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【現代思想とジャーナリスト精神】

【転載】毎日新聞特集ワイド

特集ワイド
岸田政権 不人気の深層/上 前川喜平氏×寺脇研氏
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夕刊総合
毎日新聞 2023/11/29 東京夕刊 有料記事 2941文字

写真は、画像が小さいため毎日新聞社で撮影した別の写真を掲載させていただきました。

 「人事の岸田」を自称する首相が、人事で大きくつまずいた。9月の内閣改造から3人の政務三役が不祥事で辞任する事態に、「不適材不適所」との批判の声も上がる。過去最低の支持率となった岸田文雄内閣の不評の根には何があるのか。元文部科学次官の前川喜平さん(68)と、同省出身の寺脇研さん(71)に、与良正男・毎日新聞客員編集委員が問う。【構成・浦松丈二、宮本明登撮影】

目的掲げず減税 まるで「真空」 寺脇氏

先には増税 国民侮る朝三暮四 前川氏

省庁再編 検証議論を 与良正男客員編集委員

与良 岸田内閣の支持率が低迷している一番大きな要因は、結局、何がやりたいのか分からないという点だと考えています。就任前には「人事をやりたい」と公言していましたが、9月の内閣改造人事では、政務三役が相次いで辞任するなどつまずきました。もう一つのつまずきは減税です。「増税メガネ」というあだ名を、すごく気にしたと言われています。だから減税だ、税金の増収分を還元する、と言った。「還元」という言葉も普通はあまり使わない。

寺脇 税というものは、国民から預かって、どう使うかという話ですよね。だから増税するにしても減税するにしても、子育てを支援するために減税しますよとか、目的がなければおかしい。なのに、首相は「税収が増えたことから、分かりやすい形で増収分を国民の皆様に直接お返しする」という言い方しかしていない。支持率を上げて、一日でも長く首相を続けたいと考えているだけではないでしょうか。

前川 防衛予算を倍増することを決めたばかりで、減税の先に大増税が待っているのは明白でしょう。それなのに、拍手喝采なんてできませんよ。やがて増税することになり、目的を説明する時に、これ以上、国債を発行できないから増税させてほしいというのなら、一応は筋は通っています。

物価上昇も心配です。国民もアベノミクス以降の経済政策の誤りに気づいてきたのではないでしょうか。本来なら、アベノミクスを軌道修正し、円安にブレーキをかけることを考える段階だと思います。

与良 毎日新聞が11月18、19の両日実施した世論調査で、所得税・住民税減税を「評価しない」と答えた人が66%に上り、「評価する」の22%を大きく上回りました。

前川 政治家は国民を侮ってはいけません。最終的には増税するけれども、今は減税してやるということですからね。これは(言葉巧みに人をあざむく)朝三暮四です。岸田政権の無責任さが如実に表れています。岸田政権のレームダック化を示す数字ではないでしょうか。

与良 要するに、人気取りで減税と言ったが、消費税減税までは踏み込めなかったというところなのでしょう。しかし、消費税全てを減税するのは無理だとしても、せめて、軽減税率(8%)の対象となっている食料品ぐらいは、さらに税率を引き下げてもいいのではないでしょうか。

前川 そうですね。日々の生活に困っている母子家庭の子どもたちの食事の材料になるようなもの。軽減税率を適用されている品目を2、3年に限ってゼロ(無税)にすればいい。そのことで、商売する側も不利益になることはないでしょう。

寺脇 国民が納得できる目的を掲げないま...・・
(この記事は有料記事です。 残り1482文字 全文3013文字)

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