精緻化する社会？

社会制度、とりわけ法制度というのは、
社会生活上恣意的な解釈が行われる事による揉め事を
少しでも軽減するために、疑義が挟まれぬよう明文化
していくものだと思っていた。
ところが、どうやら実にいい加減な経緯で成立していく
ものだということが垣間見えてしまった。
世の「有識者」と言われる人たちがこんなにも志が低く
いい加減、無責任、とこや談義・井戸端会議風な
やり方で法制度をいじくっているのだ。

何のことだ？
「人名用漢字、「苺」や「撫子」も可能に・法制審原案」(日本経済新聞）

人名用漢字の拡張の審議のはずなのに、事務方が機械的に頻出語を
抽出したものをおざなりに追認しただけ。常識的に見て人名として
使用するにふさわしくない漢字があるにもかかわらず、くだらない
薀蓄話の意見をのべるだけで、除外すべきという良識のかけらもない。

その実態はここ。
「法制審議会人名用漢字部会第１回会議（平成１６年３月２６日開催）議　事　録」

このような身近なことは頭の固い人たちに任せるのでなく、もっと
まっとうな国民の意見に耳を傾けるべきではなかろうか？

政府常設諮問機関「法制審議会人名用漢字部会」からのお知らせ

妊娠中、妊娠予定、またはお子様の名前にこの漢字を使えたら子供を産みたいという女性およびお相手の皆さんへ。
現在、名前に使える漢字<>の拡張を検討しております。つきましては皆様の切実な思い、ご意見を賜りたくご協力をお願いいたします。
今回ご要望の多い漢字から人名にふさわしい漢字500字を人名漢字として選定したいと考えております。
ご照会および選定希望の漢字の申請は身分証明書持参の上最寄の自治体の戸籍係りへ。

とでも、公報すれば、くだらない意味のない審議会に税金をつぎ込むより
よほど有効な結果が得られるだろう。
さらに、効用として、こんな名前を私たちの赤ちゃんに付けらるなら
子供をと、合計特殊出生率低下の歯止めになるかも知れないし、
両親の希望に添える名前をつけた幼児を虐待することも減るだろう。

生殖年齢を過ぎたと思われる人をメンバーに選んでのこの審議会は、
結果として無責任なものにならざるを得ない。
選定しても良識ある人ならふさわしくない漢字を使えるからといって
命名に使用しないだろう、なんて何が審議会だふざけるな！と言いたい。
「姦」「淫」「糞」という『人名漢字』を選んだメンバーこそ非常識ではないか。一人として絶対ダメ、我々の良識が疑われる、そうでなければ
委員を辞したい、と言わないところに如実に実態が現われている。

多分、審議会の相当数は、こんな審議内容とは無関係な「有識者」により
自分には関係ないことだからと、無責任な放言を撒き散らして
責務を果たしているつもりになっているのだろう。

追加したい、名前に使いたい人名漢字について、
事前調査としてインターネットでアンケートを取るくらいのことは
しないものかね。
少なくとも、あの審議会よりよほど有効な結果が得られるのでは
なかろうか。
中にはとんでもない漢字も出てくるだろうが、スクリーニングの
手段はあるだろう。