断捨離で本箱を整理し、本棚が空っぽになてしまったのはいつだったか・・・
それでもまだ2,300整理しきれない本、再読したい本が残っている。
その本の多くが学生時代、50数年ほど前に手に入れた冒険、探検、登山、遭難などのノンフィクション。
筑摩書房、世界ノンフィクション全集50巻のうち処分しきれなかった10数冊、それさえ半分も未だ読んだことがない。
時間を持て余す今、そんな未読の本をだらだら読んでみようと思う。
手始めに5巻の剣沢に逝ける人々を読み始める。
昭和5年剣沢で雪崩に巻き込まれ6人が遭難死した事件。
読み進めると、かの加藤文太郎が遭難前に一行に同行していたことを驚き知る。
読み終わるや、直ちに文太郎の単独行を探す。
捨てられずそれはあった、単独行、1月の思い出ー剣沢のことー 文太郎の懺悔。
当時はまだ登山は大学出身者中心の金のかかる、ハイソ、贅沢なスポーツだった。
一方、貧しい社会人の単独行者、文太郎は彼らに対して複雑な感情、コンプレックスを抱いた迷惑、不可解な同行者だった。
命を失った6人、パーティからはじき出され、命拾いした文太郎、そんな両者の記録を読むことによって遥か昔の事件にも関わらず、
起きたばかりの悲劇のように生々しく迫ってくる、数年後文太郎も北鎌尾根で命を失うのではあるが・・・
読書は楽しい。