、その全てを大成建設を代表者とするJVが受注している(「H26/中仕切岸壁新設工事」は、発注ではなく、防衛局が契約変更で操作)という不可解な事実が続いているのだ。
現在、防衛局が入札公告している「R6/造成工事(1工区)」には、再度、フロート・汚濁防止膜工事が含まれている(「R5/仮設物維持管理工事」の工期は本年9月30日で終了)。本年7月4日が開札だが、今回も、大成建設のJVが受注すれば、「官製談合・談合」だと強く批判したい。
工事区域(臨時制限区域)に張られたフロート(鉄柵とロープまでついている) 2018.9.6