私たちが利用した駐車場は 鳥井峠への道に一番近いところ。 街道筋に出るとすぐに高札場に出る。
歴史民俗資料館を経て鎮神社に出る。 ここが奈良井の宿の西の境。 奈良井を守るために建立された神社に違いない。
道祖神は仏様そのものではなく 石に文字が書かれたもの
このすぐ脇から 中山道鳥井峠越えが始まる。
すぐに割合広い道になって やがて林道に出る。 右に折れて 再び山道に入っていく。 唐松が陽に当たってきらきらしている。
道は やがて石畳の敷き詰められた道になる。 中山道らしい風情の道だ。
今回はあんなに怖がっていたのがウソのように 気持ちの良い道が続く。
オモニに見せたい。
この秋の雨はよほどひどかったのだろうか?
私の出かける山の一つ 鈴鹿の山もひどく荒れてしまったと聞いている。
ここでもずいぶん荒れていて とりあえずの補修があちこちでされていた。
極上の天気で 陽をすかして見える美しい紅葉を楽しみながら 数年前の事を思い出す。
ここは秋にはこんな美しい様子を見せてくれるんだよ。
この仏様は 前にもあった。雪の中では無かった。 この上に 東屋があるので 二人ではしゃいで登ったのだった。
今登ってみるとあっけないぐらいの簡単なピーク。(ピークともいえないや)
ここからの展望はあんまり良くないけれど 遠くに鳥井峠が見える。あそこまでだ そんなに遠くは無いな。 二人は山歩きの経験があまりないので あんな所まで行くの~~?と言いたげ。
何て綺麗なんでしょうね? 唐松と紅葉と 綠 木肌は白く輝いている。
遠くの山が見えるところに来た。
あ~~っ
「油絵でこんなふうに絵の具を重ねて塗りたくったのを見たことあるけど こんなん本当にあるんや」とおかしな感心の仕方。 でも本当に絵の具で作ったかのような紅葉
しばらく行くと 葬沢に出る。 ここで前回テンションが奈落の底に落ちてしまったのかもしれない。
葬沢(ほうむりさわ)って 谷が巨大な墓場のようなイメージがあるこの地は 木曽義昌と武田勝頼が相まみえた古戦場 武田方は500余人の犠牲者を出し この沢に葬られたのだと。。。
葬るって 投げ捨てたって感じがするんだけれどなぁ この美しい谷が死者で埋まっていたと思うと・・・
もう一つある。 ここは菊池寛の恩讐の彼方に に出てくる場面で動機が書かれているのだと
私は青の洞門としてその名前を知ってはいるけれど読んだことが無いので どんな内容か知らない。でも凄惨を極める・・・と書かれていたのできっと 怖い場面なんだろう。
この時期 美しいけれどやはり 気持ちが悪い。
いくつかの橋を越えて 唐松の林を歩いて 最後の少しの登りの後に 鳥井峠の避難小屋に出る。
あの時 小屋の中はとても温かそうに見えたけれど そこまで歩く元気も無かった。 今見るとほんの数メートルなのにね。
気持ちを失うと人はなにも出来なくなるんだね。
懐かしい小屋の前で 独り感慨にふける。