学問空間

「『増鏡』を読む会」、第9回は2月22日(土)、テーマは「上西門院とその周辺」です。

準拠法

2006-06-23 | その他
 著作権の保護期間は日本では著作者の没後50年、法人著作の場合は公表後50年となっていて、イギリス・アメリカ等の欧米主要国は概ねそれぞれ70年ですね。
 そうすると、外国語文献を電子テキスト化してインターネットで公開する場合、50年超、70年未満の著作物をどう扱ったらよいのかという問題が出てきます。
印刷物やレコードなどの有体物に固定された著作物の場合には、属地主義の原則ということで、準拠法は明確でした。
 例えば、有体物が日本国内だけに存在しているなら日本の著作権法だけが適用され、50年超なら70年未満でも複製OK。しかし、それを保護期間70年の国に持ち込むと、当該国の法律のみが適用され、違法となります。
 では、インターネットの場合はどうなるのか。
 属地主義の原則に従って、有体物であるところのサーバー所在地の国の法律が準拠法となるのであれば話は簡単なのですが、しかしインターネット上に置かれた情報は世界中からアクセス可能であって、本質的に領域的な限定が不可能です。
 また、属地主義を徹底すると、著作権の規制が一番弱い国のサーバーを利用することによって、厳しい国の規制を簡単に破ることができてしまいます。
 ということで、理論的にもいろいろ言われているのですが、属地主義で徹底する考え方は少数のようですね。
 ついでに言うと、どこの国の法律を適用するかという問題のほかに、どこの国の裁判所に訴えることができるのかという国際的裁判管轄の問題もあります。
コメント (2)
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