PHOTO:MR,IWANE
もう何度もSTA体験している観客達からは、即座に歓声が送られてきます。
いつものようにノブによるやや抑え気味のコード・カッティングが静寂を突いて流れ始めると、追随するがごとくケンがハイハット・スタンドでリズム・キープ。
マサが腹の底から搾り出すようにブラスロック・サウンド宣言。
徐々に音量が増幅した場面を見計らったようにバンド名を高らかにシャウト後のカウント「1.2.3~!!」
ズッドン!!とけたたましき重低音が叩き出されるとホーンセクションがいっせいに吹き鳴らされてライブ・スタート!
今回は鍵盤&パーカッション不在、コーラスも薄めなので各メンバー達にかかる負担も大きいですが(それでも8人!)根性で挑みます。
まずはフロントサイドにベースを操りながら飛び出したマサが、リードボーカルで唸りをあげつつせり出します。撮影スタッフがカメラを向けてくると早速あらゆるポーズにアクションを織り交ぜてシャッター・チャンス・サービス。
ソロ一発目はタクチャンから(最近はカツとタクが交互にSTAライブに合流)。
普段の温厚そのもののニコヤカな表情から今は別人のごとく凛々しく真剣そのもの。そのまま、ファニーへバトンタッチ。実に伸びやかなペットによる哀愁の旋律を余裕で聴かせてくれます。
ノブの思い切りサスティーンを効果的に活用したギターのトーンでアバンギャルドに攻め立てた後は3番のボーカルへ。ここで、最初の事故が発生しましたが(けっこう肝を冷やした)全員クールにクリア。
マサMCで「改めましてTHE SAPPORO TRANSIT AUTHORITYです!皆さん、楽しんでますかあ~?YEAH!!この勢いで残り時間をブラスサウンドで畳み込んでいきますのヨロシク!!NEXT NUMBER・・・SOME LIKE IT HOT !!」
ケンによるファンキーなドラムフィルが物凄い地響きのように不気味かつ厚みのある音で迫ってきます。
特にバスドラムのへヴィーなこと。
ラブガンのヒーロ☆スタンレーは別バンドでデュラン・デュランのカバー・バンド「ヅラン・ズラン」でも活動しているのですが、この曲を今回STAが演奏することをマサから伝えると「いいなあ!!」とニヤリ。
マサは事前に一つ一つの曲調をスタッフに伝えておいたので、その都度照明がカラフルにイメージどおり演出してくれます。この曲ではモスグリーンで味付け。
何度もここにしつこく書きますが、広いステージは開放感一杯でノビノビとプレイに専念できて気持ちいいですね。
その広大な分、拡散する音響をいかにしてナチュラルに届けるかはスタッフ腕の見せ所。
リードボーカルのジュンはマサと何度もアイコンタクトを送りあってコミュニケーション。アカペラ・エンディングでも2人による締めくくりが大きな拍手を誘発。
「次の曲はシカゴの記念すべきデビュー・ナンバーでクエスチョンズ67&68」
一際大きな歓声に迎えられて、いっそう張り切るメンバー達。
今回のライブはマサとジュンの2人がボーカル担当なので、交互に歌い継ぐようなセットリスト。もちろんステージ進行のメリハリも考慮して組んでいますが最近の中でも出色の構成だと自負しております。
照明は情熱的なオレンジカラー。
会場から「ミユキちゃ~~ん!」の声が飛んできて彼女も手を振りスマイルで対応。
「シュガーレスのキョンキョンが言っていたけど、ほんとうにステージからは会場が真っ暗で何も見えないね。次の曲はSTA唯一のバラードで、シカゴ初の1位を記録したIF YOU LEAVE ME NOWです」
本家シカゴにならってケンはワイヤーブラシ、ファニーはフリューゲルホーンにそれぞれ持ち替えてプレイ。
ジュンは体をゆっくりとリズムにのせながら情感たっぷりに切ない男の恋心を巧みに歌います。聞き惚れるほどの入れ込みよう。
照明は歌詞の内容に沿って淡いパープルカラー。今回は編成の都合によりシンプル、タイトに徹します。マサは
ピッキングを比較的最小限に抑えてバッキングに専念。音を伸ばしてウィル・リーやビリー・シーンがよくやるベース・ボディとネックを逆方向にグイグイと曲げるビブラートを導入。これって楽器にとってひじょうに危険な行為。馬鹿力を加えすぎると「バキッ!」とネック折れやヒビが入ることもあります。スルーならともかくデタッチャブルやスルーネックは特にね。もう一つナットとペグ間の絃を指先でグイグイと押し込みビブラートする技も入れました。こいつも力を加減しないとチューニング狂い、弦切れ、ナット欠けの危険が伴いますが、マサのベースはブラスナットだから欠けの心配だけはないようですよ。ビリーやウィルは長身で腕が長いのでビジュアル的にも見栄えがいいところが羨ましい・・・・。
「早いもので残り2曲。ここからは理屈抜きに濃厚コテコテなブラスロックで突き進みます!IDES OF MARCH,VEHICLE!!」
派手なブルーの照明に刺激されたのか、このあたりからメンバー達の動きもより活発化。特にマサはステージ上の端々を駆け回り、それでも飽き足らずドラム台のケンの横にまで上って大股プレイ。
ブレイク部分では全身を回転。モニターも飛び越えてキック、スキップ、ステップ。ベースを上下左右に揺すりながらもリズムキープ。ワイヤレスを使用したら、もうシールドをひきずっての演奏はとてもじゃないけど、わずらわしくて絶対に無理(考え方は人それぞれですがね)。
ステージ上に上がってダンスしている人たちにもマサは擦り寄っていき楽しんでいます。激しく点滅する照明に呼応するかのように捨て身のマサはモニターに片足で乗り上げ、ノブは中央に歩み出てギター・ソロ。ガッツ・ジュンも渾身の喉を振るわせる。
「ラストです!まだ外は明るいと思いますが極上のミッドナイト・ソングをお届けしましょう!CHICAGO,25OR6TO4!!」
この流れを把握済みの客席からは待ってましたあ!とばかりに余力を振り絞っての熱烈合流。
マサはステージ一番先の突端にまですっ飛んでいって熱唱。
照明はサイケデリック・ムードを狙ったかのような不気味なまだら模様レッドで歌詞の内容にジャスト・フィット。
ここでもマサは1番と2番の歌の間奏中でメンバー全員の周囲を疾走。そして元のポジションに戻って何事もなかったかのようにボーカル。
ホール全体を有効利用しない手はないよね。
ギターソロ中もノブのそばで膝まづいて挑発行為。コーちゃんはサックス・プライヤーからカメラマンに早替わり。
エンディングではお決まりのマサによるベースネック掲げ上げポーズ。その後は、浅草橋屋外ライブで危険だからという理由で封印していたベースを外してのブンブン振り回しアクション復活!!
ここくらい広々としたホールならば許されるでしょう。それでもベースは想像以上に長いのでモニターにボディが激突しそうになったけど・・・・危ない、危ない。
「WAAOHHH!!」の掛け声でベースを振り下ろしてライブは終了しました。
「サンキュウ!どうもありがとう!!」
呼吸を荒げ、汗だくで楽屋に引き上げたらゴヘイ・バンドのF-KINGが現れました。わざわざSTA、ラブガンを観に遠路はるばる駆けつけてくれたそうですよ。5番目に出演したAYA嬢とも音楽談義に華が咲き、運河プラザ・ライブではアクセサリーショップで参加していたスバル嬢も今回は100%オーディエンス&ダンサーとして来場できて良かったね。ロビー出口ではイケダ君とマサはご挨拶。初めて知ったのですが彼はずっとSTAのライブを見続けていたそうで写真も膨大に所持しているんだとか。
またいかした仲間との出逢いがここに実現。こうしてそれまではまったくの他人だったのが、音楽という共通項が縁で懇意になれるのだからハッピーこの上ないですね。
来月も小樽、2015年の区切りともいえるライブはまたもやSTA初会場の「かもめ亭お気楽ライブイベント」
と言っても「雪明かりの路ライブ」会場エンペラーの下に位置するなじみの場所。
今年一杯でここは使用が終りなんだそうで、ギリギリでSTA最初で最後のかもめ亭体験です。
年の瀬もブラスロックで寒さをぶっ飛ばそうではないですか!STAは待ってるぜ!!小樽よ、今夜もありがとう!!!
SPECIAL THANKS TO・・・HITOMI&AYA&F-KING&MR,IGARASHI&STAFF&MR,SAITOH&MR,MIWA&MR,ABE&MR,FUKUTOKU&HIKO&LOVEGUN&KIRI-CHAN&MR,IWANE&MR,IKEDA&SUMERAGIAN&SOBA-SHOP/SAKURAZAKA・EBETSU&THE PARTY’S!!