投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2011年 9月16日(金)22時26分28秒
『日本民俗写真大系2 みちのくの北と南』(網野善彦他監修、日本図書センター、1999)を眺めていたら、色川大吉氏が次のように書かれていました。(p66)
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八戸断想
八戸は美しい種差海岸めざして歩く柳田国男の『北国の春』で懐かしい。
とくにその一節「清光館哀史」に出てくる月明下の浜辺の盆踊りは、胸にしみるような柳田の感傷をあらわにしている。私もまたその跡を辿った。
(後略)
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まあ、これは『雪国の春』の勘違いでしょうね。
『北国の春』は柳田国男の著作ではなく、陸前高田出身の千昌夫が歌った演歌のタイトルですね。
「清光館哀史」
>筆綾丸さん
閉伊頼基伝説はおそらく近世に創作されたものなのでしょうが、その形成の背景をきちんと調べれば、結構面白いことが出てきそうですね。
平川新氏の『伝説のなかの神 天皇と異端の近世史』(吉川弘文館、1993)は、内容が少しずつ異なる複数の神社の神社縁起を詳細に分析し、その作成に関与した地元と京都の関係者を具体的に明らかにした上で東北地方の白鳥伝説の形成を解明した大変な名著ですが、同様の分析手法は閉伊頼基伝説にも適用できるのではないかと思います。
ま、私が知らないだけで、誰か既にやっているのかもしれないですけど。
『伝説のなかの神 天皇と異端の近世史』
※筆綾丸さんの下記投稿へのレスです。
illettrisme scientifique 2011/09/15(木) 21:51:40
小太郎さん
http://www.chuko.co.jp/shinsho/2011/09/102127.html
元木泰雄氏『河内源氏ー頼朝を生んだ武士本流』(9/25刊行予定)に、閉伊氏への言及があるでしょうか。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%A9%E3%82%AF%E3%82%BF%E3%83%AB
「リアス式海岸のギザギザ」と言えば、フラクタルの世界ですね。
先日、フランスの記事を読んでいると、illettrisme scientifique という表現がありましたが、科学的蒙昧、くらいの意味ですね。
小太郎さん
http://www.chuko.co.jp/shinsho/2011/09/102127.html
元木泰雄氏『河内源氏ー頼朝を生んだ武士本流』(9/25刊行予定)に、閉伊氏への言及があるでしょうか。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%A9%E3%82%AF%E3%82%BF%E3%83%AB
「リアス式海岸のギザギザ」と言えば、フラクタルの世界ですね。
先日、フランスの記事を読んでいると、illettrisme scientifique という表現がありましたが、科学的蒙昧、くらいの意味ですね。