学問空間

「『増鏡』を読む会」、第9回は2月22日(土)、テーマは「上西門院とその周辺」です。

情報交換の場

2007-03-21 | その他

 以前、ちょっと書きましたが、イザベラ・バードの『Unbeaten tracks in Japan』は既にグーテンベルグプロジェクトやオーストラリアのアデレート大学のサイトで全文が公開されていて、テキスト自体を新たにアップする意義はありません。
 しかし、そちらに出ているのは文字の羅列だけなので、19世紀の東洋の小国が置かれた環境・歴史について特に詳しく知らない人にとっては文字を追って行くだけでもけっこう大変なはずで、具体的イメージも湧きにくいと思います。
 ウィキを使えば、情報の追加やリンクが自由にできますので、難解な語句の解説とかイザベラ・バードの訪れた場所の写真とかをどんどん付加することにより、他のテキストのみのサイトより遥かに理解しやすく親しみやすい空間ができるでしょうね。
 そして掲示板などを併設すれば、イザベラ・バードについてこんなことを知りたい、こんな情報を持っている、という人々が集まって情報を交換することが可能になるはずです。
 そういった具合に、情報の核となる部分をまず作っておけば、いろんな可能性が生まれるのではないかと思います。

 

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どんな人に参加してほしいのか。

2007-03-21 | その他

 実は試験運用開始時には運営側でそれほど材料を用意している訳ではなくて、基本的には一般参加者に投稿可能な場所を用意するだけです。
 中世史アーカイブズを開始したときは、あまり貧弱なサイトを作ったら世間に笑われる、遠巻きに眺めているであろう研究者連中に舐められる、みたいな感覚があって、今から思えば少し可笑しいくらいバタバタしたのですが、中世史アーカイブズを1年間着実に運営したことにより、それなりの社会的信用の基礎は作ったつもりですので、我々には「みんなでこんなことをやろうではないか」と呼びかける資格は充分あると思っています。

 具体的にどんな人を参加者として想定しているかというと、自ら課題を設定して研究するほどではないけれども、歴史の教養書を読む程度では満足できず、もう少し深く調べたいと思っている人、そして自分が理解できたらそれでおしまいではなくて、調べた結果をネットに公開して大勢で共有することに意義を感じられる人ですね。
そして、そういう人たち相互の間で、また研究者との間で、情報交換の場も作れたらよいなと思っています。

 私がいつも参考にしている青空文庫の場合、参加者同士の交流はあまりないような印象を受けますね。
 ま、文芸作品中心ですので、著者・読者が1対1で対峙する構造を超える形で発展するのは難しいと思いますし、また、いい大人が読書の感想を述べ合っている構図もブキミな感じがしますが、歴史の場合、個々の作品の鑑賞などどうでもよくて、重要なのはより深い歴史認識を得ることですから、情報交換の意義は非常に大きいですね。
 情報交換の仕組みは、今後いろいろ工夫したいと思います。

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