子どもの頃 昔話にでてきた夜叉が池 雨乞いの為に娘を龍神の奥さんとして差し出さねばならなかった長者さん 村人のため 龍神との約束を守るため 心優しい末娘が自ら嫁ぐことを決心した。
心優しい娘のお陰で 村には日照りがなくなり 村人には豊かな実りが 龍神と娘は いつまでも幸せに暮らしましたとさ・・・
その夜叉が池が 故郷の岐阜県にあることが嬉しかった。(本当は福井にあるらしい) 板東玉三郎の夜叉姫のポスターは 本当に美しかった。しかし あのべたな昔話に玉三郎が出ることが不思議だった。 泉鏡花の話は読んだことが無いし・・・
今回山登りをするに当って伝説を改めて聞いた。 伝説は幾つもあって わたしが子どもの頃読んだものとは大違いだった。でなきゃ 玉三郎が舞台で扱うわけないよね。
夜叉姫が人身御供になって龍神の所に嫁いだ所までは一緒。 龍神には本妻があって 大変な騒動になってしまった。 奥さんに怒り狂われた龍神は困り切って 夜叉姫を殺してもらうように頼む。 本妻は白の打ち掛け 夜叉姫は赤の打ち掛けを着ていたので 赤の打ち掛けを狙うように頼む。
あまりに怒り狂った本妻 疲れて泣きじゃくって寝ていたところに夜叉姫が通りかかって 風邪をひいたら大変と 自分の着ていた打ち掛けを掛けてやる。 結果 本妻が殺される。
さてそんな事で二人となったものの幸せ薄く 長者の夢枕に立つ夜叉姫は「元気だから」とはいうものの はかなげで 寂しい顔をしている。心配した長者が「何か欲しいものはないか?」と聞くと「口紅とおしろいをください」と言ったとか・・・
春になると雪解けを待って 岐阜県側から山に登り 池に口紅とおしろいを流す行事が今も続けられているそうだ。
地図で見ると 夜叉が池は福井県側にあり 思ったより高いところにある。標高1150メートルぐらいだろうか? 殆どが平坦な散策路と言いたいのだけれど 夜叉壁からの登りを考えると 簡単に行けるところではない。国有林で 絶滅危惧種の保護池ともなっていて 本来は人を入れない山。 ボランティアの監視を付けると言うことで やっと入山を許される山だ。
それだけ夜叉姫の 怨念はきついのかな?