世界一周タビスト、かじえいせいの『旅が人生の大切なことを教えてくれた』 

世界一周、2度の離婚、事業の失敗、大地震を乗り越え、コロナ禍でもしぶとく生き抜く『老春時代』の処世術

宿泊業の実態

2013年02月02日 | 仕事
今、倒産、廃業、再生の選択を迫られている。


経営に安定という二文字は存在しない。

それでも脱サラ後、通算34年間、宿泊業を生業としてきた。


場所は、阿蘇(長陽)6年間 → 大分・久住14年間 → 阿蘇(西原)14年目、と3か所に渡ったが。


30年間、経営はおおむね順調だった。


企業の寿命は30年、とはよく言ったものだ。


今や、構造不況業種ともいわれる。



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2008年のリーマンショック後、

4年前、金融円滑化法ができ中小企業の返済猶予が認められた。

1年間の時限立法だったが、景気回復が思うように進まず2度の延長がなされた。


その後も、ヨーロッパの信用不安や東北の震災、円高などが重なったためだ。

それでも昨年(2012年)の倒産件数は249社と60%アップしたという。



そしてこの3月、最終期限を迎える。


中小企業の1割に当たる40万社がこの制度を利用している。


その間経営改善が見られたのはわずか15%。

60%が経営改善がなされてないかもしくはさらに悪化しているのが現状だ。


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我が宿も例外ではない。

宿泊業は、接客業であるとともに設備産業だ。


リニューアルや設備投資を繰り返す。

久住では2億をつぎ込んだ。


ここ阿蘇・西原村でも一億近くに上る。



昔は良かった、と懐かしんでもどうしようもないが、


良いものを創れば、

どんな僻地でも黙っていてもお客様の方から来ていただいた。


広告の必要性もなかった。


だが、リーマンショック後日本の落日に合わせるかのように、客足は遠のいた。



そして、モラトリアム(支払い猶予)で何とか凌いだ。


その間、二人の子供たちをアメリカ留学させ、

彼らは立派に巣立った。


本来は悠々自適を決め込む時期だろう。


だが、憂憂爺的にじっとしていられない性質(たち)。

ムクムクとチャレンジ精神が頭をもたげた。


そして、起業の道へと突っ走る。

もともと一所にじっとしていられない性質。


田舎から街へ、そして海外へと触手は伸びる。



で、はたとわが原点を振り返るに、火の車と化していた。

消火は出来たものの、依然くすぶり続け、火の種は残ったままだ。


いつまた発火するやもわからない。


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さて、ここで黙って見ている性質でもない。

再びチャレンジ精神が啓蟄はおろか、立春を待たずに蠢(うごめ)く。



賭けに出る。

座して死を待つより、討って前のめりの死を選ぶ。

死ぬと決まったわけではない。


死に物狂いで起死回生を目指す。



時代と歳に似つかわしく、

静かにそして激しく情熱の火を燃え上げる。


老兵は死なず。



「青春の詩」 のサミエル・ウルマン風に言うなら、


年を重ねただけで人は老いない。

好奇心とチャレンジ精神を失った時に初めて老いがくる。