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七冠達成の井山「ゴールではない」 世界戦へ決意新た "師匠と1千局”

2016-04-21 07:10:00 | 生き方/考え方
http://digital.asahi.com/articles/ASJ4L6V3RJ4LUCVL03Y.html?rm=445 伊藤衆生2016年4月20日

 前人未到の七冠――。井山裕太名人(26)が、圧倒的な強さと驚異的な逆転力で囲碁七大タイトルを独占した。この1年でつくった公式戦24連勝、七大タイトル戦18局負けなしも偉大な記録。国内で無敵といえる域にまで達した第一人者は、「世界一」という目標に向け、決意を新たにした。

 20日午後5時21分。伊田篤史十段(22)が投了し、井山名人の勝利が決まると対局室は報道陣であふれかえった。史上初の七冠を達成した井山名人の表情が変わるたび、質問に口を開くたびに、カメラのシャッターが一斉に切られた。

 七冠への挑戦は囲碁界としては空前の注目度となり、集まった報道陣は30社約120人。記者会見に臨んだ井山名人は「なかなか囲碁という競技でこれだけ注目していただけることはない。囲碁そのものを知っていただく機会にできたら」。熊本などでの地震の被災者への気遣いを見せ、「大変な思いをされている方が多い。素直に七冠を喜べる状況ではないが、少しでもいいニュースとして受け取っていただけたらうれしい」と語った。

 ログイン前の続き「究極の目標」に掲げ、3年前から歩んだ七冠への道。井山名人は「プロになったときや20歳で名人になったときでも考えたことはなかった。六冠になって芽生えた目標。昨日の自分より成長したい、だから目指してきた」と振り返る。

 一昨年末、六冠から四冠にまで後退したとき、「さすがに(七冠は)無理かと思った」。それが昨年夏ごろからは自身でも「棋士人生で一番いい状態」と感じる絶好調の波に乗った。会見で「こういう結果になったのはまだ信じられない」と話した。

 最近の七大タイトル戦の結果が抜きんでた実力を物語る。昨夏の碁聖戦第3、4局を制して防衛を決めてから、名人戦、王座戦、天元戦、棋聖戦と4タイトル連続のストレート勝ち。14日の十段戦第3局では黒星を喫したが、タイトル戦で18局連続の勝利を収め、昨年11月までに公式戦24連勝も記録した。同じ年に六つのタイトル戦に出場した経験のある小林光一名誉名人(63)は「全冠達成はあり得ないと思っていた。いまの井山さんは神がかっている」と驚きを隠さない。

 自由奔放さが、井山流。盤上に「打ちたい手」を打って勝ち続ける。果敢に仕掛けて中盤に優勢を築くこともあれば、じっくり構えて戦うこともある。最近は過激とも評されるほどに攻撃力が増した。際立ったのが、まれに苦戦に陥ったときに見せる逆転力だ。昨秋以降、負けが決定的とみられた局面から、何度も勝負をひっくり返した。

 井山名人は現代が生んだ新しいタイプの棋士といえる。5歳のときにテレビゲームで囲碁を覚え、小学生で師匠の石井邦生九段の指導を受けた。自宅が遠かったこともあり、師弟は電話回線を利用したネット対局を重ねた。対局は1千局に及んだといわれる。小学2年のとき、少年少女囲碁全国大会の小学生の部で優勝(小学生名人)して大きな話題となり、翌年に2連覇をする。このころすでに「世界一」への夢を抱いていたという。

 悲願を達成したいま、国内に次の目標はあるのか。「七冠は最終ゴールではない。将棋の羽生善治名人のように七冠達成から20年経ってもタイトルを持ち続けるのが理想。ただ先の長い話なので、結局は目の前のことを精いっぱいやっていくことに尽きます」

 三大タイトル(名人、棋聖、本因坊)の独占や通算七冠制覇を初めて達成した棋士、趙治勲二十五世本因坊(59)は「圧倒的な強さの井山さんが七冠を達成したのは当然。次はもう世界戦しかない」という。

 日本は現在、中国や韓国に世界戦優勝の実績で大きく後れをとっている。海外には、3月の人工知能との対戦で脚光を浴びた韓国の李セドル九段(33)や、世界ナンバーワンといわれる中国の柯潔九段(18)ら、強豪がひしめいている。

 タイトル防衛戦に追われる井山名人が世界戦に出る機会は限られるが、日本の頂点を極めた第一人者は、「いい状態と思えるときに思う存分、世界で戦いたい。少ないチャンスの中ですが、もっと結果を残したい」と意気込む。

 そして再び「究極」という言葉を口にした。

 「究極は、この世界で一番になることですから」

 それは、小学生の頃に抱いた夢、そのものだ。(伊藤衆生)

■将棋の羽生名人「安定感、持って生まれたもの」

 ここ数年、ずっと七冠をめざす状況の中、気力、体力、精神力を維持し続けての偉業達成に心から敬意を表します。充実ぶりを見ていて、達成しても不思議はないと思っていましたが、実際になられて、非常に大変なことだと感じます。

 私が将棋の七冠になったのは1996年。対局が終わった直後はあまり実感がなかったのですが、一つの大きな目標を達成できたという意味でほっとしましたし、反響の大きさもひしひしと感じました。

 井山さんは、ひとが思いつかないような手を打てる棋士。その独創的なところと結果とを両立させるのはほんとに難しいのですが、それができるのはすごい。ちょっとこういう手(趣向を凝らした手など)をやってみたくなる、っていう感覚は私と似たところがあるかなとは思っています。

 井山さんとは20歳のころから対談などでいろんな話をしています。いつ見ても精神的にぶれない、メンタルが安定しているなと感じます。年数を積んで、というのではなく、あの若さであの安定感は信じられない。私が七冠になったときでも日によってコンディションは違っていて、一方的に負けてしまった対局もある。でも井山さんは(第2局まで)ずっと連勝を続けていた。持って生まれたものがあるのではないかと見ています。

 囲碁の大きな歴史が現在進行形でつくられている姿を、同じ棋士として誇りに思います。

感想
才能はチャレンジした結果なのでしょう。
師匠と1千局。1局には1~2時間はかかります。
他にも対局してきたので、数万時間以上を囲碁に費やされたのではないかと思います。

どれだけ人生の大切な時間をそのことに費やすことができるか。
できないことは、時間をかけてこなかったからのように思います。

その人がどんな人かを知るには、その人が大切な時間とお金を何に費やしているかを見るとわかると言います。