【現代思想とジャーナリスト精神】

価値判断の基軸は自らが判断し思考し実践することの主体であるか否かであると考えております。

京都に向けてねぎらいのエールを~市長選のミニ総括文書~

2016-02-07 23:58:51 | 政治・文化・社会評論
京都市長選、闘い終えて健闘の本田さんに拍手を


             国民的統一戦線への探求
            主宰者 櫻井智志・小鮒 智
2016年2月7日


①最初に過去三回の簡略なあゆみをたどりたい。


【2008京都市長選得票率】
門川大作   158,472票 37.2%
中村和雄   157,521票 37.0%
村山しょうえい 84,750票 19.9%
岡田としひこ  24,702票  5.8%

【2012京都市長選得票率】
門川大作  221,765票  53.9%
中村和雄  189,971票  46.1%
【2016京都市長選得票率】


門川大作  254,545票  63.8%
三上 隆   15,334票   3.8%
本田久美子 129,119票  32.4%



②得票率は新人だけの選挙戦か、現職の二期目、三期目かなどの要素があるので、一概に数値だけから結論を導くのは誤解を招きやすい。門川市長は今度立候補すれば四期目てほあり、多選との兼ね合いがある。次の選挙は四期目の現職だと対立候補も今回よりも選挙戦が異なっているだろう。


それにしても、選挙に負けても、
「こどもの未来 いのちの平等」を打ち出した社会構想において
本田久美子氏は、京都市長選の歴史において記憶に刻まれる画期的な政治的宣言を構築した。


女性差別の日本において、社会党の要職をこなした憲法学者の土井たか子氏とは異なる政治的立場としても、ともに見事な政治的健闘をなしえた。
全教の副委員長など教育と労働の両面にわたって民主主義に貢献してきた本田久美子さんの次の課題にチャレンジしてほしい。
そして、ひとまずは心身の疲れを蓄積させず癒してほしい。
本田様と本田久美子さんを支えた皆様に感謝し、ねぎらいと御礼の気持ちを謹んで捧げたい。
           

京都に向けてねぎらいのエールを~市長選のミニ総括文書~

2016-02-07 23:58:51 | 政治・文化・社会評論
京都市長選、闘い終えて健闘の本田さんに拍手を


             国民的統一戦線への探求
            主宰者 櫻井智志・小鮒 智
2016年2月7日


①最初に過去三回の簡略なあゆみをたどりたい。


【2008京都市長選得票率】
門川大作   158,472票 37.2%
中村和雄   157,521票 37.0%
村山しょうえい 84,750票 19.9%
岡田としひこ  24,702票  5.8%

【2012京都市長選得票率】
門川大作  221,765票  53.9%
中村和雄  189,971票  46.1%
【2016京都市長選得票率】


門川大作  254,545票  63.8%
三上 隆   15,334票   3.8%
本田久美子 129,119票  32.4%



②得票率は新人だけの選挙戦か、現職の二期目、三期目かなどの要素があるので、一概に数値だけから結論を導くのは誤解を招きやすい。門川市長は今度立候補すれば四期目てほあり、多選との兼ね合いがある。次の選挙は四期目の現職だと対立候補も今回よりも選挙戦が異なっているだろう。


それにしても、選挙に負けても、
「こどもの未来 いのちの平等」を打ち出した社会構想において
本田久美子氏は、京都市長選の歴史において記憶に刻まれる画期的な政治的宣言を構築した。


女性差別の日本において、社会党の要職をこなした憲法学者の土井たか子氏とは異なる政治的立場としても、ともに見事な政治的健闘をなしえた。
全教の副委員長など教育と労働の両面にわたって民主主義に貢献してきた本田久美子さんの次の課題にチャレンジしてほしい。
そして、ひとまずは心身の疲れを蓄積させず癒してほしい。
本田様と本田久美子さんを支えた皆様に感謝し、ねぎらいと御礼の気持ちを謹んで捧げたい。
           

甘利さんと小沢さんと清原さんをめぐる政治の貧相

2016-02-07 19:47:43 | 政治・文化・社会評論

念を押すが、覚醒剤問題を肯定する気持ちなどさらさらない。しかし、マスコミの異常な世論に垂れ流し続ける騒ぎを見ていて、或る疑念をもっていた。清原元プロ野球選手逮捕は、安倍政権にとって甘利前経済再生担当大臣の事件を潰すのが狙いではないかと明確に伝える報道ジャーナリズムの見解が出されている。以下の記事をお読みいただきたい。     櫻井 智志




===========================

日刊ゲンダイ 巻頭特集
小沢一郎と甘利とではあまりに違う 安倍政権と検察の関係
2016年2月6日


逃げ切りは許されない(C)日刊ゲンダイ

 新聞・テレビは連日、朝から晩まで元プロ野球選手・清原和博の「覚醒剤逮捕」報道一色だが、こんな状況にシメシメとほくそ笑んでいるのが安倍政権だろう。何せ、甘利明前経済再生担当相をめぐる「口利きワイロ」疑惑の追及ムードがガラリ一転したからだ。

 元プロ野球スター選手の覚醒剤事件は確かに衝撃だが、現職閣僚が真っ昼間の大臣室で堂々とワイロを受け取っていた方がよっぽど大問題だ。ところが、甘利疑惑は「週刊文春」が1月20日の初報から2週間も経つのに、ちっとも進展しない。東京地検特捜部は、UR(都市再生機構)や国交省の担当者を任意聴取しただけ。甘利本人はおろか、カネの横領を認めた秘書の聴取すらしていない。本紙の取材に応じた告発者の一色武氏は、特捜部の捜査に全面協力する意向を示していたが、いまだに「接触はない」とボヤいていた。

 捜査当局が刑事事件を立件するのに必要な「3点セット」(証言、録音テープ、写真)が揃っていて、しかも特捜部なら是が非でもやりたい「サンズイ事件(汚職事件)」につながる可能性もある。甘利が大臣を辞任したため、憲法75条(国務大臣は内閣総理大臣の同意がなければ訴追されない)の規定も、国会の予算審議に与える影響も関係なくなった。政治資金規正法違反、業務上横領など関係者の身柄を引っ張る「入り口」はいくつもある。

 フツーの正義感・使命感を持った特捜部なら、今ごろ現場は「立てろ(立件しろ)」「割れ(自供させろ)」と大盛り上がりのはずが、一体何をモタモタやっているのか。政治資金収支報告書の不動産登記の「期ズレ」という微罪で民主党代表だった小沢一郎=現生活=の秘書をいきなり逮捕し、捜査報告書をデッチ上げてでも小沢本人を有罪に持ち込もうとした「小沢事件」とはエライ違いだ。

 疑惑発覚当初から「検察は捜査を躊躇する理由はない」と指摘している元特捜部検事の郷原信郎弁護士はこう言う。

「日本版司法取引の導入や、盗聴の範囲の拡大などを盛り込んだ刑事訴訟法改正案の成立がかかっている法務省が、政権におもねってとにかくやりたくない。そう考えているとしか思えません。ただ今後、(甘利氏に対する)告発状も出るだろうから、検察は何もしないわけにはいかない。それで、URや国交省担当者を聴取しているのでしょう。彼らは口利きを否定したり、弁解したりするだろうから立件に消極的な証言が得やすい。一方、一色氏を聴取すれば立件に積極的な証言やブツを証拠化することになるため、接触しないのだと思います」


「甘利疑惑のポイントは国交省の局長が動いていること。いくら大臣の秘書のお願いとはいえ、局長クラスが動くことはまず、あり得ない。仮に頼まれても『URと直接、やりとりして下さい』と突っぱねればいいだけですから。動いたということは、大臣本人か、もしくは(国家公務員出身の)大臣秘書官が動いた可能性がある。つまり、『権限を行使した』可能性が高いのです」

 それなのに検察は知らんぷりなのだが、その検察も実は「あっせん利得処罰法違反」で政治家を起訴しているのだ。1審で無罪判決が出た岐阜・美濃加茂市長の贈収賄事件だ。

「この事件で検察は市長を受託収賄や事前収賄のほか、あっせん利得処罰法違反で起訴しました。『政治家の影響力を行使した』というのですが、市長は事件当時、1人会派の市会議員。たった1人の市議に何の影響力が行使できたのか分かりませんが、それでも検察は強引に起訴した。その基準に照らせば今回の甘利疑惑だって逮捕、起訴に持ち込めるはずです」(司法ジャーナリスト)

■検察と政権側が“あうんの呼吸”で

 元検事の落合洋司弁護士も「告発者に“問題あり”のような報道が流れているのは、(政権側が)証言の信用性を低くし、検察を牽制している“サイン”ではないか」と言い、こう続ける。

「検察と政権側が今後、あうんの呼吸を取りつつ、秘書の逮捕、起訴で小さくまとめて終わる、という可能性は考えられます」

 大臣自身がワイロを受け取った事実を認めて辞任した前代未聞の事件が、秘書の逮捕、起訴でシャンシャンとなったら、もはや法治国家とはいえない。

「甘利疑惑のポイントは国交省の局長が動いていること。いくら大臣の秘書のお願いとはいえ、局長クラスが動くことはまず、あり得ない。仮に頼まれても『URと直接、やりとりして下さい』と突っぱねればいいだけですから。動いたということは、大臣本人か、もしくは(国家公務員出身の)大臣秘書官が動いた可能性がある。つまり、『権限を行使した』可能性が高いのです」

 それなのに検察は知らんぷりなのだが、その検察も実は「あっせん利得処罰法違反」で政治家を起訴しているのだ。1審で無罪判決が出た岐阜・美濃加茂市長の贈収賄事件だ。

「この事件で検察は市長を受託収賄や事前収賄のほか、あっせん利得処罰法違反で起訴しました。『政治家の影響力を行使した』というのですが、市長は事件当時、1人会派の市会議員。たった1人の市議に何の影響力が行使できたのか分かりませんが、それでも検察は強引に起訴した。その基準に照らせば今回の甘利疑惑だって逮捕、起訴に持ち込めるはずです」(司法ジャーナリスト)

この国はもはや検察も裁判所もグルだ

 検察が時の政権の顔色をうかがい、恣意的に動くようなら「司法の独立」は死んだも同然だ。だが、この国はもはや「三権分立」という言葉すら「死語」になりつつある。「ニッポンの裁判」(講談社)の著書で、元最高裁勤務の瀬木比呂志明大法科大院教授は、今の裁判所について本紙インタビューでこう言っていた。


小沢事件と大違い(「陸山会」の家宅捜索に入る東京地検特捜部)(C)日刊ゲンダイ


 この事件の主任弁護人を務める前出の郷原弁護士が民主党の会合で「検察当局が突然、(立件の)ハードルを上げない限り、甘利前大臣のあっせん利得処罰法違反容疑の逮捕の可能性はある」と指摘していたのも当然だろう。だが、小沢事件と同様、検察が時の政権と「グル」になってストーリーをつくり、裁判所がそれを追認する――となれば、お手上げ。まさに何でもありで、どこかの将軍様の国と何ら変わらない。

■清原逮捕は甘利事件を潰すのが狙いか

 一体、この国の法務・検察組織はどうなっているのか。元大阪高裁判事の生田暉雄弁護士はこう言った。

「司法の独立、三権分立なんて言葉はもう存在しないのですよ。今の法務検察組織は政権維持のための機関に成り下がり、唯々諾々と従う人だけが出世する。おそらく甘利氏の事件も、任意聴取はポーズだけで、検察が本腰を入れて捜査をすることはない。3月ぐらいまでダラダラと捜査を引き延ばし、4月の人事異動のタイミングでウヤムヤにしてオシマイでしょう。私は清原事件は甘利事件を潰すために使われたのではないか、と見ています。捜査当局が内偵を数年も続け、いつでも捕まえることができたのに、なぜ、このタイミングで着手したのか。いざという時の『政権スキャンダル潰し策』で、国民の目をそらせるために用意していたのではないか。そう疑いたくなるほど、法務検察組織は政権にベッタリなのです」

 甘利疑惑に続き、新たに遠藤利明五輪担当相の“口利き疑惑”が浮上しても、安倍政権が余裕シャクシャクなのも法務検察と結託しているからではないか。この国は限りなく「人治国家」「独裁国家」に近づいている。

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甘利さんと小沢さんと清原さんをめぐる政治の貧相

2016-02-07 19:47:43 | 政治・文化・社会評論

念を押すが、覚醒剤問題を肯定する気持ちなどさらさらない。しかし、マスコミの異常な世論に垂れ流し続ける騒ぎを見ていて、或る疑念をもっていた。清原元プロ野球選手逮捕は、安倍政権にとって甘利前経済再生担当大臣の事件を潰すのが狙いではないかと明確に伝える報道ジャーナリズムの見解が出されている。以下の記事をお読みいただきたい。     櫻井 智志




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日刊ゲンダイ 巻頭特集
小沢一郎と甘利とではあまりに違う 安倍政権と検察の関係
2016年2月6日


逃げ切りは許されない(C)日刊ゲンダイ

 新聞・テレビは連日、朝から晩まで元プロ野球選手・清原和博の「覚醒剤逮捕」報道一色だが、こんな状況にシメシメとほくそ笑んでいるのが安倍政権だろう。何せ、甘利明前経済再生担当相をめぐる「口利きワイロ」疑惑の追及ムードがガラリ一転したからだ。

 元プロ野球スター選手の覚醒剤事件は確かに衝撃だが、現職閣僚が真っ昼間の大臣室で堂々とワイロを受け取っていた方がよっぽど大問題だ。ところが、甘利疑惑は「週刊文春」が1月20日の初報から2週間も経つのに、ちっとも進展しない。東京地検特捜部は、UR(都市再生機構)や国交省の担当者を任意聴取しただけ。甘利本人はおろか、カネの横領を認めた秘書の聴取すらしていない。本紙の取材に応じた告発者の一色武氏は、特捜部の捜査に全面協力する意向を示していたが、いまだに「接触はない」とボヤいていた。

 捜査当局が刑事事件を立件するのに必要な「3点セット」(証言、録音テープ、写真)が揃っていて、しかも特捜部なら是が非でもやりたい「サンズイ事件(汚職事件)」につながる可能性もある。甘利が大臣を辞任したため、憲法75条(国務大臣は内閣総理大臣の同意がなければ訴追されない)の規定も、国会の予算審議に与える影響も関係なくなった。政治資金規正法違反、業務上横領など関係者の身柄を引っ張る「入り口」はいくつもある。

 フツーの正義感・使命感を持った特捜部なら、今ごろ現場は「立てろ(立件しろ)」「割れ(自供させろ)」と大盛り上がりのはずが、一体何をモタモタやっているのか。政治資金収支報告書の不動産登記の「期ズレ」という微罪で民主党代表だった小沢一郎=現生活=の秘書をいきなり逮捕し、捜査報告書をデッチ上げてでも小沢本人を有罪に持ち込もうとした「小沢事件」とはエライ違いだ。

 疑惑発覚当初から「検察は捜査を躊躇する理由はない」と指摘している元特捜部検事の郷原信郎弁護士はこう言う。

「日本版司法取引の導入や、盗聴の範囲の拡大などを盛り込んだ刑事訴訟法改正案の成立がかかっている法務省が、政権におもねってとにかくやりたくない。そう考えているとしか思えません。ただ今後、(甘利氏に対する)告発状も出るだろうから、検察は何もしないわけにはいかない。それで、URや国交省担当者を聴取しているのでしょう。彼らは口利きを否定したり、弁解したりするだろうから立件に消極的な証言が得やすい。一方、一色氏を聴取すれば立件に積極的な証言やブツを証拠化することになるため、接触しないのだと思います」


「甘利疑惑のポイントは国交省の局長が動いていること。いくら大臣の秘書のお願いとはいえ、局長クラスが動くことはまず、あり得ない。仮に頼まれても『URと直接、やりとりして下さい』と突っぱねればいいだけですから。動いたということは、大臣本人か、もしくは(国家公務員出身の)大臣秘書官が動いた可能性がある。つまり、『権限を行使した』可能性が高いのです」

 それなのに検察は知らんぷりなのだが、その検察も実は「あっせん利得処罰法違反」で政治家を起訴しているのだ。1審で無罪判決が出た岐阜・美濃加茂市長の贈収賄事件だ。

「この事件で検察は市長を受託収賄や事前収賄のほか、あっせん利得処罰法違反で起訴しました。『政治家の影響力を行使した』というのですが、市長は事件当時、1人会派の市会議員。たった1人の市議に何の影響力が行使できたのか分かりませんが、それでも検察は強引に起訴した。その基準に照らせば今回の甘利疑惑だって逮捕、起訴に持ち込めるはずです」(司法ジャーナリスト)

■検察と政権側が“あうんの呼吸”で

 元検事の落合洋司弁護士も「告発者に“問題あり”のような報道が流れているのは、(政権側が)証言の信用性を低くし、検察を牽制している“サイン”ではないか」と言い、こう続ける。

「検察と政権側が今後、あうんの呼吸を取りつつ、秘書の逮捕、起訴で小さくまとめて終わる、という可能性は考えられます」

 大臣自身がワイロを受け取った事実を認めて辞任した前代未聞の事件が、秘書の逮捕、起訴でシャンシャンとなったら、もはや法治国家とはいえない。

「甘利疑惑のポイントは国交省の局長が動いていること。いくら大臣の秘書のお願いとはいえ、局長クラスが動くことはまず、あり得ない。仮に頼まれても『URと直接、やりとりして下さい』と突っぱねればいいだけですから。動いたということは、大臣本人か、もしくは(国家公務員出身の)大臣秘書官が動いた可能性がある。つまり、『権限を行使した』可能性が高いのです」

 それなのに検察は知らんぷりなのだが、その検察も実は「あっせん利得処罰法違反」で政治家を起訴しているのだ。1審で無罪判決が出た岐阜・美濃加茂市長の贈収賄事件だ。

「この事件で検察は市長を受託収賄や事前収賄のほか、あっせん利得処罰法違反で起訴しました。『政治家の影響力を行使した』というのですが、市長は事件当時、1人会派の市会議員。たった1人の市議に何の影響力が行使できたのか分かりませんが、それでも検察は強引に起訴した。その基準に照らせば今回の甘利疑惑だって逮捕、起訴に持ち込めるはずです」(司法ジャーナリスト)

この国はもはや検察も裁判所もグルだ

 検察が時の政権の顔色をうかがい、恣意的に動くようなら「司法の独立」は死んだも同然だ。だが、この国はもはや「三権分立」という言葉すら「死語」になりつつある。「ニッポンの裁判」(講談社)の著書で、元最高裁勤務の瀬木比呂志明大法科大院教授は、今の裁判所について本紙インタビューでこう言っていた。


小沢事件と大違い(「陸山会」の家宅捜索に入る東京地検特捜部)(C)日刊ゲンダイ


 この事件の主任弁護人を務める前出の郷原弁護士が民主党の会合で「検察当局が突然、(立件の)ハードルを上げない限り、甘利前大臣のあっせん利得処罰法違反容疑の逮捕の可能性はある」と指摘していたのも当然だろう。だが、小沢事件と同様、検察が時の政権と「グル」になってストーリーをつくり、裁判所がそれを追認する――となれば、お手上げ。まさに何でもありで、どこかの将軍様の国と何ら変わらない。

■清原逮捕は甘利事件を潰すのが狙いか

 一体、この国の法務・検察組織はどうなっているのか。元大阪高裁判事の生田暉雄弁護士はこう言った。

「司法の独立、三権分立なんて言葉はもう存在しないのですよ。今の法務検察組織は政権維持のための機関に成り下がり、唯々諾々と従う人だけが出世する。おそらく甘利氏の事件も、任意聴取はポーズだけで、検察が本腰を入れて捜査をすることはない。3月ぐらいまでダラダラと捜査を引き延ばし、4月の人事異動のタイミングでウヤムヤにしてオシマイでしょう。私は清原事件は甘利事件を潰すために使われたのではないか、と見ています。捜査当局が内偵を数年も続け、いつでも捕まえることができたのに、なぜ、このタイミングで着手したのか。いざという時の『政権スキャンダル潰し策』で、国民の目をそらせるために用意していたのではないか。そう疑いたくなるほど、法務検察組織は政権にベッタリなのです」

 甘利疑惑に続き、新たに遠藤利明五輪担当相の“口利き疑惑”が浮上しても、安倍政権が余裕シャクシャクなのも法務検察と結託しているからではないか。この国は限りなく「人治国家」「独裁国家」に近づいている。

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