7月15日(水)、沖縄県情報公開審査会から配達証明の文書が届いた。私は昨年12月9日、県職員らがシュワブ基地内の旧米軍兵舎解体工事のアスベスト処理状況等について立入調査を行った際(12月8日)に撮影した写真の開示請求を行ったが、県が「不開示」としたため審査会に異議申立てを行っていた。それに対して審査会は、「個人情報に関する部分を除き、開示すべきである」という答申を出したのである。
(審査会から送られてきた答申)
県が写真の「不開示」を決定したのは、下の「決定通知書」にもあるように、「当該写真の開示を米国が認めていないため、公にすることにより、米国との信頼関係が損なわれる恐れがある」という理由だった。しかし、下の黒塗りにされた写真等を見ても分かるように、「不開示」とされた写真は、「保護具・マスク」「使用機材」「工事内容の掲示」等、米軍基地の内部情報にかかるものではなく、そのために「米国との信頼関係が損なわれる」というようなものではない。今回の答申も、そうした理由から県の主張を退け、開示を決定したものである。
(黒塗りされた開示文書)
今回の審査会の答申の全文は、下記の県のホームページで読むことができる。
答申を受けて、まもなくこれらの写真は開示されるだろう。写真をチェックすることから、今後も続く旧米軍兵舎解体工事のアスベスト問題について監視を続けていきたい。
それにしても、辺野古新基地建設問題だけを見ても、一体何回、「米国との信頼関係」という言葉が繰り返されてきただろう。
この3月、防衛局が岩礁破砕許可区域外に大量のコンクリートブロックを投下したことに対し、翁長知事が「県の調査が終わるまで海底面の現状を変更する行為の停止」を指示した。それに対して、防衛局は農水大臣に行政不服審査請求と執行停止の申し立てを行った。農水大臣はただちに執行停止を認め、知事の指示の効力停止を決定したが、そこでも強調されていたのが「日米両国間の信頼関係への悪影響による外交・防衛上の損害」という理由だった。
また、北部訓練場の県道70号線の日米共同使用に関する文書を県が開示決定したことに対して、国は、県を被告として開示決定の取消を求める裁判を提訴した(私は公文書公開請求を行った本人としてこの裁判に訴訟参加している)。ここでも、国は「開示により現在進行中又は将来行われる米国との信頼関係---に支障を及ぼす」(訴状)と主張している。
国は、「米国との信頼関係が損なわれる」とだけ言えば、沖縄県民の当然の要求・権利を規制できると考えているようだが、それはもう通用しない。