再三話に登場している「安東水軍」なる酒を造る醸造元を訪ねる。
鯵ヶ沢駅から海辺に向けて車を進めて、漁師町という地所にあるのが尾崎酒造で、白神山地から湧き出る水で仕込む酒だ。
もちろん、冬は仕込み真っ最中で新しい杉玉が店先に掛かる。
中にお邪魔すると、いきなり好い麹の香りが鼻を擽る。
道路に面した店舗兼事務所部分とは打って変わって仕込み部屋に歩を進めると、
歴史を感じさせる高天井で脇で案内してくれたのは当代若当主。
その先に仕込み蔵と続く。
石高はごく少な目ではあるが、従来からの手作業に依る舟作業中だった。
かわいらしい琺瑯引きの仕込樽が特徴。
やや甘口ながら切れが良くさっぱりした飲み後感は、
北はロシアから南は天竺=インドまでの大海原を闊歩して甘いも酸いも知り尽くした
水軍好みの味に仕上げられているのだろう。
2018年 睦月 尾崎酒造にて
明日から旅に出る。
純粋にヨンマルに逢いたいのとは別に、北の日本海に面した厳しい冬を
凌ぐ人々の生活に触れたくて、じっと一所に留まってみる。
海鳴りとウミネコとたまに出会う生活する人々と。
何があるかは行ってみないとわからない。
自分の生活と照らし合わせて、何が足りてて何が足りないのかを見つめなおす旅。
基本的には、更新とレスが滞りますので
よろしくお願いいたします。
2013年厳冬 風合瀬
新幹線博多延伸の伴いできたハカソウこと博多総合車両基地。
その奥に聳える低山、観音山。
今ではその新幹線は鹿児島まで延び、高層建築物並みのコンクリート高架が架かり
周囲の景色は激変していることだろう。
先土器の太古から人の営みがあった麓から何万何千という年月を重ね見える風景。
何も足さない、何も引かない。
スマホなんて餓鬼の玩具だ。
ホワイトバランスなんざ要らねぇ。
インスタだぁ?
単なる画像データの羅列なんかに
一切興味はない。
撮って、現像するのみレタッチだけで一切の加工は許されない。
ひたすらにカメラを向けて、
撮って撮って撮りまくる。
自然とヒトの織りなす風景を。
1977年冬 観音山にて
多趣味な電関人は、かつて縄文時代などの考古学に嵌ったり大いなる宇宙に夢を馳せたりと。
今年の夜空は、正月からイベント続き。
スーパームーンや流星群など、今晩の23時以降明るい月があるものの天体ショーがたけなわとなるようだ!
昔は、実家の前の道路に三脚おったててバルブで天体撮影もやっていた。
ネガが何処かに行ってしまったけど友人の10㎝反射望遠鏡にアタッチメント咬ませ土星のリングや木星の縞模様撮ったり
バルブ標準レンズでアンドロメダを撮ったりと・・・。
TXを800増感し30秒バルブでオリオン座を狙う。
自宅前で、夜の明かりが少なかったこともあるが三連星の左下の三つの輝きの真ん中はM42がぼんやりと。
真ん中の星の固まりが散開星団のプレアデス、いわゆるスバルである。
みんな日周運動で撮るんじゃぁなくて高性能デジイチを夜空に向けてごらんなさい!
お金をかけずに素晴らしい夜空のショータイム。
今夜23時開演。
1977年冬 実家春日原にて
今朝の新聞紙面で葉室さんの訃報に触れる。
電関人自身が、その精神の師とし仰いできた福岡出身の直木賞作家で享年66。
サラリーマン人生において、男子たるものかくあるべしと
座右の銘にしてきた、武士道の根底にある凛とした精神と切ない男女の物語には
氏の新作を読むたびに目頭を熱くした。
中でも、福岡の地名を織り交ぜながら一途で透き通った人間模様を綴った「千鳥舞う」が一番のお気に入り。
聖夜を迎える朝に悲しい悲しい知らせが舞い込んだものである。
そんな同郷の師に、わが実父を野辺送りしたときの山家の雪椿を添える。
合掌