幸せに生きる(笑顔のレシピ) & ロゴセラピー 

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「ハーバードの日本人論」佐藤智恵著 ”スティーブ・ジョブズにとって、「禅は会社を経営していく上での指針」”

2020-11-08 03:56:08 | 本の紹介
・前へ進む勇気を与えてくれる「悟空」(漫画)

・「自国と同じように他国にも優れた文化・文明・社会がある」ということを認識すれば、人間としての幅が広がります。他国から学ばなければ、自分中心の狭い世界から出ることはできません。

・本州に住む日本人のDNAの20%は縄文人、80%は弥生人に由来することがわかっています。

・180万年前にアフリカを出たホモ・エレクトスは、その後、世界各地でネアンデルタール人、デニソワ人、そのほかの旧人類へと進化していきます。そして30万年前になるとその一部が、一度、アフリカに戻るのです。これは最近の調査でわかったことです。アフリカに戻ったグループは、そこでホモ・サピエンス・サピエンス、つまり現生人類に進化します。
そしてこの現生人類が再び、6万年前にアフリカの外にに拡散するのです。
アフリカを出た現生人類が東アジアに到達したのは5万年前です。

・日本人のDNAの98%はホモ・サピエンス・サピエンス、2%は旧人類由来です。

・2回目の流入は、その1500年後の4500年前です。ロシア方面から別の農耕民が移動してきて、既存の農耕民の90%を置き換えてしまいました。この2回目に流入してきた人々が、現在のイギリス人の祖先です。

・自由民主党が安定した政権を取ることができたのは、経済成長を追い風にした池田政権だった。

・私が注目しているのは、自由民主党は国民にそれほど人気があるわけではないのに、ずっと選挙で勝ち続けてきたことです。

・自由民主党を支持している有権者の多くは、政策以外の理由で票を入れているということです。それは、「利益団体に属しているから」「先祖代々、指示してきたから」といった理由かもしれませんし、「ほかの党のことをよく知らないから」「野党は信頼できない」といった消極的な理由かもしれません。

・世界の世襲議員率(1995~2016年)
タイ   42%
日本   28
台湾   26
インド  12
アメリカ 7
イギリス 6
韓国   5
ドイツ  2

・自民党の優位を支えているのは、「主御選挙区選挙に多くの議席が割り当てられている既存の選挙システム」「野党の分裂」「自公の連立」「低い投票率」の4つです。

・「副業・兼業の促進」に驚くハーバードの学生
1) 副業・兼業を政府が後押しすることは、現状でも働きすぎの日本人をさらに働かせることにつながることです。
2) これは非常に男性中心的な考え方であることです。正社員で働いている女性に副業・兼業する時間などありません。
3) 副業をする人は、企業から人員の調整弁と見なされ、低賃金で使われる可能性があることです。

・日本人が『場』を重んじる国民であることを指摘しています。『場』という概念は、東京大学の中根千枝名誉教授の著書『タテ社会の人間関係』で広く知られるようになりました。

・定年間近の官僚には、民間企業や関連団体に天下りする道が用意されていました。そのため、日本人は、個人で努力してウィークタイズを築き、それを使って自分で転職することに慣れていないのです。

・異文化を学ぶと、自国の文化、さらには、自分自身についての理解が深まるということです。

・トヨタの生産システムを可能にしているのは、継続して学習し、問題を解決する企業文化です。その文化は全社員に浸透しています。だからこそ、簡単にまねできないのです。

・15年前(2019年発行)、イーストマン・コダックの部門長だった私は、トヨタの生産方式を学ぶため、経営陣を連れてケンタッキー州のジョージタウン工場を見学したことがあります。工場長が生産現場をくまなく見せてくれるので、私は驚いて「本当に何でも見せてくれるのですね。これではアメリカの競合メーカーにも筒抜けではないですか」と聞くと、彼はこう答えたのです。「競合が来ても、全部見せますよ。見ただけでは真似できないから見せても大丈夫なんです。企業文化と考え方まで理解しなければ、この生産方式は実現できませんから」。実際、GMはトヨタから直接学ぶ機会を得ていましたが、文化を変えるには長い時間がかかっています。

・私がコダックで学んだのは、テクノロジーには寿命があり、企業はその寿命が終わる前に次の代替技術の波に乗らなくてはならない、ということです。これが企業にとって生命線になるのです。いつまでも古い技術にしがみついていると、会社そのものの存続に関わります。

・私がイノベーションの授業で教えているのは、ノーベル経済学受賞者のハーバート・サイモンが提唱した「限定合理性」という概念です。「限定合理性」とは、「人間は限られた時間、限られた情報の中でしか、状況を判断することができないので、特に複雑な状況においては、必ずしも最高の決定をするわけではない」ということを意味します。

・サイモンは次のように明快に結論づけています。「世界は複雑な場所であり、それゆえ、どんな人間でも全部を知ることは不可能だ。そのため人間はその一部を切り取って、自分が知りうる情報をもとに、合理的に行動しようとする」
そこで問題となるのは、その情報をどこから、誰から得ているか、ということです。

・和歌山県の高野山を訪れると「企業」がたくさんあるのをご存知でしょうか。パナソニック、日産自動車、キリンビール、UCC上島珈琲、ヤクルトなどが、亡くなった社員などを弔うために墓を建立しているのです。これらの墓は「会社はあなたのことを一生涯、そしてその死後までも忘れずに大切にします」という従業員に対するコミットメントを示していると思います。

・現在、再び禅ブームが起こっていますが、注目を集めているのは禅そのものの思想でなく、マインドフルネスです。マインドフルネスとは、「意図的に、今この瞬間に注意を向けること」。マインドフルネスは宗教性を排除していますから、ワークショップで瞑想している人たちは、マインドフルネスの意味も仏教とのかかわりも学ぶことはありません。

・スティーブ・ジョブズは1974年にインドを訪問したことを機に、ヨガナンダの「あるヨギの自叙伝」を読み、感銘を受けました。そこから禅に傾倒し、曹洞宗の知野(乙川)弘文から禅の教えを学びます。ジョブズは鈴木俊隆とも面会しており、『禅マインド ビキナーズ・マインド』を熱心に読んでいたそうです。この本が伝えているのは、ビギナーズ・マインド、つまり、「初心」の大切さです。鈴木俊隆は「初心者の心には多くの可能性があります。しかし専門家といわれる人の心には、それはほとんどありません」といいます、つまり、初心とは空の心のこと、どんなことでも受け入れる用意がある、どんなことにも開かれている心のことです。自分は専門家だと思ってしまうと、「私はこれこれについて知っている」と満足してしまい、次の学びへの心は閉ざされてしまいます。いかなるときも智慧を求めるのが初心です。

・鈴木俊隆は、いかなるときも初心を忘れてはならないと教えます。初心は日々の行動の一つひとつに意味を与えてくれます。一つひとつの行動はすべて、悟りをもたらします。
いちばん難しいのは、毎日の家事や仕事のルーティンワークなど、同じことを何かもやらなくてはならないときに、初心者の心を持ち続けることです。部屋の掃除一つをとっても、「部屋の掃除をしなくてはならない」ではなく、「部屋を掃除するという修行の機会を与えられた」と考えるのです。

・スティーブ・ジョブズは「旅の過程にこそ価値がある」という格言をよく使っていましたが、これもまた、鈴木俊隆から影響を受けていると思います。鈴木俊隆は講話で「何かを達成することではなく、その過程で努力し続けることが大切なのだ」「肝心なことは旅の過程を楽しむことであり、目的地にたどりつくことではない」と述べています。
スティーブ・ジョブズにとって、禅は会社を経営していく上での指針でした。

・「どこにいても、何をしようとも、この世に生きている間は、今、この瞬間に集中しなさい。そうすれば人生が意味あるものになる」という教えは、私の人生を変えました。(ロブソン教授 ハーバード)

・多和田葉子著「ゴットハルト鉄道」「文字移植」を読みます。
この2つの小説には、文化を超える小説を書く際に必要な要素がたくさんつめこまれています。

・世界の読者を驚かせる『容疑者Xの献身』(東野圭吾著)の結末」
夫による暴力に苦しむ女性とその人を愛する男性を描くことによって、「有罪と無罪」「善と悪」を分けるものは一体何か、自分たちが信じてきた基準は間違っていたのではないか、という大きな問題を問いかけているのです。

感想
米国にいたとき、知り合った家族の高校生が日本のことについて教えて欲しいと頼まれました。
学校の宿題に選んだのは、「アイヌの人々」と「朝鮮人の日本連行」でした。
日本は単一民族だと思われていますが、違う人々もいるということがテーマだったようです。
本を読んでいないと返答できない質問で、学校ではさらりとしか教科書には出てこないことです。
日本は琉球の人々もいます。
日本自身が北方、中国、東南アジアから来た人々が混じっているのですが。

第二次世界大戦中、米国は日本について学びました。
一方、日本は「敵国の言葉を学ぶとは何事か!」と学びませんでした。
『孫子の兵法』に「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」の教えがあります。
中国に近い日本が、それを忘れ米国がそれを実践しました。
レーダーの開発がミッドウェーの戦いを決したと言われています。
レーダーの基礎になったのは、「八木アンテナ」です。
それを発明したのは日本人八木秀次博士です。
日本でもレーダー研究をしていましたが、軍部の上層部がその重要性を理解せず採用しませんでした。
一方、八木アンテナからレーダー開発を行いました。

ハーバード大学の学生に日本のことを様々に教えていることを知りました。
日本人である私が知らないことがたくさんありました。

「ハーバードでいちばん人気の国日本」佐藤智恵著 ”日本を学ぶ”

「ハーバードの人生を変える授業2 -次の2つから生きたい人生を選びなさい-」 タル・ベン・シャハー著

「ハーバードの人生を変える授業」タル・ベン・シャハー著 成瀬まゆみ訳 ”感謝して生きる”

「トラウマ後成長と回復」スティーブン・ジョゼフ著 ”死なない程度の困難は人を強くする ニーチェ”