THE SAPPORO TRANSIT AUTHORITY (S.T.A)

札幌で活動しているブラスロックバンド、STA(The Sapporo Transit Authority)です。

VOL,208 FEEL SO GOOD~LIVE IN CUBEGARDEN (PLAUBEL MAKINA編)

2024-01-25 23:25:58 | Live Set List
8,19:45~20:15
[PLAUBEL MAKINA]
****このライブレポートって、意外にも根強いファンがいるのですよ。
チェックも中々に厳しく、叱咤激励を日々受けております。
今後とも、どうぞお手柔らかにね
( `・∀・´)ノヨロシク・・・・****

会場内に盛大なるBGMが流れ続ける中、観客とミュージシャン達は和気藹々に談笑中。

はい!
いよいよもって佳境に突入。
さてさて、早いもので残すところ、あと数バンドのみ。
楽しいひと時はあっという間だ。

この日に出演したバンド中、一番大人のシットリとしたオシャレな音楽を届けてくれましたよ。
爆音渦巻くサウンドに包まれるのも良し、極上のポップスに熱狂して踊り狂うのも良いけれども、このように落ち着いた曲調にゆっくりと身を浸しながら酔いしれてみるというのも乙なものではないかい。

実はこのバンドと私は去年の3月5日、小樽ゴールドストーンにて対バンを組んでいるのですよ。
その時もマックス&アっ子ちゃんによる「フィール・ソー・グッド」企画だった。
楽屋でキーボードの方とマサは色々と和気藹々に談笑した思い出はあります。
それ以来の再会だけに個人的にもこの日を楽しみにしていました。
いざ、蓋を開けてみたらやはり期待を裏切らない素晴らしいステージングを展開してくれました。
ありそうで中々この手のジャンルだけに非常に貴重な存在だ。

ここでメンバーの紹介をば・・・。
4人編成です。
面白いのはドラマーが在籍していないこと。
まあ、ジャズ系ならばよくあることではありますが・・・。
よほどの実力と余裕と貫禄がなければ無理ですよね。
そこはツワモノぞろいのミュージシャンばかりなので全く問題なし。
百戦錬磨のベテラン勢だけに聴きごたえ、見ごたえ満点。
以前に見た時よりも数段スケールアップを遂げていたのも驚愕でした。

ボーカル・・・紅一点の美女ナナ嬢
スレンダー・ボディを華麗なるドレスに包んで登場!
熱い視線を一身に浴びていました。

ギター・・・川嶋氏。
ギブソンの愛器レスポール・スタンダードを使用。
綺麗なチェリーサンバースト。

ベース・・・鎌田氏
アイバニーズのレスポールベース。
これは激レアな一本ではないかなあ。
ブラックボディカラーでFホール仕様
ハンチング眼鏡姿
椅子に腰かけてのプレイ

そしてキーボード&MC・・・秦氏
カワイ・ブランドを使用
彼も椅子の座ってのプレイ

メンバー全員、さすが落ち着き払った佇まいでのセッティング。
サウンドチェック時にも無駄のない動きでスムーズに進行。
音合わせで軽くちょっと演奏したのですが、もうその瞬間から会場内の空気が一変したのが如実に伝わってきました。
すでの皆が大注目しているのがよくわかるし。
瞬きするのも勿体ないくらいに食い入るように注視。
さあ、これからどのような音を紡ぎだしてくれるのか・・・と胸をワクワクと踊らせていました。

準備万端整いましたよ。
アっ子ちゃんが上手から現れて司会進行役を務める・・・・
と、あれれ・・・?!
肝心要の歌姫がいないではないかあ!!??・・・・
一体全体、どうしちゃったの?
騒然とするオーディエンス。
アっ子ちゃんちゃんからの説明。
「みなさん、大変長らくお待たせいたしました。
これよりPLAUBEL MAKINAのライブをはじめたいと思いますが、残念なことのボーカルのナナちゃんが体調不良とのこと・・・。
でも、せっかくの場なので是非とも、歌いたいとのことです。
綺麗な彼女の姿が見れないのは寂しい限りではありますが、舞台袖上手にて椅子に座ったままで歌うということでよろしいでしょうか?」
会場全体からは割れんばかりの拍手が沸き起こった。
声援もあちこちから飛び交う。
「ありがとうございます。
ナナちゃん、大丈夫・・・?
はい、頑張って歌うそうですよ。
それではよろしくお願いします。」

一抹の不安はありますが、ホール内の一人一人が心より応援しているのがうれしい限りだ。
ああ~~ああ・・・さっき、写真を撮っておけばよかったなあ。
というわけでして、男性メンバー3人のみのステージフォトとなりますで、ご了承くださいませ。

オープニングナンバーは・・・「CANDY」
開巻早々に素敵なひと時を惜しげもなく提供。
なるほどなあ・・・渋いセレクション。
サラッと嫌味なくここにこのスタンダードを持ってくるなんて心憎い。
1944年に作曲された永遠の傑作。
リー・モーガン、ナット・キング・コールと数多くの伝説的な人たちが取り上げていますが、やはりここではナナ嬢のイメージから、バラードとして有名なエラ・フィッツジェラルドのバージョンを取り上げたのかなあ?
今度確認する機会があれば聞いてみようっと。
渋いピアノの音色がイントロで奏でられる中、「キャンディ~~(^^♪」とチャーミングでちょっぴりとキュートに歌われるだけで、不覚にも思わずキュンとしちゃった。
当然ナナ嬢は声だけの参加。
でもねえ、その癒しのヴォイスを一聴しただけでは、とてもじゃあないけれども、具合が悪いとは到底思えない。
そうとうに無理して歌っているんだろうねえ。
とろけるように囁きかけるセクシーな歌声には好感がもてるよ。
そしてbackをつとめるバンドマンたち。
彼らのタイトでストレートかつシンプルな演奏は安定感が抜群。
この音壁が構築されるならばナナ嬢も安心してボーカルに専念できるというもの。
ちなみに、このバラードのリズムの事を「スロースィング」のバラードというのだそうですよ。
バラードでもスィング系とイーブン系に大きく分かれるのだそうです。
なるほど、勉強になるなあ・・・。
会場内は先ほどまでの賑やかさから一転、水を打ったように静まり返ってこの壮大なるショーに夢見ごこち。
1曲目で、既にさりげなく観客の💛を射抜いていましたよ。

2曲目は先ほど、サウンド・チェック時にも披露していた曲
「YOU'D・BE・SO・NICE・TO・COME・HOME・TO」
(ヘレン・メリルが代表的なカバー)
邦題は「帰ってくれたらうれしいわ(大橋巨泉がつけた歴史的な誤訳・・・・)」、「帰ってくればいいのに」などがあった(ウイキペディアより)
あのコール・ポーターの作詞&作曲。
1942年に発表された映画「サムシング・トウ・シャウト・アバウト」の挿入歌。
この映画はヒットしなかったが、洗練されたメロディがアメリカ人に強くアピールして大ヒットした。(こちらはダイナ・ショア)
ナナ嬢はヘレンとダイナのどちらを参考にしたのかな?
個人的には「ニューヨークのため息」と評されたハスキーな歌声にヘレン・メリルが断然好み。
情感の籠った気怠い独特な声がサックス的だし。
何回聞いても飽きの来ない不思議な魅力をも含むナンバー。
粋なプレイヤー陣もボーカルをフューチャーしつつも、しっかりと控えめに自己主張。
歌うように軽快な鍵盤さばきと構成力、弦楽器コンビも通好みのアドリブ・ソロを軽くスリリングに絡めてくる。
印象的なアレンジやテンポも、決めるときは徹底的に光るものを提供。
あまりにも神々しき状況に言葉を失ってしまうよ。
改めて言わせてもらいますよ‥‥全員が上手すぎる!!
もうこうなったらゆったりとリラックスしながらくつろがせていただきますよ。
至福のひと時だもんなあ。

ここで一旦ライブ進行を停止・・・・
秦くんがピアノから立ち上がって心配そうに舞台袖へ。
何やら話し合っている。
アっ子ちゃんが再び登場。
ナナちゃんの気持ちを代弁する。
「みなさん、こんにちは。
ボーカルのナナです
ジャズがメインのグループなので飽きられることのないように、其の内の2曲曲は古い邦楽を組み込んでいます。」
アっ子ちゃんからの説明によると、どうやら鼻血が出てきて止まらないのだそうだ・・・・。
それもちょっとした出血というレベルではなく、半端ないくらい血管の破れ方だそうだ・・・・・。
それでもナナ嬢はコンサートの続行を希望しているとのこと。
こちらサイドとしては複雑な心境になってきた。
絶対安静にしてほしい・・・だけど聞きたいなあ・・・うう~~む、悩ましい。
益々、客の拍手がヒートアップしてきた。

3曲目は「飛んでイスタンブール」(庄野真代の最大のヒット曲)
5枚目のシングル
1978年4月1日に発売。
アルバム「ルフラン」に収録
ちあき哲也・作詞、筒美京平・作曲という黄金のコンビによる作品。
オリコン週間チャートでは最高ランキング3位を記録
累計売上は80万枚ともいわれる
正にタイムリー。
懐かしい昭和の時代が鮮明に蘇ってくる。
温故知新・・・。
近年、世界中を席捲しているシティポップの元祖の一人が庄野真代さんだった。
再評価の兆しもあるしね。
意外なる曲が飛び出した。
失恋した女性のセンチメンタル・ジャーニーを描いた歌。
なんでも歌いこなせるんだね。
それでいて全然違和感を感じさせないし。
哀愁漂う無国籍風でエキゾチックのこの曲も良くお似合いです。
インパクト絶大なサビが際立って耳に残るけど、韻を踏んだ歌詞に合わせて一緒に口ずさんでしまうね。
エモーショナルな七色の声の持ち主に釘付け。
不覚にもやられてしまった。
その柔軟なる姿勢に乾杯。
基本のコンセプトは、彼女のキャラクターに合うようにフューチャーしつつも、極上のジャジーで硬軟織り交ぜたグルーブを醸し出していくユニット・・・というところかな。

またライブがストップ。
秦くんとアっ子ちゃんがナナ嬢のそばへ。
特にアっ子ちゃんがずっと寄り添っている。
その間、場つなぎという感じでベース&ギターがいつの間にやらジミ・ヘンドリックスの「パープル・ヘイズ」をインストで演奏し始めた。
それに気づいた観客は何人いたかな??・・・・

秦くんとアっ子ちゃんがステージでマイクを手に状況を説明。
「誰かお医者さんはいらっしゃいませんか・・・?
って、よく映画やドラマで飛行機の中での急病人のシーンでこういうのありますよね。」
秦君「次の曲は・・・スカイレストランです。
誰か代わりに歌える方、いませんかねえ・・・・
よろしくお願いいたします」
もちろんナナ嬢の代役が務まる者なんて恐れ多くて皆無。
そういうわけでして、ナナ嬢は続行。
ライブ終了までもう少しだ。
ピアノのイントロから絶妙のタイミングでスキャットが被さってくる。
これはユーミン初期のボサノバ調の隠れた佳曲(作曲は村井邦彦)。
松任谷ではなく荒井由実の頃。
このバンドは、マイナー・キーの曲をアーバンでメロウなテイストで好演。
密度の濃い抜群のチームワークだからこその成せる技。
ナナ嬢の超絶的な歌唱力を持って、艶のある澄んだ歌声により、深い切なさがひしひしと染み渡ってくる。
難攻不落な楽曲を恐ろしいほどの表現力で、自らのものにさらりと昇華させています。
うんちくを一つ…1975年のこの曲のbackトラックはそのまま「あの日に帰りたい」なのです。
そう、歌詞を差し替えているのだ。
後にハイ・ファイ・セットでリリースされた

曲後に、アっ子ちゃんが深刻な表情を浮かべて告げる。
「ナナちゃんが、お聞き苦しいところを聞かせてしまって申し訳ありません」と言っています。
全然そんなこと微塵も感じられないのに・・・。
「もうこれ以上歌うことは無理のようです。
本人はご挨拶だけでも出てきたいと言っています。
でも、マスク姿なのですが大量出血・・・・。
もう口の中が血まみれなんです・・・・。」
会場中から励ましの声援が飛び交う。
ありがとう・・・・
ゆっくりと安静にして傷が癒えたら、元気な姿でまた聞かせてね。
バンドのメンバー達も、何度も頭を下げてお礼を述べる。
この30分間に異議を唱えたり、不満を漏らす人なんていないでしょう。
そのくらいに訴えるものがあったもんなあ。

もう1曲予定していた幻のラストチューンをこっそりと書きましょう。
それは「BYE BYE BLACK BIRD」
1926年に発表。
レイ・ヘンダーソン作曲
モート・ディクソン作詞
フィナーレにこれほどふさわしい曲ってないでしょう。
ジャンルを問わず長く愛されているスタンダード。
多方面のミュージシャン達に多大なる影響を与えてリスペクトされている。
想像は膨らんでいく一方だ。
まあ、次回のお楽しみということで、とっておきましょう。

本当にお疲れさまでした!!
観客たちもエキサイトしながら、異口同音に絶賛していた。

またすぐにでも見たくなるバンド。
まだまだ、たくさんの隠し玉を持っているのでしょう。
ありとあらゆる要素も勉強になるなあ。

暗く陰鬱なる世の中にとっても、一筋の光明が差してきたような気がします。
北国の豪雪も、いつの間にやら溶けちゃいそうだ。









































































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