【現代思想とジャーナリスト精神】

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臨時国会から逃走した安倍政権の「前科」と戦犯のDNA

2015-11-16 20:23:00 | 社会・政治思想・歴史

臨時国会から逃走した安倍政権の「前科」と戦犯のDNA
            櫻井  智志

 内閣改造をおこない、山積する政治課題を国権の最高機関である臨時国会で審議することを、安倍政権は放棄した。かわりに通常国会を一月四日からに前倒しするという。参院選を控えて、あきらかに逃げの姿勢である。
 このような安倍総理のやりかたは、一年前の私の記録にも記されている。外遊中にもかかわらず、衆院解散を決行して、沖縄の重大選挙からも逃げの姿勢を決め込んだ。
 その記録を以下に附記する。なお、きょうのテレビを観ていて気づいた。テレビ画面の右隣りにぴったりとメガネ顔の男性がいる。国会議員世耕弘成参議院議員。内閣の副官房長官などずっと官邸にいる。小泉内閣の時から自民党の広報戦略をにない、九条の会の事務局長小森陽一東大教授が、著作で注意を喚起している人物である。国民の深層心理のコントロールを操縦する自民党情報操作機関の中枢である。国会審議中も、答弁で野党議員の追及で困ったと見受けられると、さっとさりげなく近寄り腰をかがめてなにやら書いたメモを渡している。自民党政権の黒子にこのような戦術家が位置していることを指摘したい。

 フランスでロシアで「イスラム国」かと疑われる大規模なテロがおきた。旅客機墜落や市内同時テロ。フランスでは千人台の死者が出た。ロシア旅客機は二千人台の死者。テロは許し難い暴力である。しかし、イスラム圏のシリアに、ロシアやフランス、アメリカの空爆が相次いだ。病院への爆撃で医者も患者も殺された。中東に、イラク戦争も含め、どれだけの空爆がなされ、悲惨な事態が続いているか。そういったことの吟味もなく、「イスラム国壊滅」などと短兵急に主張する世界になった。戦後ずっと兵器や軍人の使用や派遣をしないで、中東や国際的な信用を得ていた日本平和外交は、自民党中曽根政権小泉政権で徐々に軍国大国路線になりつつも、辛うじて持ちこたえていた一線を、安倍総理のカイロ演説で「テロに走るISの暴走をとめる有志国連合の一員として巨額の資金を援助する」と公言して、日本人ジャーナリストの救助交渉を見捨て殺害にあわせた。さらに、アジアの極東にいる日本が、遠く世界中に軍事戦略を駆使している「有志国連合」の成員として、安倍総理自らも正確に把握していない間に加盟している。このことは当然にも、他の有志国連合の国家がイスラム国や中東イスラム諸国などに行った軍事行為は、「報復の軍事行為」を受けることもありうる重大な危機にのめりこんでいる。それらも国会できちんと審議せず国民的了解も形成せず、女性宅に不法侵入して下着泥棒を行った疑惑の消えぬ大臣が、公選法違反の疑惑でたった二日の予算委員会のやりとりで日程を消化するという低次元の国会の実態である。

 安保法規を強行したまま、戦争前夜に突入した安倍晋三は、A級戦犯岸信介のDNAを見事に継承している。岸信介氏は、中国で国共内戦で共産党政権樹立という国際環境が変化しなければ、戦犯で死刑にあっていた。孫の安倍晋三がやろうとしている理想とは、祖父が国際社会から戦犯として極刑に処される寸前までいった「理想」である。こんな事態に日本をひきずりこんだ安倍政権を許している自民党内部公明党と、効果的に闘うことを自ら阻んでいる野党指導者の体たらく。岡田民主党代表、日本共産党、社民党、生活の党、緑の党、良識派保守系無所属などの健闘が期待される。同時に民主党前原・細野派、維新の党、おおさか維新の会らの「ゆ」党の敵前逃亡は昔の大政翼賛会になだれこんだ政治勢力と酷似している。



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資料:

奇天烈な衆院解散総選挙の真相
2014-11-16 13:31:31 | 言論と政治
『東京新聞「本音のコラム」奇怪な解散総選挙  山口二郎』転載

 この1週間の間に、衆院解散の流れが決定的となった。安倍首相はずっと外遊中で、なぜ解散なのか、首相が国民に説明したことは一度もない。日本の政治では、すべてが密室で決まることをあらためて見せつけられた。

 そもそも9月末に臨時国会が始まったとき、首相は地方創生と女性の活躍という看板政策の実現に向けて努力すると宣言したはずである。それらの重要法案をなげうってでも、解散に踏み切る理由は何なのか。閣僚の資金疑惑から始まって、予想以上の景気の低迷など、失敗を攻撃する材料が山積する中で、針のむしろに座らせられるのはかなわないという動機とで、逆境をリセットするために解散したというのが真相だろう。

 二年間の安倍政権の「実績」は、特定秘密保護法制定、集団的自衛権行使容認、そして川内原発再稼働と、日本の民主主義と国民生活を脅かす政策の連続である。それらはすべて、二年前の総選挙で国民に対して何の予告も説明もないものばかりであった。

 この総選挙で自民党が勝ったら、国民の信任が得られたとして、さらに好き勝手を進めるに違いない。安倍自民党に白紙委任を与えるのかどうかが、この総選挙の最大の争点である。この二年間の安倍政治を冷静に評価し、日本の未来を見据えた意思表示をしたい。

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私見

 解散総選挙を「私は言ったことはない」と言った安倍首相は、国内で言わないまま済まそうとしているのか。沖縄県知事選の敗色濃厚でとてもいたたまれないから、海外で逃亡して見守ろう、敗戦ショックがひといきついてから帰国してその後のスケジュールを一気に片付けようというのか。政治家として肝の小さな政治家の部類だろう。
 閣僚が相次いで辞任し、不祥事がたえないから解散してしまえ、という小心者総理には、今後も困難な日本の政治を委ねることはできない。
 まずきょうの沖縄県で勝利をおさめよう。そして総選挙でも統一地方選挙でも、安倍まやかし者ならず者総理をこの国のトップからひきずりおろそう。国民は安倍総理ほどの馬鹿ではない。

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