1991年の春、我々一家は東京から裏磐梯のこの地に居を移した。
カラマツの森を切り開き、建てられた家はカラマツ、アカマツ、シロヤナギなどの木々に取り囲まれていた。
この魅力ない植生を変えるため、一時期狂ったように広葉樹を植え込んだ。
オオヤマザクラ、カスミザクラ、ハウチワカエデ、メグスリノキ、ウリハダカエデ、コミネカエデ、
ヤマモミジ、ナナカマド・・・その数は200本は軽く超えているだろう。
そして今、木々は自然林の紅葉のように見事に赤く、黄色く燃えている。
あっという間、27年の時が流れた。