去年両親を連れて松尾池に行った。 紅葉には早かったけれど萩の滝までの散策を思いの外喜んでくれて 今年の年賀状はその時の絵を短冊にした物をデザインして作ったぐらいだった。
萩の滝では両親の喜びとは別なことを考えていた。見上げた先に見える岩の塊を見て「あそこは登れるのかしら?」
山中間のジオンさんが「百々が峰案内したいから 是非岐阜へ」と誘ってくれたのは今年の五月頃。何度も誘ってくれるけれどなかなか時間や日にちの調整ができず。そのままになっていた。
家の都合で 山登りを諦めていたオモニから月一度ぐらいなら・・・とメールが入った時 小躍りして喜んだ。その時に百々が峰の事を思い出した。
「ジオンさんと予定が合うと良いな」
幸いというべきか 本当はジオンさん予定があったのだけれど 動かせる予定だと言って都合を付けてくれた。 百々が峰 岐阜市で一番高い山。
今にも降り出しそうな天気だったけれど決行。紅葉の時期なのであまり天気が良いと 人がいっぱいで車駐められないかも・・・と思っていたので丁度良かった。(負け惜しみじゃないよ・・・ん? ちょっとだけね)
松尾池の手前で車を降り歩き出す。 「うぉ~~」何と綺麗なのでしょう 両親と歩いた去年とは比べものにならない。湖面にも赤や黄色の山々を映し まさに綾錦。 今年はついている。
何度も何度も素敵な秋に出会う。
左から東屋に行って山の中に入るのが近いのだけれど トイレ休憩のため右から回っていく。
合掌造りの上の道 真っ赤に染まった遊歩道を楽しみながら登ると 右に踏み跡が・・・
標識はない。枯葉がカサコソしていて良くわからないけれど 一人の男性がひょうひょうと足もとも軽く登っていったのでわかった。 ひとりじゃ 見つからなかったかもしれない。
今日のコースは岩場コースらしい。ああ あのとき見た岩場を越えていくんだ。 嬉しいと同時に不安も「大丈夫 夜叉壁登ったんだから大丈夫。 距離も短いし」
はぁ そうですか?
前の男性は足取り軽くすいすい登っていったけれど 思ったより直登が長かった。 急というわけでもないと思ったけれど直ぐに見失った。 おちばの乗った斜面を「結構きついな~」と登っていくと道はやがてジグザグになってきた。
それでもそのきつさにはあまり変化が無く アキレス腱がきりきり悲鳴を上げている。 止まってゆっくりのばしてみる。 そんなことを繰返していると 木々の間に展望がのぞき見られるようになって やがて岩の壁に到着。
「水分補給しよっ!」と立ったままお茶を飲む。ふ~~生き返った。 まだまだ修行が足りないな。
さてと 次は・・・れれれ?道が無い。
「この岩の壁を登りまーす。」 「え~~っ?」 それは想像していたよりも急だった。鎖もロープも無い。あってもあまり使うこと無いからいいようなものの 問題は何処をどう登ったら何処へ行くのか見当がつかなかったこと。 間違っていたからってもどってくるのもな~
私の左手は 引っ張ることはできるのだけれど つかんで寄せるとか 手をつくことはまだできない。
岩の角を探して手を引っかけて体を引っ張り寄せる。膝が悪いので高さがあまりあると 踏ん張ることもできない。 くそっ
オモニが押してあげるって言ったけれど「ゴメン 自分でできないと意味無いのよ がんばってみる。」と断わる。
そんなきつい登りが三カ所ぐらいあったかな? ゆっくり慎重に登っていった。がっし がっしと斜面を歩けるようになってやがて ふつうの登山道に戻る。
しかし 相変わらずアキレス腱痛いな。更に悪いことに 膝ががつんがつん音を立てるようになった。こりゃ困ったな。 立ち止まって様子を見ながら歩くとだんだん回りの山の景色がちらちらしてくる。
更に登ろうとしたとき 先に行ったジオンさんがうずくまって何か言っている。「えっ? 何かあったの? 具合悪いの?」 大変 良く聞いてみると「スズメバチが・・・気が立っていて・・・」と言っている。 近づいてみると ブンブンかちかち 行く手を弧を描いて飛び交っている。
足もとを見ると瀕死のスズメバチ一匹。 でかっ
「どうしよう?」後ずさりしながら這いだしてきたジオンさん。進むのは間違いなく危険。 スズメバチ大騒ぎしているもの。 でも先に行ったおじさんどうしたんだろ? もしあのおじさんがスズメバチを怒らせたのだとしたら 時間が経ちすぎている。
戻ろう。 当然そう決めたけれど やっとの事であの岩場をはい上がってきた私。下りのことを考えると気が重かった。何とか斜面を通って あの蜂の住みかをまけないか?
なんとなく左手に踏み跡あり。 ジオンさんが先遣隊になって 行く。 「ここって蜂よりひだりにでてる~?」「うん 大分行ってる」「じゃあ この方法で行きましょう」というわけで少しずりずり滑りながらみちなき斜面を進む。 さっきのおじさんもきっとこの方法で行ったはず。
無事 松尾池を見下ろすテラスに到着。やれやれ 冷や汗もんだったよ。 スズメバチ 怒っているの初めて見た。怖かったぁ。
紅葉に輝く山も見えたし 長良川も見える。 学生時代を懐かしく思い出せる。
あの美しい松尾池は深い碧。
ふと回りに目をやると クチナシの実がいっぱい。 登山道側の実は取られたのか無い。反対側にびっしり実を付けている。 クチナシはたくあんの色づけに使うぐらいしか知らなかったけれど サフランの代わりに使うんだって。サフラン独特の香り クチナシで出るのかな?
心残りだったけれど先を進む。 あんまりのんびりしているとジオンさん企画が 遂行できないからね。
ここからは 右の方に巻いていってやがて樹林帯を通って 頂上にひょっこり出る。 でも長かったよ。 そんなに高い山なのに 歩きごたえのある山だこと。
紅葉は松尾池辺りが一番綺麗。今年は 沢山の紅葉に出会えた。
頂上にてジオンさんにチーズケーキをいただく。 あれれ まだお昼じゃ無いんだね?
百々が峰には二つの三角点があるのだそうで 今までは西峰が地図上の頂上だったけれど 今は東峰(つまりここ)が登録されるようになったのだと
こちらの方が少し高いらしい。
おおきなおおきな百々が峰 休憩後は西峰に向かう。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます