二階堂友紀 高橋福子、笹川翔平 2015年6月27日05時02分
http://digital.asahi.com/articles/ASH6V5TZMH6VUTFK01G.html
「沖縄の新聞社はつぶせ」「マスコミを懲らしめるには広告がなくなるのが一番」――。自民党の勉強会で飛び交った放言は、26日の衆院特別委員会で集中砲火を浴びた。勉強会は安倍晋三首相を支える中堅・若手が開いただけに、野党は「沖縄」の尊厳を侵したり、報道の自由を威圧したりするような姿勢に対し、「安倍政権の本質的な問題だ」と追及した。
勉強会「文化芸術懇話会」は25日夕、自民党本部で開かれた。
「九条の会」の発起人に名を連ねる作家・大江健三郎さんや、脱原発に取り組む音楽家・坂本龍一さんら、リベラル系文化人の発信力に対抗し、政権の思想や政策を文化人を通して発信してもらう狙いだ。
首相と親しく、最初の講師に選ばれた百田尚樹氏は、報道陣に公開された冒頭で「反日とか売国とか、日本をおとしめる目的で書いているとしか思えない記事が多い」とマスコミ批判を展開。議員は「そうだ!」と盛り上がった。
その後、会合は非公開となった。出席者などへの取材によると、百田氏の講演が終わり、議員側との質疑応答に移ると、百田氏の冒頭発言が呼び水となったかのように、報道規制を正当化する発言が相次いだ。
大西英男衆院議員(東京16区)は「マスコミを懲らしめるには、広告料収入がなくなるのが一番。日本を過つ企業に広告料を支払うなんてとんでもないと、経団連などに働きかけしてほしい」。井上貴博衆院議員(福岡1区)が「福岡の青年会議所理事長の時、委員会をつくってマスコミをたたいた。日本全体でやらなきゃいけないことだが、テレビのスポンサーにならないのが一番こたえることが分かった」と続けた。
これに対し、百田氏は「新聞よりテレビだ。五つの民放が、自由競争なしに地上波という既得権益を手放さない」などと応じた。
その後、長尾敬衆院議員(比例近畿ブロック)が「沖縄」に話題を移す。
沖縄タイムス、琉球新報という二つの地元紙を名指しし、「沖縄の特殊なメディア構造をつくったのは戦後保守の堕落だ。沖縄の世論はゆがみ、左翼勢力に完全に乗っ取られている」と主張。これに応える形で百田氏が「沖縄の二つの新聞社は絶対つぶさなあかん」と述べたが、笑いでざわめくのみで、発言を注意する声は上がらなかった。
さらに百田氏は「左翼は沖縄に基地があるから、米兵が沖縄の女の子を強姦(ごうかん)すると批判するが、データ的にいうとひどいウソだ。米兵が犯したレイプ犯罪よりも、沖縄県全体で沖縄人自身が起こしたレイプ犯罪の方が、はるかに率が高い」とまで述べた。
会合の最後、百田氏が「政治家は言葉が大事。『負』の部分はネグったら(無視すれば)いい。いかに心に届くかだ」と締めくくると、会場からは大きな拍手が起きた。
百田氏の発言内容にもかかわらず、勉強会の代表を務める木原稔・党青年局長は会合後、記者団に「百田氏は自分の強い信念に基づいて発信し、国民に受け入れられている。われわれ政治家が学ばなきゃいけない」と語っていた。
出席者の一人も26日夜、軽い調子で振り返った。「百田さんの話がめちゃくちゃ面白かったから、居酒屋トークみたいになっちゃったんだよ」(二階堂友紀)
■首相陳謝せず
「事実であるとすれば大変遺憾だが、行政府の責任者としてだれがどう発言したのか報告するのは難しい」。首相は26日、安全保障関連法案を審議する衆院特別委員会で語った。民主党の寺田学氏が勉強会での発言内容を確認するよう求め、昼休みを使って浜田靖一委員長が確認。それでも、首相が事実関係を説明することはなかった。
「報道の自由」や「沖縄との信頼関係」を揺るがす発言だが、明確な陳謝もなかった。首相は「その場にいないにもかかわらず、勝手におわびすることはできない。発言した人物のみが責任を負うことができる」と語り、民主党の辻元清美氏は「自民党として恥ずかしいとの言葉はないのか」と追及した。
首相は発言者への処分について問われたが、「私的な勉強会で自由闊達(かったつ)な議論がある。言論の自由は民主主義の根幹をなすものだ」と否定した。沖縄1区選出で共産党の赤嶺政賢氏が自民党に「何が自由と民主主義だ」とヤジを飛ばし、騒然とする場面もあった。
自民党内からも、沖縄を地盤とする宮崎政久氏が勉強会代表の木原稔青年局長に百田氏の発言について「歴史に対する無理解だ」と抗議。木原氏は「事実と違うならメンバーに正しいことを伝えなければいけない」と語った。
通常国会は安全保障関連法案を成立させるため、戦後最長の95日の延長を決めたばかりだが、自民党の佐藤勉国会対策委員長は周辺に「毎日毎日、鉄砲玉が後ろから飛んでくる」と漏らし、いら立ちを隠さない。憲法学者から法案を「憲法違反」と指摘されたことに続く大きな火種になった。
野党が特に問題視するのは「(勉強会は)首相の応援団。安倍政権の体質が本当に劣化している」(辻元氏)とみるためだ。
勉強会には、首相側近の加藤勝信官房副長官らが参加したが、逆に、同じ日に開催を予定していたリベラル系議員の勉強会には、党執行部が「時期が悪い」と注文をつけ、結果的に開かれなかった。
異論を封じる姿勢はメディアに対しても続く。昨年の衆院解散直後、党はテレビ各局に選挙報道の公正中立を求める文書を送付。今年4月には党幹部がテレビ朝日とNHKの幹部を呼び、報道番組の内容について事情を聴いた。
小選挙区制度の導入で、首相や党執行部の力が強まり、中堅・若手の空気は特に一色に染まりがちだ。また、2009年の下野後、党の独自色を出そうと保守的な色彩が強まったことも背景にある。首相と距離のある党中堅議員はこう切り捨てた。「首相の応援団のはずが、逆に足を引っ張っているじゃないか」(高橋福子、笹川翔平)
■権力のおごり
《砂川浩慶(ひろよし)・立教大学准教授(メディア論)の話》 今回の百田氏の発言は、非公開の場という油断があったのだろうが、逆にいえば元々の考えが出てきた「本音トーク」。民間人の発言とはいえ、人選の段階で何を話すかは想像できる。自分たちの思いを代弁する人を呼んでいるわけで、今の自民党の思いが反映されていると言える。主催者として発言内容に責任を持つべきで、意に沿わない発言ならその場で指摘する必要があるだろう。
安倍政権では、たびたびメディアを名指しした批判が問題になってきた。報道の自由の根っこにあるのは少数意見の尊重。東京から見て「少数」である沖縄の意見を「つぶせ」というのは権力のおごりで、民主主義の根幹を理解していないといわざるを得ない。
25日の勉強会は冒頭以外は非公開で行われたため、朝日新聞は勉強会の複数の出席者を取材するなどし、26日付朝刊で「メディア規制」に関する発言内容を報じた。その後の取材で、百田氏の「沖縄の二つの新聞社は絶対につぶさなあかん」などの発言が明らかになったことから、本人らに取材したうえで、26日付夕刊と27日付朝刊で報道した。
感想;
自分に気に入らない報道をする新聞社はつぶせばよい。つぶすにはスポンサーにならなければよい。そのために経団連に要望すればよい。
自分に気に入らないマスコミをつぶして行くのは、戦争中の権力を握った者がやってきたことで、それは歴史的にも過ちだったことが言われています。
それが自民党本部で開催された会合であり、否定もなかったとのこと。
ドイツではホロコーストを含めた戦争の反省を行い、その反省の気持ちを次の世代に引き継ぐことを行っているそうです。
日本は米国主導の極東裁判で戦争責任者の裁判がありましたが、自ら反省して次に生かすことを十分してこなかったのではないでしょうか?
ノモハン事件、インパール作戦などで何万の兵士を病気と飢餓と無謀な作戦で亡くした反省を行うことなく、首謀者は罪も問われずに戦後に生き残っています。
学校でそれらを学ぶこともなかったです。
福島原発の対応(いまだに放射能漏れが続き、終結のめども立っていない)や日本の将来を支える若者層の引きこもりなど優先する課題があるように思われるのですが。「Under control」 福島原発事故処理はコントロールされているのでしょうか?
日本の社会は万代の神々の世界です。この万代の意見が出せる社会が良いように思うのですが。
http://digital.asahi.com/articles/ASH6V5TZMH6VUTFK01G.html
「沖縄の新聞社はつぶせ」「マスコミを懲らしめるには広告がなくなるのが一番」――。自民党の勉強会で飛び交った放言は、26日の衆院特別委員会で集中砲火を浴びた。勉強会は安倍晋三首相を支える中堅・若手が開いただけに、野党は「沖縄」の尊厳を侵したり、報道の自由を威圧したりするような姿勢に対し、「安倍政権の本質的な問題だ」と追及した。
勉強会「文化芸術懇話会」は25日夕、自民党本部で開かれた。
「九条の会」の発起人に名を連ねる作家・大江健三郎さんや、脱原発に取り組む音楽家・坂本龍一さんら、リベラル系文化人の発信力に対抗し、政権の思想や政策を文化人を通して発信してもらう狙いだ。
首相と親しく、最初の講師に選ばれた百田尚樹氏は、報道陣に公開された冒頭で「反日とか売国とか、日本をおとしめる目的で書いているとしか思えない記事が多い」とマスコミ批判を展開。議員は「そうだ!」と盛り上がった。
その後、会合は非公開となった。出席者などへの取材によると、百田氏の講演が終わり、議員側との質疑応答に移ると、百田氏の冒頭発言が呼び水となったかのように、報道規制を正当化する発言が相次いだ。
大西英男衆院議員(東京16区)は「マスコミを懲らしめるには、広告料収入がなくなるのが一番。日本を過つ企業に広告料を支払うなんてとんでもないと、経団連などに働きかけしてほしい」。井上貴博衆院議員(福岡1区)が「福岡の青年会議所理事長の時、委員会をつくってマスコミをたたいた。日本全体でやらなきゃいけないことだが、テレビのスポンサーにならないのが一番こたえることが分かった」と続けた。
これに対し、百田氏は「新聞よりテレビだ。五つの民放が、自由競争なしに地上波という既得権益を手放さない」などと応じた。
その後、長尾敬衆院議員(比例近畿ブロック)が「沖縄」に話題を移す。
沖縄タイムス、琉球新報という二つの地元紙を名指しし、「沖縄の特殊なメディア構造をつくったのは戦後保守の堕落だ。沖縄の世論はゆがみ、左翼勢力に完全に乗っ取られている」と主張。これに応える形で百田氏が「沖縄の二つの新聞社は絶対つぶさなあかん」と述べたが、笑いでざわめくのみで、発言を注意する声は上がらなかった。
さらに百田氏は「左翼は沖縄に基地があるから、米兵が沖縄の女の子を強姦(ごうかん)すると批判するが、データ的にいうとひどいウソだ。米兵が犯したレイプ犯罪よりも、沖縄県全体で沖縄人自身が起こしたレイプ犯罪の方が、はるかに率が高い」とまで述べた。
会合の最後、百田氏が「政治家は言葉が大事。『負』の部分はネグったら(無視すれば)いい。いかに心に届くかだ」と締めくくると、会場からは大きな拍手が起きた。
百田氏の発言内容にもかかわらず、勉強会の代表を務める木原稔・党青年局長は会合後、記者団に「百田氏は自分の強い信念に基づいて発信し、国民に受け入れられている。われわれ政治家が学ばなきゃいけない」と語っていた。
出席者の一人も26日夜、軽い調子で振り返った。「百田さんの話がめちゃくちゃ面白かったから、居酒屋トークみたいになっちゃったんだよ」(二階堂友紀)
■首相陳謝せず
「事実であるとすれば大変遺憾だが、行政府の責任者としてだれがどう発言したのか報告するのは難しい」。首相は26日、安全保障関連法案を審議する衆院特別委員会で語った。民主党の寺田学氏が勉強会での発言内容を確認するよう求め、昼休みを使って浜田靖一委員長が確認。それでも、首相が事実関係を説明することはなかった。
「報道の自由」や「沖縄との信頼関係」を揺るがす発言だが、明確な陳謝もなかった。首相は「その場にいないにもかかわらず、勝手におわびすることはできない。発言した人物のみが責任を負うことができる」と語り、民主党の辻元清美氏は「自民党として恥ずかしいとの言葉はないのか」と追及した。
首相は発言者への処分について問われたが、「私的な勉強会で自由闊達(かったつ)な議論がある。言論の自由は民主主義の根幹をなすものだ」と否定した。沖縄1区選出で共産党の赤嶺政賢氏が自民党に「何が自由と民主主義だ」とヤジを飛ばし、騒然とする場面もあった。
自民党内からも、沖縄を地盤とする宮崎政久氏が勉強会代表の木原稔青年局長に百田氏の発言について「歴史に対する無理解だ」と抗議。木原氏は「事実と違うならメンバーに正しいことを伝えなければいけない」と語った。
通常国会は安全保障関連法案を成立させるため、戦後最長の95日の延長を決めたばかりだが、自民党の佐藤勉国会対策委員長は周辺に「毎日毎日、鉄砲玉が後ろから飛んでくる」と漏らし、いら立ちを隠さない。憲法学者から法案を「憲法違反」と指摘されたことに続く大きな火種になった。
野党が特に問題視するのは「(勉強会は)首相の応援団。安倍政権の体質が本当に劣化している」(辻元氏)とみるためだ。
勉強会には、首相側近の加藤勝信官房副長官らが参加したが、逆に、同じ日に開催を予定していたリベラル系議員の勉強会には、党執行部が「時期が悪い」と注文をつけ、結果的に開かれなかった。
異論を封じる姿勢はメディアに対しても続く。昨年の衆院解散直後、党はテレビ各局に選挙報道の公正中立を求める文書を送付。今年4月には党幹部がテレビ朝日とNHKの幹部を呼び、報道番組の内容について事情を聴いた。
小選挙区制度の導入で、首相や党執行部の力が強まり、中堅・若手の空気は特に一色に染まりがちだ。また、2009年の下野後、党の独自色を出そうと保守的な色彩が強まったことも背景にある。首相と距離のある党中堅議員はこう切り捨てた。「首相の応援団のはずが、逆に足を引っ張っているじゃないか」(高橋福子、笹川翔平)
■権力のおごり
《砂川浩慶(ひろよし)・立教大学准教授(メディア論)の話》 今回の百田氏の発言は、非公開の場という油断があったのだろうが、逆にいえば元々の考えが出てきた「本音トーク」。民間人の発言とはいえ、人選の段階で何を話すかは想像できる。自分たちの思いを代弁する人を呼んでいるわけで、今の自民党の思いが反映されていると言える。主催者として発言内容に責任を持つべきで、意に沿わない発言ならその場で指摘する必要があるだろう。
安倍政権では、たびたびメディアを名指しした批判が問題になってきた。報道の自由の根っこにあるのは少数意見の尊重。東京から見て「少数」である沖縄の意見を「つぶせ」というのは権力のおごりで、民主主義の根幹を理解していないといわざるを得ない。
25日の勉強会は冒頭以外は非公開で行われたため、朝日新聞は勉強会の複数の出席者を取材するなどし、26日付朝刊で「メディア規制」に関する発言内容を報じた。その後の取材で、百田氏の「沖縄の二つの新聞社は絶対につぶさなあかん」などの発言が明らかになったことから、本人らに取材したうえで、26日付夕刊と27日付朝刊で報道した。
感想;
自分に気に入らない報道をする新聞社はつぶせばよい。つぶすにはスポンサーにならなければよい。そのために経団連に要望すればよい。
自分に気に入らないマスコミをつぶして行くのは、戦争中の権力を握った者がやってきたことで、それは歴史的にも過ちだったことが言われています。
それが自民党本部で開催された会合であり、否定もなかったとのこと。
ドイツではホロコーストを含めた戦争の反省を行い、その反省の気持ちを次の世代に引き継ぐことを行っているそうです。
日本は米国主導の極東裁判で戦争責任者の裁判がありましたが、自ら反省して次に生かすことを十分してこなかったのではないでしょうか?
ノモハン事件、インパール作戦などで何万の兵士を病気と飢餓と無謀な作戦で亡くした反省を行うことなく、首謀者は罪も問われずに戦後に生き残っています。
学校でそれらを学ぶこともなかったです。
福島原発の対応(いまだに放射能漏れが続き、終結のめども立っていない)や日本の将来を支える若者層の引きこもりなど優先する課題があるように思われるのですが。「Under control」 福島原発事故処理はコントロールされているのでしょうか?
日本の社会は万代の神々の世界です。この万代の意見が出せる社会が良いように思うのですが。