岩手の旅
岩手の短い旅から帰った。
この旅の目的は妻の実家の墓参、津波で流されてしまい、ようやく完成なった義兄夫妻の新居を訪れること、
さらに盛岡のバー、SPEAK LOWに行くこと、その3点であった。
旅のスタートはいつも通り宮沢賢治記念から。
リニューアルされた館内はより深く賢治の世界に踏み込み、更に魅力を増し、興味は尽きず、いつまでも離れがたい。
復興なった釜石、表面的には津波のあの爪痕はほとんどない。夜は兄夫婦と痛飲。
翌朝、小雨の中、立派に整備された木道を歩み、変わらず美しい浄土ヶ浜。
遠回り、いつものように岩泉龍泉洞に立ち寄り盛岡へ。
夕食(昨夜同様相当量のアルコール摂取)後、念願のバー、SPEAK LOWへ。
経営者ご夫妻は妻の学生時代からの友人、ご主人は知る人ぞ知るミュージーシャン、時々ジャズの演奏会も行われるらしい。
静かにジャズの流れる落ち着いた空間で飲むシングルモルト、そしてバーボンは格別の味わいであった。
盛岡を訪れたら是非訪ねてほしい素晴らしいバー。
翌日は二日酔い気味、賢治縁の光原社に立ち寄り、さらにいつも通り小岩井農場に車を走らせる。
雲に隠れ見えないものの岩手山にまっすぐ伸びる牧場の道、一面のひまわり、狼森、すっかり気分回復、爽快。
今回の岩手の旅も賢治の世界から抜け出ることができなかった、だがそれでいいのだ、と心から思う。
走行距離およそ1,000㎞、目的を果たし、斯くして短い岩手の旅は終わった。