



『椰子・椰子』は、96年夏に「蛇を踏む」で芥川賞を受賞した作家、川上弘美が綴る「謎の日記」です。一見何事もないような平和な日常、近所を散歩してお茶を飲み世間話をする平穏な日々。でも、その時空は静かによじれ、ヘンなモノたちがすました顔をしてそこかしこに息づいています。四季を通じて淡々と、ときには不気味にときには可憐に綴られる「しみじみシュール」な世界を彩るのは、人気イラストレーター山口マオの「ほのぼのポップ」なカラー・イラスト約30点。日記の間にはさみこまれた四つの短編は、四季折々の季節感を漂わせつつ、「あたりまえにヘン」な世界での、不思議だけど心あたたまる出来事を飄々とした文体で語り、読者を「椰子・椰子な世界」のさらに奧へと誘います。明るくて乾いててどこかネジがゆるんでいて、でもたまらなく切なくてさみしくもある『椰子・椰子』は、永遠の少年少女たち、そしてちょっぴりさみしい大人たちのための、好奇心と愛にあふれた「夢の絵日記」なのです。

うちの子供たちも私の名前を言えなくて オデータン と言っていた時期がありましたから・・・汚泥炭

不思議な事おっしゃるのですわ・・・人間以外もおしゃべりします。この不思議感がなんとも言えず、大好きです。
表紙はすぐに人間の言葉を覚えてしまう・・・もぐら ですよ。

八月のある日 海沿いの笛屋で売っていた大きいほうの笛 欲しいっ!

川上さんとイラストレーターの山口マオさんの あとがきのような対談 も面白い。
