去年のお正月に御在所に出かけた。 娘が車の免許を取って乗りたくて乗りたくて仕方が無かったこともあって みんなで出かけた。 樹氷が綺麗で 山上では そり滑りをしたりして楽しめたし 帰りには茶々で 美味しい食事ができたし・・・ 娘に撮って思いがけず楽しい思い出になったらしく その後も時々口にする。
今年もどこかへ行こうと言うことになった。 私と娘の仕事の都合もあって無理をしないと 家族4人が集まる事ができない。 今年は元旦がその日になった。
御在所で良いと思っていたけれど 息子が同じ所に行くことに難色を示した。 でもお手軽でないと駄目だと言う。 お手軽で 楽しい場所なんてそうはないよ!
息子のあたまに千畳敷の景色があったようで 千畳敷はどうだと言う。
千畳敷? ここは山登りする人には面白いけれど 軟弱な二人には楽しいわけ無い。
千畳敷カールは 御在所などと比べると狭いし すること無いよ!困ってしまったけれど 行ってみれば納得するかも知れない。 何とか雪遊びができると良いけれど。 おまけに天気予報は雨 いや雪かも知れない とするとホワイトアウトするかも知れない
不安になってきて 冬山の装備を大晦日に買いに行った。 息子も娘もボードはやるので 着るものはともかく 最低の靴やアイゼンなどをそろえる。 ストックは5本あるけれど もし 少しでも登るのならピッケルもいるだろう 困った
そんな心配をしながら出かけた駒ヶ岳だった。
でももっと強者がいた。
着物を着て草履を履いて・・・え? 何しに行くの?
天気予報に反して 見事な青空 南アルプスは天空に浮かび上がり その向こうには富士山が姿を見せている。 今年は何故か雪の無い富士山だけれど その姿は紛れなく富士 気温はしらび平でマイナス4度 風が無く暖かい
千畳敷カールは 一面の銀世界 青い色を湛えた雪はとても綺麗で 風が吹くと風紋を作る。 2メートル以上つもっていそうだった。 夏に歩いた遊歩道は 全く姿を隠していて 道標のてっぺんだけが所所につきだしている。
このところ新雪がないのか 雪上のトレースは踏み固められていて アイゼンさえあれば 全く埋もれることは無い。 時々勘違いして トレースを離れて ずぼっとはまって 雪の深いことを思い出す。乗越浄土まで 夏はジグザグにきつい登山道だった。
今はすっかりその道は姿を消しているので 直登になる。 斜面にずっと続く一本の線
二組が ワッしワッしと登っていった。 夏山に登ったことさえない子供達を連れていたので 行きたいところまでいって良いよと言うことで 主にカールで遊んでいた。
宝剣岳を見上げてびっくり 頂上に赤い人影がある
夏でもかなり慎重さが必要なあの山に 人がいる。 岩の上は凍ってはいなかったのだろうか? 見ていると子供達を放っておいて 行ってみたい気もしたけれど・・・
子供達とても元気だったので この分なら少し歩いたら 山が好きになるかも知れないと思った。 でも帰りにその思いは打ち消された。 カールから登る道は 何でも無いようで子供達にとって急だったらしい。 それに何より 自分の若さだけを頼りに歩いているから 直ぐに呼吸困難を起こしてしまったらしい。
登り切って 「死ぬかと思った。」と青あざめた顔をして言っている。
ともあれ 思いがけず 元旦を駒ヶ岳の入り口で過ごすことができて私は嬉しかった。この青空は 今年の始まりとしては 上々。 良い一年になるかな?