25日投開票の衆参3選挙。自民全敗の可能性。北海道二区負ける可能性高く候補見送り、立憲幹部急死に伴う長野補選は「弔い選挙」。広島再選挙は他2選挙地盤と比し支持層厚く、自民「最低1勝」の狙い。政治とカネ批判が強く、朝日調査で野党側が自民党候補者に先行
A-1 自民、「全敗」に危機感 野党は攻勢 衆参3選挙情勢(朝日04/19 19:49)
25日投開票の衆参3選挙について、朝日新聞社は17、18の両日、情勢調査を実施した。与野党が対決する参院広島再選挙と参院長野補選では、いずれも野党側が自民党の候補者に先行する情勢だ。与党側は、候補者擁立を見送った衆院北海道2区補選と合わせて全敗への危機感を募らせる一方、野党側は政権批判を強めて攻勢をかける構えだ。
3選挙は、菅政権にとって初の国政選挙で、政権運営の評価が問われる。
自民は、収賄罪で在宅起訴された吉川貴盛元農林水産相=自民を離党=の辞職に伴う北海道2区補選では「不戦敗」を決定。立憲民主党幹部の急死に伴う長野補選は、野党側が「弔い選挙」を掲げており、当初から苦戦を予想していた。
一方、広島再選挙は、公職選挙法違反の有罪判決が確定した河井案里氏=自民を離党=の当選無効に伴うものとはいえ、ほか2選挙の地盤と比べて支持層が厚く、「最低1勝」(党関係者)の狙いがあった。しかし、「政治とカネ」の影響は予想以上で、官邸幹部は「とてつもない逆風が吹いている」と漏らす。情勢調査を受け、ある閣僚は「3連敗すると政権への影響は免れない」と指摘した。
また、公明党は広島再選挙で山口代表が告示後の最初の週末に広島入りするなど、挙党態勢で臨む。次期衆院選の広島3区で斉藤副代表を公認予定で、再選挙の勝利で自公協力を固めたい考えからだ。15日の党中央幹事会では国会議員に可能な限り現地入りするよう指示。石井幹事長は19日、広島市内で記者団に、「横一線。この1週間の戦いで勝敗が決まる情勢だ」と語った。
これに対し、野党は3選挙を次期衆院選の「前哨戦」と位置づけ、全勝を狙う。
A-2 4月16日 日刊ゲンダイ・孫崎享著「25日の3選挙で自民を全敗に追い込めるか】
今月25日に衆院北海道2区と参院長野選挙区で補欠選挙が、同広島選挙区で再選挙がそれぞれ行われる。
衆院北海道2区は、鶏卵大手の元代表から大臣在任中に現金500万円を受理したとして起訴された吉川元農水相の辞任で、参院長野選挙区は、昨年末に新型コロナで急逝した立憲民主党の羽田雄一郎氏の欠員に伴うものだ。また参院広島選挙区は、公職選挙法違反の有罪判決を受けた河井案里氏が当選無効になったために行われる。
この3つの選挙がなぜ、注目されているのかといえば、菅政権発足後、初の国政選挙であり、今秋の衆院任期満了を控え、衆院選の前哨戦とみられているからである。
政権に近いとみられている読売新聞は8日の告示をうけた翌日、<与党『最低1勝が至上命令』、首相の求心力を左右…参院2選挙告示>として、<仮に二つとも落とし、『3敗』となれば、選挙に不安を抱える若手らが動揺するのは必至で、衆院選にむけて『菅降ろし』を模索する動きが起きる可能性もある>などと報じた。
衆院北海道2区で自民党候補が破れると首相の責任論が出る可能性もあるため、同党は候補者の擁立を止めた。事実上の不戦敗である。
一方、長野選挙区は羽田雄一郎氏の弟の次郎氏が立候補し、選挙戦を優位に戦っていると言われている。
焦点は参院広島選挙区である。2019年の選挙では、民主党推薦の森本氏が32%、ともに自民・公明推薦の河井氏が29%で、溝手氏が26%の得票率だった。つまり、自公候補の得票率は55%で、通常であれば自公推薦候補が勝利する。
読売新聞が<与党『最低1勝が至上命令』>と書いたのは、広島での1勝は固いと踏んでのことであろう。実際、当初の世論調査では、自民候補が優勢であった。
ところが、その後、差が縮まり、4月6日付の雑誌アエラは<西田氏がやや優勢も2ポイントほどの差しかない。まだ出馬表明して1カ月にも満たない宮口氏に追い上げられている>と報じている。
そして情勢はさらに変化した。同11日付の毎日新聞は<参院広島再選挙 野党推薦新人がリード、自民新人が追う>と報じたのだ。
3つの選挙のうち、2つはカネの絡む腐敗が発端である。
それは偶然の現象ではない。長期政権の膿が出てきているのである。25日の選挙で、国民が腐敗政治にNOを突き付けることが出来れば、それは菅内閣への打撃となるのは間違いない。
「選挙は最後の1週間、最後の3日、最後の3時間。後半に行くほどしっかりと戦った方が票を伸ばしていく」。立憲の枝野幸男代表は19日、国会内で開いた党会合で、幹部たちにこう発破をかけた。
野党側は、全勝のカギは報道各社の情勢調査で激戦が伝えられる広島再選挙とみて、力を入れる。枝野氏は告示後に2度あった日曜はいずれも広島入りして支援を呼びかけた。
枝野氏が全勝にこだわる背景には、昨年9月に合流し、衆参150人を超える野党第1党になったものの、伸び悩む立憲の政党支持率がある。枝野氏は「(全勝で)野党に勢いが出てくる」と周囲に語っており、次期衆院選へ弾みをつけたい考えだ。
A-1 自民、「全敗」に危機感 野党は攻勢 衆参3選挙情勢(朝日04/19 19:49)
25日投開票の衆参3選挙について、朝日新聞社は17、18の両日、情勢調査を実施した。与野党が対決する参院広島再選挙と参院長野補選では、いずれも野党側が自民党の候補者に先行する情勢だ。与党側は、候補者擁立を見送った衆院北海道2区補選と合わせて全敗への危機感を募らせる一方、野党側は政権批判を強めて攻勢をかける構えだ。
3選挙は、菅政権にとって初の国政選挙で、政権運営の評価が問われる。
自民は、収賄罪で在宅起訴された吉川貴盛元農林水産相=自民を離党=の辞職に伴う北海道2区補選では「不戦敗」を決定。立憲民主党幹部の急死に伴う長野補選は、野党側が「弔い選挙」を掲げており、当初から苦戦を予想していた。
一方、広島再選挙は、公職選挙法違反の有罪判決が確定した河井案里氏=自民を離党=の当選無効に伴うものとはいえ、ほか2選挙の地盤と比べて支持層が厚く、「最低1勝」(党関係者)の狙いがあった。しかし、「政治とカネ」の影響は予想以上で、官邸幹部は「とてつもない逆風が吹いている」と漏らす。情勢調査を受け、ある閣僚は「3連敗すると政権への影響は免れない」と指摘した。
また、公明党は広島再選挙で山口代表が告示後の最初の週末に広島入りするなど、挙党態勢で臨む。次期衆院選の広島3区で斉藤副代表を公認予定で、再選挙の勝利で自公協力を固めたい考えからだ。15日の党中央幹事会では国会議員に可能な限り現地入りするよう指示。石井幹事長は19日、広島市内で記者団に、「横一線。この1週間の戦いで勝敗が決まる情勢だ」と語った。
これに対し、野党は3選挙を次期衆院選の「前哨戦」と位置づけ、全勝を狙う。
A-2 4月16日 日刊ゲンダイ・孫崎享著「25日の3選挙で自民を全敗に追い込めるか】
今月25日に衆院北海道2区と参院長野選挙区で補欠選挙が、同広島選挙区で再選挙がそれぞれ行われる。
衆院北海道2区は、鶏卵大手の元代表から大臣在任中に現金500万円を受理したとして起訴された吉川元農水相の辞任で、参院長野選挙区は、昨年末に新型コロナで急逝した立憲民主党の羽田雄一郎氏の欠員に伴うものだ。また参院広島選挙区は、公職選挙法違反の有罪判決を受けた河井案里氏が当選無効になったために行われる。
この3つの選挙がなぜ、注目されているのかといえば、菅政権発足後、初の国政選挙であり、今秋の衆院任期満了を控え、衆院選の前哨戦とみられているからである。
政権に近いとみられている読売新聞は8日の告示をうけた翌日、<与党『最低1勝が至上命令』、首相の求心力を左右…参院2選挙告示>として、<仮に二つとも落とし、『3敗』となれば、選挙に不安を抱える若手らが動揺するのは必至で、衆院選にむけて『菅降ろし』を模索する動きが起きる可能性もある>などと報じた。
衆院北海道2区で自民党候補が破れると首相の責任論が出る可能性もあるため、同党は候補者の擁立を止めた。事実上の不戦敗である。
一方、長野選挙区は羽田雄一郎氏の弟の次郎氏が立候補し、選挙戦を優位に戦っていると言われている。
焦点は参院広島選挙区である。2019年の選挙では、民主党推薦の森本氏が32%、ともに自民・公明推薦の河井氏が29%で、溝手氏が26%の得票率だった。つまり、自公候補の得票率は55%で、通常であれば自公推薦候補が勝利する。
読売新聞が<与党『最低1勝が至上命令』>と書いたのは、広島での1勝は固いと踏んでのことであろう。実際、当初の世論調査では、自民候補が優勢であった。
ところが、その後、差が縮まり、4月6日付の雑誌アエラは<西田氏がやや優勢も2ポイントほどの差しかない。まだ出馬表明して1カ月にも満たない宮口氏に追い上げられている>と報じている。
そして情勢はさらに変化した。同11日付の毎日新聞は<参院広島再選挙 野党推薦新人がリード、自民新人が追う>と報じたのだ。
3つの選挙のうち、2つはカネの絡む腐敗が発端である。
それは偶然の現象ではない。長期政権の膿が出てきているのである。25日の選挙で、国民が腐敗政治にNOを突き付けることが出来れば、それは菅内閣への打撃となるのは間違いない。
「選挙は最後の1週間、最後の3日、最後の3時間。後半に行くほどしっかりと戦った方が票を伸ばしていく」。立憲の枝野幸男代表は19日、国会内で開いた党会合で、幹部たちにこう発破をかけた。
野党側は、全勝のカギは報道各社の情勢調査で激戦が伝えられる広島再選挙とみて、力を入れる。枝野氏は告示後に2度あった日曜はいずれも広島入りして支援を呼びかけた。
枝野氏が全勝にこだわる背景には、昨年9月に合流し、衆参150人を超える野党第1党になったものの、伸び悩む立憲の政党支持率がある。枝野氏は「(全勝で)野党に勢いが出てくる」と周囲に語っており、次期衆院選へ弾みをつけたい考えだ。