転載:荒谷卓著「守るべき日本」:対米関係をみれば主権が守られていないのは明確だ。 グローバリストに国家の境界は存在しない。平気で自国民を犠牲にし、中国だろうが北朝鮮だろうが使えるものは利用する。メディアを使って当たり前のようにフェイクを流す。
「守るべき日本」(『情況 2021春』
荒谷卓(1959年生まれ。2004年、特殊作戦群が創設され、初代群長に就任。1959年退官。2009年明治神宮至誠館の館長に就任、2018年辞職。2018年三重県熊野市「国際共生創成協会 熊野飛鳥むすびの里」を設立)
・ちゃんと考えれば考えるほど、日本は一体何から何を守ろうとしているのか?
・対米関係をみれば主権が守られていないのは明確だ。そして何より、日本の伝統文化がなし崩しに壊されている状況をみれば日本が日本であることを守ろうとしていないことがよくわかる。
・安全保障と防衛の頼みの綱は日米安全保障体制で、米国は「わが国と基本的な価値や利益を共にする」と言われているが、これは本当だろうか。そもそも、中国や韓国に反日感情を植えつけ、最も日本を忌み嫌う敵だったはずの米国が、今では価値を共にする味方であるとはどういうことなのか。
・我が国において、最初のグローバリゼーションの波が襲ったのは戦国時代、鉄砲とともに来訪した軍隊的性質の布教団体イズス会の宗教秩序によるグローバリゼーションであった。大名を取り込み、神社仏閣を暴力的に襲撃する強固な排他性や奴隷獲得のための日本人の人身売買をみかねた豊臣秀吉が布教禁止の措置をとり、徳川幕府が鎖国政策をとったのは賢明な対応であった。これにより最初のグローバリゼーションの津波は防ぐことができた。
次のグローバリゼーションの来襲は米国のペリーによってもたらされた。
・しかしながら、当時の国民は日本人としての自立の気概を失わず、大東亜戦争に至るまで国民一丸となって英米の主導のグローバリゼーションと戦ってきた。
・しかし、終戦後の七年間に及ぶ米軍占領下に、日本はグローバリゼーション側の手先と化してしまった。自分たちが何を守ろうとしていたのか、何と戦っていたのかを完全に忘れてしまい、日本人が命をかけて守ろうとしていたものを日本人自らが破壊することとなる。
・冷戦後、世界を主導するのは、国家ではなく市場である。市場原理すなわちマネーによる自由競争に勝利した個人が世界のルールメイカーの地位を得る。
冷戦終局とともに消滅したのは、共産主義だけではなく民主主義も世界の秩序から消えた。
国家の占有していた軍事力でさえも個人のビジネスの為に利用されることとなった。
・世界は新世界秩序を隠れ蓑にした富裕層による専制統治化が進み、これまでグローバリゼーションによって恩恵を得ていた日本を含む西側先進国の国民の大多数が貧困層へと落ちて行くことになる。
・これに伴い、市場の扇動する普遍的なマネーの価値への疑問が欧米諸国家の国民の間でも活発化し反グローバリゼーションの傾向が顕著になってきた。各国で市場化を主導するエリート層への反発が爆発し、トランプ大統領のようなナショナリストが国家の首長になるようにうなってきた。
・このような反グローバリゼーションの多様な動きが拡大・具体化してきたことにグローバリストが沈黙するはずがない。そのための手段は、マスメディアを利用した情報統制であり、今一つは、彼らが邪魔者扱いしてきた国家の権力機構を利用した実力統制である。
・例えば、客観的事実関係を見る限り、米国大統領選挙の結果が異常であること、新型コロナウイルスへの対処の仕方が異常であること位は判るはずである。
・グローバリストには国家という境界は存在しない。平気で自国民を犠牲にし、あるいは中国だろうが北朝鮮だろうが使えるものは利用する。メディアを使って当たり前のようにフェイクを流し、明らかな不正行為も正当化して自由競争の勝利者としての地位を確たるものとしようとしている。
今般のコロナ禍や反グローバリスト潰しの米国の選挙に顕著に表れたように、グローバリストの利益と権力獲得のためにはあからさまな暴挙が罷り通る世界へと変質した。
・日本の伝統文化を失った国籍だけの日本人と、グローバル資本に売却された日本に守るべき価値など存在しない。
・我々日本国民は、自らが生きる土地で伝統的共同体を地道に支え、自らが日本文化そのものに成って生きていくことが大事である。
「守るべき日本」(『情況 2021春』
荒谷卓(1959年生まれ。2004年、特殊作戦群が創設され、初代群長に就任。1959年退官。2009年明治神宮至誠館の館長に就任、2018年辞職。2018年三重県熊野市「国際共生創成協会 熊野飛鳥むすびの里」を設立)
・ちゃんと考えれば考えるほど、日本は一体何から何を守ろうとしているのか?
・対米関係をみれば主権が守られていないのは明確だ。そして何より、日本の伝統文化がなし崩しに壊されている状況をみれば日本が日本であることを守ろうとしていないことがよくわかる。
・安全保障と防衛の頼みの綱は日米安全保障体制で、米国は「わが国と基本的な価値や利益を共にする」と言われているが、これは本当だろうか。そもそも、中国や韓国に反日感情を植えつけ、最も日本を忌み嫌う敵だったはずの米国が、今では価値を共にする味方であるとはどういうことなのか。
・我が国において、最初のグローバリゼーションの波が襲ったのは戦国時代、鉄砲とともに来訪した軍隊的性質の布教団体イズス会の宗教秩序によるグローバリゼーションであった。大名を取り込み、神社仏閣を暴力的に襲撃する強固な排他性や奴隷獲得のための日本人の人身売買をみかねた豊臣秀吉が布教禁止の措置をとり、徳川幕府が鎖国政策をとったのは賢明な対応であった。これにより最初のグローバリゼーションの津波は防ぐことができた。
次のグローバリゼーションの来襲は米国のペリーによってもたらされた。
・しかしながら、当時の国民は日本人としての自立の気概を失わず、大東亜戦争に至るまで国民一丸となって英米の主導のグローバリゼーションと戦ってきた。
・しかし、終戦後の七年間に及ぶ米軍占領下に、日本はグローバリゼーション側の手先と化してしまった。自分たちが何を守ろうとしていたのか、何と戦っていたのかを完全に忘れてしまい、日本人が命をかけて守ろうとしていたものを日本人自らが破壊することとなる。
・冷戦後、世界を主導するのは、国家ではなく市場である。市場原理すなわちマネーによる自由競争に勝利した個人が世界のルールメイカーの地位を得る。
冷戦終局とともに消滅したのは、共産主義だけではなく民主主義も世界の秩序から消えた。
国家の占有していた軍事力でさえも個人のビジネスの為に利用されることとなった。
・世界は新世界秩序を隠れ蓑にした富裕層による専制統治化が進み、これまでグローバリゼーションによって恩恵を得ていた日本を含む西側先進国の国民の大多数が貧困層へと落ちて行くことになる。
・これに伴い、市場の扇動する普遍的なマネーの価値への疑問が欧米諸国家の国民の間でも活発化し反グローバリゼーションの傾向が顕著になってきた。各国で市場化を主導するエリート層への反発が爆発し、トランプ大統領のようなナショナリストが国家の首長になるようにうなってきた。
・このような反グローバリゼーションの多様な動きが拡大・具体化してきたことにグローバリストが沈黙するはずがない。そのための手段は、マスメディアを利用した情報統制であり、今一つは、彼らが邪魔者扱いしてきた国家の権力機構を利用した実力統制である。
・例えば、客観的事実関係を見る限り、米国大統領選挙の結果が異常であること、新型コロナウイルスへの対処の仕方が異常であること位は判るはずである。
・グローバリストには国家という境界は存在しない。平気で自国民を犠牲にし、あるいは中国だろうが北朝鮮だろうが使えるものは利用する。メディアを使って当たり前のようにフェイクを流し、明らかな不正行為も正当化して自由競争の勝利者としての地位を確たるものとしようとしている。
今般のコロナ禍や反グローバリスト潰しの米国の選挙に顕著に表れたように、グローバリストの利益と権力獲得のためにはあからさまな暴挙が罷り通る世界へと変質した。
・日本の伝統文化を失った国籍だけの日本人と、グローバル資本に売却された日本に守るべき価値など存在しない。
・我々日本国民は、自らが生きる土地で伝統的共同体を地道に支え、自らが日本文化そのものに成って生きていくことが大事である。