民主党は、連合・財界対応によって既に「半」自公の応援団と化した
櫻井 智志
民主党本部は参院選での野党協力を引き延ばし、着々と自党の勢力拡大しか考えていない。京都市長選も当選した現職候補は、もともと民主党が連れてきた候補だ。
連合が原発労組や財界の思惑で共闘を潰している黒幕だが、民主党を待ってあげている共産党は、相次ぐ宜野湾市、岩国市、京都市と選挙敗北が続く中で、戦術を一部、現状に対応した対応が必要ではないか。
衆参選挙を強行する安倍戦略に協力している民主党「安倍派=前原・野田・細野・枝野各氏」の思いのままに野党共闘は破壊されている。民主党が自民公明と一緒に地方首長選挙になっている状況は、民主党の真意が透けてみえる。
取り返しのつかない情勢になる前に、民主党が意図的に野党共闘を破壊していることを見抜くべきだ。社民・生活・新社会・緑・良識派保守系と現実的に共闘の実現化働き掛けを推進する段階だ。共産党首脳にはそれだけの深い対応策も考えているだろうから、現在の認識と展望を明快に示すべきだ。
孫崎享氏が指摘する具体例を見ると、今の情勢が見えてくる。
====転載開始====
【孫崎享のつぶやき】
民主党、連合は安倍政権の危機的状況を認識しているのか。リベラル層一本化の足をひっぱる民主党と連合
2016-02-08 08:105
1:安倍政権の危機的な状況
今日本は危機的状況にある。
安全保障関連法案で、元内閣法制局長官の3名、元最高裁長官、憲法学者の大多数が憲法違憲と言っている。
そして今憲法改正をする意欲を安倍首相は表明している。
その中の緊急事態条項は、①首相が緊急事態を宣言する②その時国会の審議を受けず首相の意志で成立する政令を法律と同等にする、③国民はこれを守る義務がある、④緊急事態の間は国会選挙を行わないという、酷い体制を作ろうとしている。よく、安倍政権はナチ時代を志向していると言われるが法的にはナチ時代より悪い。
こうした中でいわゆるリベラル層が結集し安倍政権の横暴を食い止めることが必要なことは、自民党支持者以外ならすぐわかることだ。
しかし、選挙でのリベラル層の一本化は遅々として進まない。
2:熊本で、民主党や連合の中央はどう動いたか
初の野党統一候補擁立が11月熊本で出来た。「民主、共産、維新、社民、新社会各党の県組織が15日、熊本県庁で会合を開き、無所属の統一候補擁立で合意した。こうした動きの中で、『インサイダー』編集長・高野 孟氏と話した時に、彼は次の情報を提供した。
連合本部は「統一候補擁立を取り消せ」と熊本支部に連絡したという。民主党本部も熊本に同様の動きをしたという。
ではその他の地域はどうか。
3:新潟県でどう動いたか
一つは新潟県である。
ここでは森ゆうこ氏が野党統一候補としての立候補を目指していた。
最近の動きを彼女のツイートから見てみたい。
本日(1月31日)新潟県4区で出馬し比例復活した民主党新潟県連代表の菊田真紀子衆議院議員が、今夏の参院選新潟県選挙区に鞍替え出馬することが正式に決定された。本人はインフルエンザで会議を欠席したが、代わりに枝野幹事長が新潟県連常任幹事会で経過を説明し了承されたとのこと。
1人区となった新潟県選挙区では野党統一候補候補の選定が既に始まっており、民主党は、自ら公言していた昨年末までの独自候補擁立が出来ず、先週事実上の擁立断念という話が伝えられ、既に立候補表明している私を含めた三党の候補予定者の中から選定が進むと思われていた。
マスコミは「現職衆院議員の参議院への鞍替えは異例」と報じたが、異例ではなく、異常である。
私も4区有権者の一人であり、この前の衆院選では菊田真紀子さんに投票したし、生活の党新潟県連として彼女を推薦し全力で応援したが、事前に何の連絡もなかった
菊田後援会の地区会長の1人は、「衆院選で応援してもらって比例復活だけれども再選できた。今度は参院選で森さんを応援して次の衆院選でまた一緒に戦い、今度は小選挙区で当選をと一生懸命頑張ってきたのに、私たちにも何の話も無い。」と怒り心頭だった。
民主党は野党共闘をよく分かっていないのではないか。どうやったらこの参院選に勝って安倍政権の暴走を止め、そして衆院選でも勝利を収めて政権交代を果たし、今度こそ本当に国民の生活が第一の政治を実現することができるのか考えているのだろうか。
「原子力村による森ゆうこ潰し」という話を聞いた。
電力関連の人たちが、「野党統一候補に森ゆうこだけは絶対に認めない。森ゆうこだけは潰せと。」と圧力をかけていると「それなりの立場の人」から聞いていたことは事実である。
連合新潟は、これもまた異例の速さで、菊田真紀子さん本人が出馬表明もしていないのに、昨日推薦を役員会で決定し、近々持ち回りの推薦委員会で決めて連合本部に申請し正式決定すると公表した。
民主新潟県連が自ら野党統一候補協議の場として設定した「5者協議」(民主・社民・維新・生活・連合)は、既に協議の場ではなくなった。
何故なら昨末12月26日の初回会合で、「新年早々に各党候補が出揃ったら改めて誰が最適な候補か協議する。」という方針を確認していたにも関わらず、候補を擁立する立場でもなく、各党の候補から最適の候補を協議していく立場の連合が、協議の前に菊田氏の推薦を「公表」したからである。
4:山形県でどう動いているか
山形も、参議院議員通常選挙における選挙区で、定数2(改選数1)の一人区である。
12月12日来夏の参院選山形選挙区(改選数1)で、元参院議員の舟山康江氏(49)が出馬表明した。民主、社民両党県連と連合山形の幹部は山形市のホテルで舟山氏と記者会見し、野党共闘による自民・公明両党への対決姿勢を鮮明にした。
民主、社民両党県連と連合山形の幹部は山形市のホテルで舟山氏と記者会見し、野党共闘による自民・公明両党への対決姿勢を鮮明にした。民主党県連は会見に先立って常任幹事会を開き「擁立」と推薦の上申を決定した。公認候補を掲げていた県連会長の近藤洋介衆院議員(比例東北)は、無所属となった理由を「幅広く、より結集しやすい形を考えた」と説明した。
その後どうなったか。民主党、連合の中央は態度を決めていない。
4:何が問題か
森ゆうこ氏であれ、舟山康江氏であれ、一時民主党に属し、現在別の党で活動しているから、民主党と軋轢があったことは十分想像できる。
しかし今①共闘し野党連合がかつ可能性を作るか、②野党が乱立し負ける道を選ぶかである。
現状の厳しい情勢を見れば、本来選択は①であるはずである。
残念ながら、民主党と連合の中央は②を選択している。
そして安倍首相はますます増長し、好き勝手。ひどい日本の政治状況だ。
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櫻井 智志
民主党本部は参院選での野党協力を引き延ばし、着々と自党の勢力拡大しか考えていない。京都市長選も当選した現職候補は、もともと民主党が連れてきた候補だ。
連合が原発労組や財界の思惑で共闘を潰している黒幕だが、民主党を待ってあげている共産党は、相次ぐ宜野湾市、岩国市、京都市と選挙敗北が続く中で、戦術を一部、現状に対応した対応が必要ではないか。
衆参選挙を強行する安倍戦略に協力している民主党「安倍派=前原・野田・細野・枝野各氏」の思いのままに野党共闘は破壊されている。民主党が自民公明と一緒に地方首長選挙になっている状況は、民主党の真意が透けてみえる。
取り返しのつかない情勢になる前に、民主党が意図的に野党共闘を破壊していることを見抜くべきだ。社民・生活・新社会・緑・良識派保守系と現実的に共闘の実現化働き掛けを推進する段階だ。共産党首脳にはそれだけの深い対応策も考えているだろうから、現在の認識と展望を明快に示すべきだ。
孫崎享氏が指摘する具体例を見ると、今の情勢が見えてくる。
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【孫崎享のつぶやき】
民主党、連合は安倍政権の危機的状況を認識しているのか。リベラル層一本化の足をひっぱる民主党と連合
2016-02-08 08:105
1:安倍政権の危機的な状況
今日本は危機的状況にある。
安全保障関連法案で、元内閣法制局長官の3名、元最高裁長官、憲法学者の大多数が憲法違憲と言っている。
そして今憲法改正をする意欲を安倍首相は表明している。
その中の緊急事態条項は、①首相が緊急事態を宣言する②その時国会の審議を受けず首相の意志で成立する政令を法律と同等にする、③国民はこれを守る義務がある、④緊急事態の間は国会選挙を行わないという、酷い体制を作ろうとしている。よく、安倍政権はナチ時代を志向していると言われるが法的にはナチ時代より悪い。
こうした中でいわゆるリベラル層が結集し安倍政権の横暴を食い止めることが必要なことは、自民党支持者以外ならすぐわかることだ。
しかし、選挙でのリベラル層の一本化は遅々として進まない。
2:熊本で、民主党や連合の中央はどう動いたか
初の野党統一候補擁立が11月熊本で出来た。「民主、共産、維新、社民、新社会各党の県組織が15日、熊本県庁で会合を開き、無所属の統一候補擁立で合意した。こうした動きの中で、『インサイダー』編集長・高野 孟氏と話した時に、彼は次の情報を提供した。
連合本部は「統一候補擁立を取り消せ」と熊本支部に連絡したという。民主党本部も熊本に同様の動きをしたという。
ではその他の地域はどうか。
3:新潟県でどう動いたか
一つは新潟県である。
ここでは森ゆうこ氏が野党統一候補としての立候補を目指していた。
最近の動きを彼女のツイートから見てみたい。
本日(1月31日)新潟県4区で出馬し比例復活した民主党新潟県連代表の菊田真紀子衆議院議員が、今夏の参院選新潟県選挙区に鞍替え出馬することが正式に決定された。本人はインフルエンザで会議を欠席したが、代わりに枝野幹事長が新潟県連常任幹事会で経過を説明し了承されたとのこと。
1人区となった新潟県選挙区では野党統一候補候補の選定が既に始まっており、民主党は、自ら公言していた昨年末までの独自候補擁立が出来ず、先週事実上の擁立断念という話が伝えられ、既に立候補表明している私を含めた三党の候補予定者の中から選定が進むと思われていた。
マスコミは「現職衆院議員の参議院への鞍替えは異例」と報じたが、異例ではなく、異常である。
私も4区有権者の一人であり、この前の衆院選では菊田真紀子さんに投票したし、生活の党新潟県連として彼女を推薦し全力で応援したが、事前に何の連絡もなかった
菊田後援会の地区会長の1人は、「衆院選で応援してもらって比例復活だけれども再選できた。今度は参院選で森さんを応援して次の衆院選でまた一緒に戦い、今度は小選挙区で当選をと一生懸命頑張ってきたのに、私たちにも何の話も無い。」と怒り心頭だった。
民主党は野党共闘をよく分かっていないのではないか。どうやったらこの参院選に勝って安倍政権の暴走を止め、そして衆院選でも勝利を収めて政権交代を果たし、今度こそ本当に国民の生活が第一の政治を実現することができるのか考えているのだろうか。
「原子力村による森ゆうこ潰し」という話を聞いた。
電力関連の人たちが、「野党統一候補に森ゆうこだけは絶対に認めない。森ゆうこだけは潰せと。」と圧力をかけていると「それなりの立場の人」から聞いていたことは事実である。
連合新潟は、これもまた異例の速さで、菊田真紀子さん本人が出馬表明もしていないのに、昨日推薦を役員会で決定し、近々持ち回りの推薦委員会で決めて連合本部に申請し正式決定すると公表した。
民主新潟県連が自ら野党統一候補協議の場として設定した「5者協議」(民主・社民・維新・生活・連合)は、既に協議の場ではなくなった。
何故なら昨末12月26日の初回会合で、「新年早々に各党候補が出揃ったら改めて誰が最適な候補か協議する。」という方針を確認していたにも関わらず、候補を擁立する立場でもなく、各党の候補から最適の候補を協議していく立場の連合が、協議の前に菊田氏の推薦を「公表」したからである。
4:山形県でどう動いているか
山形も、参議院議員通常選挙における選挙区で、定数2(改選数1)の一人区である。
12月12日来夏の参院選山形選挙区(改選数1)で、元参院議員の舟山康江氏(49)が出馬表明した。民主、社民両党県連と連合山形の幹部は山形市のホテルで舟山氏と記者会見し、野党共闘による自民・公明両党への対決姿勢を鮮明にした。
民主、社民両党県連と連合山形の幹部は山形市のホテルで舟山氏と記者会見し、野党共闘による自民・公明両党への対決姿勢を鮮明にした。民主党県連は会見に先立って常任幹事会を開き「擁立」と推薦の上申を決定した。公認候補を掲げていた県連会長の近藤洋介衆院議員(比例東北)は、無所属となった理由を「幅広く、より結集しやすい形を考えた」と説明した。
その後どうなったか。民主党、連合の中央は態度を決めていない。
4:何が問題か
森ゆうこ氏であれ、舟山康江氏であれ、一時民主党に属し、現在別の党で活動しているから、民主党と軋轢があったことは十分想像できる。
しかし今①共闘し野党連合がかつ可能性を作るか、②野党が乱立し負ける道を選ぶかである。
現状の厳しい情勢を見れば、本来選択は①であるはずである。
残念ながら、民主党と連合の中央は②を選択している。
そして安倍首相はますます増長し、好き勝手。ひどい日本の政治状況だ。
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