【現代思想とジャーナリスト精神】

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神奈川県知事選両候補の基地政策と沖縄の闘争

2015-04-08 15:46:23 | 言論と政治
神奈川県知事選両候補の基地政策と沖縄の闘争
櫻井智志



 東京新聞本日2015/04/08朝刊川崎版で神奈川県知事候補アンケートが掲載されている。三項目のひとつが刺激的だった。文体の内容もそのまま転載する。その後に私見を述べる。


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【問】
在日米軍基地問題にについて。神奈川県知事は基地関係都道府県知事でつくる「渉外知事会長」でもある。沖縄の普天間基地移設を含め、基地問題への考えは?



岡本はじめ氏回答:
 集団的自衛権の発動や沖縄の新基地の押しつけに断固反対。横須賀の原子力空母の母港返上、県内基地の撤去、オスプレイの飛来も許しません。渉外知事会長の機能を活かして沖縄辺野古を含む国内すべての基地の返還を目標としてスケジュール策定と実行を日米政府に求めます。非核証明を提出しない艦船は入港を拒否できるようにします。





前知事 黒岩祐治氏回答:
 日米安保重要な仕組みであり、維持していく必要がある。ただ沖縄など一部自治体に集中しすぎている負担は軽減させなければならない。神奈川県も第2の基地県として、重要な使命を担うとともに、騒音問題など住民への基地負担はできる限り軽減させなければならない。在日米軍とは中長期的視点で信頼関係を図りながら、言うべきことは言うという関係を継続していくことが必要だ。


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 岡本候補の明確な基地政策は、本来ならばマスコミが重要な日本の選択の岐路としてとりあげる必要のある施策ばかりだ。集団的自衛権発動をとめ、横須賀の原子力空母母港や国内すべての基地の返還を段階的にスケジュール化して、アメリカに要求する。アメリカの艦船は非核証明提出を求めることなど日本側が発言すれば即実行できる。

 しかし、岡本はじめ候補の主張は広く県民国民に知られる事も少なく、曖昧模糊とした黒岩祐治候補のような政策が現実的で無理のない範囲と錯覚する県民国民が増えていく。

 すべては、日本の進路を、闘う沖縄県民のようにはさせまいとする日本政府と背後のアメリカ軍産複合体の強固な日本実質植民地政策路線を原因とする。アメリカには軍産複合体とリベラル派勢力とがある。そのバランスの上にアメリカ政府は成り立っている。オバマ大統領-ケネディ大使は、少なくとも軍産複合体の操り人形てはない。しかし政権維持のために、アメリカの暗い闇の勢力の意向を無視はできない。日本政府が戦後70年、ドイツのような対米路線と戦争犯罪徹底追跡とを実行していないことが、今日これほどの日本の外交的惨状に陥っていることとつながる。

 このままで行けば、ほぼ全政党の擦り寄りによる黒岩候補の勝利に終わりかねない。けれど、どれだけ岡本候補が県民の支持を得ることができるかは、直接沖縄県民の闘争に影響する。黒岩前知事の言うように「第2の米軍基地県」なのだ、神奈川県は。第2の基地県の県知事選が、「第Ⅰの基地県」の沖縄県に影響を与えないわけがない。

黒岩前知事候補を追い詰めよう、それが神奈川県民が実行可能な沖縄県応援の最大の実績となる。そして日米政府の外交政策に強い影響を及ぼす。これは決定的な事実となる。