

明治29年(1896年)、岩手県花巻に生まれた宮沢賢治は、昭和8年(1933年)に亡くなるまで、主に東京と花巻を行き来しながら多数の詩や童話を創作した。
賢治の生家は祖父の代から富裕な質屋であり、長男である彼は本来なら家を継ぐ立場だが、賢治は学問の道を進み、後には教師や技師として地元に貢献しながら、創作に情熱を注ぎ続けた。
地元の名士であり、熱心な浄土真宗信者でもあった賢治の父・政次郎は、このユニークな息子をいかに育て上げたのか。
父の信念とは異なる信仰への目覚めや最愛の妹トシとの死別など、決して長くはないが紆余曲折に満ちた宮沢賢治の生涯を、父・政次郎の視点から描く、気鋭作家の意欲作。








銀河鉄道の父は子供二人に先立たれてしまったのです。
賢治の看病は病院がするからしなくていいと言われているにもかかわらず、病院に泊まり込み自分が病気になってしまう。
すごい愛情!その後も事あるごとに感動してしまった。
もしも男の子だったら、そうして賢治よりも先に生まれていたら、商才を発揮したかもしれない長女トシ・・・賢治と同じ病で先に亡くなっていくその長女トシに聞かせたくて賢治はお話を・・・
トシはとても魅力がある。
優秀でおもしろい。
祖父当てに書かれた別紙では、要するに臨終の床にある祖父、喜助に向かって、きれいに死ね。と・・・
宮沢賢治は知っているけれど、では何を知っているのか?と言われたら、実は何も知らなかった。ということがわかった。
なかなか読み進まず、まずい!が、トシに惹かれ何とか読み終えた。
そう読み終えたら感動していた。
★★★★☆
