【現代思想とジャーナリスト精神】

価値判断の基軸は自らが判断し思考し実践することの主体であるか否かであると考えております。

宇都宮健児、 2020年6月14日(日)新宿街頭演説全文

2020-06-16 13:50:14 | 転載
宇都宮けんじ・希望のまち東京をつくる会|vol.184|2020年6月16日転載

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皆さん、こんにちは。今回の都知事選の立候補予定者である宇都宮けんじといいます。
まず最初に、今回のコロナ感染症の拡大によって、多くの方が感染をして多くの方が亡くなられてます。亡くなられた方に対して、心よりご冥福をお祈りしたいと思いますし、現在も療養を続けられてる方に対して、心よりお見舞いを申し上げます。

報道でご存知かと思いますけど、私自身は東京都の緊急事態宣言が解除された5月の25日に都知事選出馬の表明をしまして、5月27日午前11時から都庁記者クラブで都知事選出馬の記者会見をさせて頂きました。その時はたった一人で記者会見をしました。記者会見に当たって、今日応援に駆けつけて来て頂いている政党の皆さんとは一切相談、連絡もなく、自分の判断で出馬の決意をさせて頂きました。その後、皆さんも報道でご存知のとおり、立憲民主党、日本共産党、社民党、新社会党、緑の党。こういう政党から支援をして頂くという決定をいただきました。
そしてその後、様々な市民団体、労働団体から宇都宮さんを支持するという決定が続々と届いております。このような支援の広がりに対して、大変ありがたく、それから心強く受け止めております。

宇都宮選対というのは市民が集まった、客観的に見れば極めて弱小の選対だと思っております。選対のみんなは、多くの政党の方、労働団体、市民団体の方が支援をする、そういう決定を頂いて、大変喜んでおります。

5月27日、東京都の記者クラブで記者会見をした時に、今回の選挙というのは都民一人ひとりの生存権がかかった選挙なんだということを強調してまいりました。今、国会議員の皆さんが話されたとおり、コロナ禍によって、コロナ災害によって、多くの人が仕事を失い、そして住まいを失い、更には営業継続が困難となり、都民の多くが命や生活を脅かされています。
とりわけ、今回のコロナ災害は、社会的経済的に弱い立場にある人々に襲いかかっております。非正規労働者やシングルマザー、障害を抱えた人々です。都内にはネットカフェで寝泊まりをして、そこを生活の拠点にして、派遣やアルバイト、パートで働いている人が東京都の調査でも4,000人ぐらいいるということでした。

今回、東京都は、ネットカフェに自粛要請をしましたので、ネットカフェで生活をしている人はみんな追い出されてしまったわけです。これに対して東京都は、東京チャレンジネットという取り組みを通じて、400人強のネットカフェで寝泊まりしてる人をビジネスホテルで宿泊できるようにしましたけど、あとの3,500人はどうなったかわかりません。その中には、路上で生活せざるを得ない人が大量に生み出されております。

また非正規労働者で仕事を失ないお金が尽きて、路上に出てきた人もいます。こういう住まいを追い出されてしまった、住まいを持てない人が、大量に今、生み出されてます。

ちょうど今から10年ちょっと前、リーマンショックの後、まず製造業現場で派遣切り、派遣労働者の解雇、当時派遣切りと言われましたけど、大量に行われ、こういう労働者は最初は所持金があったのでネットカフェで寝泊まりしてましたけど、そのお金も尽きて、公園、路上で、野宿を余儀なくされた。こういう人々を支援するために、私たちは日比谷公園にテント村を作って支援活
動を行いました。「年越し派遣村」という取り組みです。

当時のリーマンショックの後の派遣村の取り組みと現在の状況を比較しますと、本当に今困難を抱えて仕事を失ったり、それから住まいを失った人は、なかなか表面化しておりません。
だけど現場に私は駆けつけて色んな事情、状況をしっかりと見ていますと、あのリーマンショックの後の年越し派遣村の取り組みよりも更に被害が広く深く広まってるんじゃないかと思います。労働者だけではなくて中小事業者、こういう方も被害が広まってます。


4月の末に、これも新聞で報道されましたけど、練馬のとんかつ屋の経営者が火災が発生して亡くなっています。このとんかつ屋の経営者の遺体を、警察が検証したようですけど、遺体を検証してみるととんかつ油を頭からかぶった形跡が残ってるということなんですね。そういう検証の結果からすれば、とんかつ油をかぶって自ら火をつけて焼身自殺を図ったんじゃないか。その方はコロナ禍で緊急事態宣言が出される中で、営業を継続する展望を失ってしまった。コロナの災害、コロナの感染によって命を失うだけではなくてですね、経済的に追いつめられて自ら命を絶つ。こういう人が出てきているわけです。こういう状況をなんとしてでも食い止めなきゃいけないと思っております。


したがって私は都知事選の出馬の記者会見で、都民一人一人の生存権がかかった選挙なんだ、ということを強調して参りました。都民の雇用を守る、それから住まいを守る、営業を守る、生活と命を守り抜く、こういう都政を確立することが重要なんだということを訴えてきました。

そして今のコロナ災害コロナ禍は、社会のあり方を問うてるんじゃないでしょうか。私はこれまで多重サラ金の被害者の救済、貧困問題等の取り組んできまして、今の日本の社会はどういう社会だったのかというふうに振り返ると、やはりあの国民や都民市民の命や暮らし、あるいは人々の人権よりも、経済の効率性ばかりを重視した、経済の効率性ばかりを優先した、そういう社会であったんじゃないかと思います。

先ほど原発事故でですね、福島から避難された方の話がありましたけど、この原発という政策自体がまさに経済効率性ばかりを重視する政策の現れだったんじゃないかと、今、思っております。

そして、そういう社会っていうのは自己責任ばかりを強調する、経済学者社会学者は「新自由主義的な社会」というふうに言ってますけど、そういう社会だったんじゃないかと思っております。
こういう社会を私は転換しなきゃいけない。自己責任社会じゃなくて、社会的な連帯を重視する共同社会に転換しないと、日本自体がこれからもって行かないんじゃないか。
こういうような状況というのは世界的にも同じような問題が現れているんじゃないかと思います。今コロナ感染症で数が一番多いのはアメリカですよね。アメリカは世界の超大国、経済大国だと言われております。そのアメリカで200万人以上の人が感染をして、11万人以上の人が亡くなってます。この11万人以上の人の死亡というのは、ベトナム戦争でですね、アメリカの軍人が死亡したその数を大幅に上回るということなんです。

そして、アメリカでも貧困と格差が拡大して、国民皆保険制度がありません。したがって、感染者や死亡者は貧困層。黒人層に、黒人の人たちは人口比で相対的に感染や死亡者が多い状況になってます。アメリカ社会の根本的な欠陥ですね。構造的な問題、貧困や格差の拡大、そして人種差別の問題。警官の対応で黒人が亡くなりまして、全米で爆発的な抗議運動が広がってますけど、その背景にはアメリカ社会のこれまでの貧困や格差の拡大、構造的な差別、その問題が顕になった、それの反映じゃないかと思っております。

私は、今回の都知事選、やはり都民の一人一人の命や暮らしを守り抜く、そういう都政を確立する、そういう闘いだと思っております。そういうような都政の確立は、私は必ず日本政治にも大きな影響を与えると思っております。まず安倍政権を直撃すると思っております。東京が変わることは、日本の政治を変える。そういうことに繋がるということを期待しております。


私はこれで3度目の挑戦になりますけど、私個人としては、3度もこういう闘いの場に立てるというのは、自分は大変幸せ者だなというふうに思っております。今日、応援に駆けつけて頂いた政党の皆さん、それから築地の女将さん会、それから障害を抱えてる一人親の方、それから福島からやむなく避難された方、こういう人々と一緒になって都知事選を最後まで闘い抜き、そして、新しい都政を確立したい。そういう思いで頑張って参りたいと思います。ご支援をよろしくお願い致します。今日はどうもありがとうございました