・誰かの話を聞こうと思うなら、相手に合わせて、「余計」なことを言わずに「適切」な質問をしましょう。これが本質。
・聞く12の小手先
①時間と場所を決めてもらう
「どこで話そうか?」「どれくらいの時間あるといいかな?」と尋ねてみるのが小手先1.
②眉毛にしゃべらせる
話を聞くためには反応がオーバーであったほうがいい。
③正直でいよう
言いにくいことについては、黙っておくのはありです。
④沈黙に強くなろう
沈黙を増やすだけで、あなたは話を聞けるようになります。
⑤返事は遅く
相手の話が終わったら、すぐに何かをしゃべりだすのではなくて、5秒待つ。
⑥7色の相槌
7種類くらい相槌があると、話が聞かれている感じがするらしい。
⑦奥義オウム返し
ただこれ、最後の手段というか、奥義なんて、危険もあります
⑧気持ちと事実をセットに
質問の基本は「詳しく訊く」に尽きます。
⑨「わからない」を使おう
「わからない」と伝えることで、相手を否定してはいけない
⑩傷つけない言葉を考えよう
自分の意見はまた今度でいい。
⑪なにも思い浮かばないときは質問をしよう
ただし、どうしてもこちらが意見を言わなきゃいけないときもあります。相手が意見を求めているときです。
「どうしたらいいと思う? 教えて」そう乞われたら、やっぱりきちんと応答する必要がありますね。それが話を聞く責任というものです。
⑫また会おう
時間が仕事をしてくれる。
・ウィニコットはよい子育ては「ほどよい母親」によってなされると言っています。
・心にとって真の痛みは、世界に誰も自分のことをわかってくれる人がいないことです。
・心は人々の間を回遊してるのが自然で、個人に閉じ込められると病気になる。
ですから、心の治療とは、基本的につながりを回復することです。
・『かがみの孤城』辻村深月著
・一瞬で解決しない
「時間をかける」しかありません。
初歩にして最終奥義は、時間をかけて何回も会うことです。
心の変化は劇的な一瞬ではなく、見守られながら流れる地味な時間の蓄積で起こるものだからです。
・聞いてもらえているから、聞くことができる。「つながりの連鎖」こそが必要です。
・聞いてもらう技術 小手先
日常編
①隣の席に座ろう
②トイレは一緒に
③一緒に帰ろう
④ZOOMで最後まで残ろう
⑤たき火を囲もう
⑥単純作業を一緒にしよう
⑦悪口を言ってみよう
緊急事態編
⑧早めにまわりに言っておこう
⑨ワケありげな顔をしよう
⑩トイレに頻繁に行こう
⑪(人前で)薬を飲み、健康診断の話をしよう
⑫黒いマスクをしてみよう(装いを変える)
⑬遅刻して、締切を破ろう
何より失敗をやらかすこと。
・カント「世間知」
・心理士もまた、プライベートは専門家の防止を脱ぎ、自分の人生をきちんと生きるのが大切だ。
・精神科医の中井久夫が、どういうひとが精神科医になりやすいかについて、自分に精神的な危機があったひとや、まわりに病んだひとがいるひとが多いと書いています。
・ちゃんとひとのケアができるようになるためには、その危機を脱していないといけません。
・物語ったり、物語られたりすることが、日々の心の支えになるのだと思う。
・『「非モテ」からはじめる男性学』西井開著
・民間セクター(専門家じゃない人が行うケア)/専門職セクター/民族セクター(非公認の専門家)
ケアの主役は民間セクター
・スクールカウンセラーの仕事の本質は、クラスや家庭で行われていたケアを再起動させることにあります。
・カウンセラーの仕事は通訳
本人の言葉を翻訳して家族に伝える。
・やさしくされることでしか、人は変われないし、開腹できません。
・『がんばれ』という言葉が、『お大事に』に変わります。
道徳ってね、心と体の調子がいいときに考えるべきことだと思うんです。
・時が経てば経つほど事態が悪化していくときもあれば、時間をかけることで事態が好転していくこともある。
その分岐点は、その時間を他者と共有しているか否かです。
・みんなが心配している。そして、本人もしばしばその心配に頼ることができる。
これが心の回復の核心です。
・第三者には3種類ある
①司法的第三者;「客観性」
②仲裁的第三者:中立性を保つことで、揉めてしまっている当事者たちの間を取り持つのが役割です。
③友人的第三者;当事者たちの横に立っています。
・この本で言いたかったことはシンプルなことです。
①聞く技術
「なにかあった?」と尋ねてみよう。
②聞いてもらう技術
「ちょっと聞いて」と言ってみよう。
感想;
この本を読み『心の絆療法』稲村博著の言われていることを思い出しました。
それとロゴセラピーの「バイザイン」です。
『心の絆療法』では、人と人との絆が心の病を治していくとのことです。
人は人によって傷ついたら悩んだりしますが、結局は人によって癒され治っていくと言われています。
この本はお薦めです。
心の絆療法の要点
1.絶対にあきらめないこと
2.息の長い取り組みを続けること
3.心の絆を中心にすえること
4.段階的に対応すること(その人の状況に応じて)
4.人の輪による支援体制をつくること(支援者の輪、その人の輪)
5.危機と孤独にある人こそ対象にすること
6.電話と面接を併用すること
7.生きる意味を体得させること
治療者に求められるのは生へに畏敬と確信
1.絶対にあきらめないこと
2.息の長い取り組みを続けること
3.心の絆を中心にすえること
4.段階的に対応すること(その人の状況に応じて)
4.人の輪による支援体制をつくること(支援者の輪、その人の輪)
5.危機と孤独にある人こそ対象にすること
6.電話と面接を併用すること
7.生きる意味を体得させること
治療者に求められるのは生へに畏敬と確信
今なら電話とSNSと面接を併用することなのでしょう。
「バイザイン」は”傍らに居る”ことです。
一緒に居る。かける言葉が見つからなければ、手を握っているだけでもよいのです。
一緒に考える。一緒に悩む。
この二つがベースにあって、聞く、聞いてもらうのダイアローグ、心のキャッチボールが上手く働くように思いました。
東畑開人さんは、カウンセラーの人にとって関心の高い人のようです。
東畑さんは現場でカウンセリングでの大切なことを実体験されたようです。
そしていろいろなセラピーを学ばれています。
神田橋條治さんのように実践で実績を上げられているのでしょう。