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「卑しい魂胆しか見えない」大阪・吉村知事「0歳児に選挙権」提案 透けてみえる「家父長男尊女卑」に猛批判 ”民主主義を理解していない、維新、吉村府知事に政治を任せて大丈夫でしょうか?”

2024-04-26 18:14:44 | 社会

 4月25日、大阪府の吉村洋文知事が、記者会見で、人口減少への抜本対策として「0歳児からの選挙権」導入を訴えた。  前日の24日、有識者でつくる「人口戦略会議」が公表した分析結果では、全国で744の自治体が「消滅可能性自治体」とされ、そのなかに大阪府内の12自治体が含まれていた。  
 吉村知事はこの点を問われ、「もっと次の世代のことを考えた政治をやるべきだ。いまの自公政権は、それをやっていない」と指摘。個人の考えとして、こう持論を展開した。 「0歳から選挙権を持ってもらうべきだ。そうすると、若い世代に政治家が向くことになる。親・保護者が代理で選挙権を行使する。僕は子どもが3人だから、4票の影響力がある。少子化の問題を抜本的に解決するなら『0歳児選挙権』だと思う」

 吉村知事は「0歳児選挙権」について、自身が共同代表を務める日本維新の会のマニフェストにも加えるよう提案していくという。  この提案に、維新の会の音喜多駿政調会長は同日、自身のXでこう反応した。 《維新はすでに0歳児投票権こと「ドメイン方式」の導入検討まで踏み込んでいる唯一の政党ですが、さらにはっきりとした形でのマニフェスト掲載まで検討していきます。》  
 だが、吉村知事が「0歳児選挙権」を提案したことに、タレントのフィフィは同日、自身のXでこう疑問の声をあげた。 《それって、子供が選んで投票するのと違うじゃん。むしろ親の思想を押し付ける事にもなりかねない。》  
 吉村知事が「0歳児選挙権」を導入し、「親が選挙権を代理で行使する」と述べたことに、SNSでは批判的な声が殺到している。 
《いろいろ突っ込みどころ満載なんだけど一番嫌なとこは【0歳から成人までは投票権を親が「代理行使」することを想定】だわな。これ子どもの自由な意思決定を阻害してる。子どもは親の所有物じゃ無い。子どもの人権という意識ゼロ いかにも維新。この人『弁護士』なん?》 
《どこまでも自分達に都合の良い組織票大増計画なん 親を使って代理投票って…卑しい魂胆しか見えない》 
《これって「俺が自分の子どもの票を使って多数票を投じる」と宣言してるのと同じだよね。要するに「思考能力のない年齢の子どもの票」を使って「選挙の不正がしたい」と述べてる訳で》  
 吉村知事が、「僕は子どもが3人だから、4票の影響力がある」と述べたことにも、ツッコむ声がSNSで上がっている。 
《こういう時にしれっと自然体で女親側の権利が無視されるところに日頃の考えが透けて出てくるよな。吉村知事は4票分で奥さんは1票分なの?》 
《妻に子の票一切渡さんナチュラルな家父長男尊女卑 政治が若い人に向くといいつつ成人するまで親が投票代行の矛盾 マニフェストにご提案、どうぞどうぞ。益々維新が憲法音痴行政音痴と分かりやすくなって、むしろ親切》 
《え、妻の影響力ゼロなん?で、子が多い父の意見が最も反映される政治にするってことでしょ?しかも共同親権なら離婚後の子どもの投票先に別居親の許可が必要??家父長制を一気に引き戻したいこと、もう隠す気がない…》  

 立憲民主党の米山隆一衆院議員も同日、自身のXにこう書き込んだ。 
《これ何の気なく選挙権は「保護者などが代理で行使」としていますが、少なくとも婚姻中は保護者は二人おり、意見が一致するとは限らないというか、一致させる為の話し合いを強制したら「投票の秘密(憲15(3))」を犯す事になります。兎も角思い付きで凡そ現実味がありません》  
 吉村知事をめぐっては、府内に滞在する訪日外国人観光客を対象に、オーバーツーリズム対策として、新たな「徴収金」制度の導入を提案するも、専門家からは慎重な意見が相次いでいる。知事なのだから、もっと現実的な提案をしてはどうか……。

感想
 ここまで考え方がおかしいと思いませんでした。
民主主義とは子どもを多く持っている人の意見が反映されるのでしょうか?
吉村府知事をもう相手にせずに、吉村府知事を選んでいる大阪府民の問題でしょうね。
 大阪府民のレベルが低すぎるというか、もっと考えていただきたいです。
大阪万博は大きな赤字が目に見えています。
そしてカジノで貧困と犯罪を増やします。
それが大阪府民が子どもたちに残したい大阪ですか。

追記1;准看護師のできること /誤投薬で乳児が10日間入院 取り違えた准看護師、報告せず 滋賀 ”近江八幡大丈夫? スーパーと警察、そして病院”

2024-04-26 10:36:18 | 社会
追記1;
https://recruit.nurse-senka.com/html/content/article/504
准看護師の資格で「できること」「できないこと」
 准看護師ができることとして業務の範囲や勤務先に関して正看護師との差はありません。
 しかし、基本的に准看護師は『保助看法第6条』で「医師・歯科医師又は看護師の指示のもとで、傷病者若しくは褥婦に対する療養上の世話又は診療の補助を行う」とされています。看護師は自らの判断により看護を提供できますが、准看護師は自らの判断による看護業務はできないという違いがあります。
 そのため求人状況においては、病院の看護師の有効求人数が約8万人なのに対し、准看護師の有効求人数は約4,000人。診療所においては看護師約1.8万人なのに対し、約2,500人。介護・福祉関係(介護老人保健施設、デイサービスなど)は看護師約3.1万人に対して約5,000人の有効求人数となっています。
 保健師や助産師の資格取得や、スキルアップとして専門看護師や認定看護師の取得は准看護師資格だけではできません。看護師養成課程修了と看護師国家試験合格が必須となります。
 准看護師は医師又は看護師の指示のもとで行うとなっています。
間違えた時点で指示を仰がないといけません。
 病院において、准看護師を看護師と同じように働かせていた可能性もあります。
また、准看護師を看護師への支援などが弱かった可能性もあります。
 問題起こした准看護師だけでなく、院長や理事長の病院経営や指導にも問題があったと思いますが、どうでしょうか?

既述;
 滋賀県の近江八幡市立総合医療センター(同市土田町)は25日、女性准看護師(50歳代)の誤投薬で乳児が10日間入院する医療事故があったと発表した。 
 センターによると、3月11日午前、同市内の乳児が聴力障害の有無を調べるため耳鼻咽喉(いんこう)科に来院。脳反応検査にあたって鎮静剤の「トリクロリールシロップ」を飲む予定だった。  
 しかし、准看護師が同科内の冷蔵庫にあった「80%トリクロロ酢酸液」を誤って飲ませた。乳児が嘔吐(おうと)したので、小児科に同シロップを取りに行って飲ませた。乳児は帰宅後も不調で同日夕方、センター救急外来を受診。一旦帰宅したが、12日も口の荒れが目立ったため、再度受診しそのまま入院した。口腔(こうくう)内と下あご皮膚に炎症が起き、21日まで入院治療した。  
 同酢酸液は強酸性でできものなどを取り除くために使う。准看護師は「トリクロ」が共通する薬を取り違えて投与したという。また13日までこの事故についてセンター側に報告していなかった。  
 センターの白山武司院長は「考えられない薬の取り違えで深くおわびする。また医療ミス後すぐ対応する必要もあった。原因を徹底究明し再発防止に努める」と述べた。【伊藤信司】 



感想
 こういう問題を起こす病院は、他でも問題を起こしているように思ってしまいます。
明らかに名前も違うし、見た目も違います。
また、トリクロロ酢酸は劇物です。
個体を溶解させて80%濃度にしたのでしょう。
きちんと”劇物”との赤字での表記をしていれば防げたかもしれません。
小分けした場合の表示ができていません。
これは小分けした時の病院のルールに問題があるのではないでしょうか。
また危険なものとシロップを同じ場所に置いている、病院の管理にも問題があります。
耳鼻咽喉科ではトリクロロ酢酸をアレルギー対応で塗布するものですが、飲ませるものではありません。
個人の責任にするような病院の院長にも問題があるように思いました。

 近江八幡市のスーパーの泥売棒扱い、近江八幡市警察の82時間拘束、近江八幡市の平和堂は競合相手の不適切な対応に”いいね”を押すレベルの低さ、そしてあり得ない誤投与の病院。
 なんか近江八幡市は大丈夫かな?と思ってしまいます。
近江商人が泣いているでしょう。

「学び直し高校物理 挫折者のための超入門 物理に挫折したあなたに」田口 善弘著 ”想像したより高度でした”

2024-04-26 08:35:35 | 本の紹介
https://honto.jp/netstore/pd-book_33117623.html#productInfomation 学び直し高校物理 挫折者のための超入門 物理に挫折したあなたに 田口 善弘著 Honto

この本は、高校物理の挫折者や、履修はしなかったが、あらためて学び直したいという初学者を想定して書かれたものだ。
基本コンセプトは天下りにしない、ということに尽きる。高校の物理の教科書はややもすると「世界はこうなってる」という法則や公式が「どん!」と与えられて「信じる者は救われる」とばかりに話が進んでいく。疑問を提示すると「じゃあ、実験で実際にそうなっていることを確認しなさい」といなされてしまう。しかし、実際に実験で確認できたからといって納得感があるかというとそれは別問題だろう(実際のところ、高校物理の教科書の立て付けでは実験をすることが推奨されているが、現実は教育の現場で実験が多用されることは稀である)。(中略)
「こうなりました。昔の人が考えた結果です!」じゃなく、「改めて一から考えたら今の公式や法則って自然な考え方ですよね」と納得できたら、物理に対する苦手意識が払拭できるのではないだろうか。
「なぜそのように考えるか?」の「理由」を説明することができれば、よいレシピを学ぶことで自作の料理を考案できるように、目の前の現実に対して「自分で考えて答えを出す」ことができるようになるかもしれない(中略)。
教科書というよりは楽しんで読めるように、たとえ話や歴史的なエピソードを交えて、随分とかみ砕いて解説した。高校物理の教科書にお馴染みの数式や無味乾燥な記述も極力控えた。
本書が想定しているのは、高校物理の挫折者や物理に対する憧憬を捨てきれない文系物理ファン、そして高校物理の無味乾燥で天下り的な記述に違和感を覚えている読者である。数式や計算式などをがっつり盛り込んだ本格的な高校物理の解説書を期待される方には、「思っていたのと違う」となってしまうので、別の成書をご覧になることをお勧めしたい。
  • 第1部 力学編
    Chapter 1 物理は質量がすべて(質量とはなにか)
    Chapter 2 曲がっていても実は真っすぐ(等速直線運動)
    Chapter 3 兵器とは切っても切れない力学(斜方投射)
    Chapter 4 飛行機はなぜ飛ぶのか?(揚力)
    Chapter 5 トラックと乗用車が衝突すると、なぜ大事故になるのか?(運動量保存則)
    Chapter 6 隕石はなぜ爆発するのか?(エネルギー保存則)
    Chapter 7 実はよくわかっていない摩擦のしくみ (摩擦力)
    幕間劇 力学と電磁気学のあいだ(重力と静電気力)

    第2部 電磁気学編
    Chapter 8 「電流の向き」間違えちゃいました! (電荷と電流)
    Chapter 9 点電荷の間の静電気力(クーロンの法則)
    Chapter 10 ブラウン管で知る「電場」の謎(電場)
    Chapter 11 エジソンと白熱電球(電流・電圧・電力)
    Chapter 12 電気回路に不可欠の電子部品「コンデンサー」の 謎を解く(電気容量)
    Chapter 13 知名度は低いけど、身近に存在する電磁気学的な力(ローレンツ力)
    Chapter 14 テスラとエジソン 電流戦争の死闘 (直流と交流)
    幕間劇 電磁気学と熱力学のあいだ

    第3部 熱力学編
    Chapter 15 雲はなぜできるのか(熱力学第二法則ほか)
    Chapter 16 深海魚はなぜ水圧に押しつぶされないのか? (圧力)
    Chapter 17 いまとなってはトンデモ仮説 熱素説を科学者が信じたのはなぜ?(熱力学の第一法則)
    Chapter 18 マクスウェルの悪魔はいなかった (熱力学の第二法則)
    Chapter 19 「モーターにはまだ負けません!」熱機関が現役でいられる理由(熱機関)
    Chapter 20 冷蔵庫はなぜ冷えるのか?(冷却)

    第4部 波動編
    Chapter 21 なぜ、人は音を見ることができないのか? (光の直進性)
    Chapter 22 宇宙と野球とドップラー効果の意外な接点 (ドップラー効果)
    Chapter 23 アルゴリズム体操から学ぶ屈折のふしぎ

    第5部 原始・分子編
    Chapter 24 なんとも不条理な「不確定性原理」
    Chapter 25 この世の物質は「波」である! 
感想
 想像していたよりも高度でした。
でも物理のことを知ることができました。
 今の生活の多くのことが物理の基礎があり、そしてそれを研究したり、応用してきた科学者のお蔭で今の便利な生活があるのです。

 エジソンは、電気を送るのに”直流”に固執してしまったために自分の起こした会社GEを追放されました。元々はエジソンGEだったのですが、エジソンの名前も削除されてしまいました。
 今の”交流”を研究開発したのがニコラ テスラ(エジソンとテスラの競争)でした。自動車のテスラと同じです。
自動車の会社テスラの名前は、この科学者の名前を採用したそうです。
 テスラはエジソンの下で仕事をしていましたが、直流と交流で意見が合わず、飛び出しました。エジソンと対立会社だった、ウェスティングハウス社が彼を採用して、”交流”での電力事業を進め成功しました。
 エジソンが自分の考えに拘らずに、テスラを活用していたら、エジソンはさらに偉大な科学者であり実業家になっていました。

 本田宗一郎が2サイクルに固執し、若手研究者と対立しました。
その時副社長だった藤沢武夫が本田を説得して4サイクルエンジンに方針を切り替えました。これが無かったら、あるいは判断が遅かったら、今のホンダはなかったと思われます。
 エジソンには藤沢武夫のような人がいなかったようです。

わかりやすい例えを使って説明されていました。

事故の背景、JR西の「日勤教育」 乗務員を萎縮させた悪習はいま ”トップの間違った考えが引き起こした事故の典型”

2024-04-25 17:02:02 | 社会

約20年前の日勤教育で連日書かされた感想文(画像の一部を加工しています)
 乗客106人と運転士が死亡したJR福知山線の脱線事故から25日で19年となった。事故の背景には「日勤教育」と呼ばれるJR西日本の乗務員に対する懲罰的な研修があったとされ、ミスを責め立てる企業体質が厳しく問われた。あれから20年近く。かの悪習はどう変わったのか。 

てんまつ書や反省文、リポートの作成――。
 2007年に国の航空・鉄道事故調査委員会(現運輸安全委員会)が公表した最終報告書で明らかにされた日勤教育の内容だ。  研修はオーバーランや遅刻など乗務時にミスがあった運転士らに対する再教育として実施されていた。通常の乗務から外され、日勤で従事させられることが名前の由来となっている。  上司から厳しい叱責を受けながら文書作成などの単純作業を何日間も課されるなど、社内ではミスをした社員への見せしめとして恐れられていた。  事故調は死亡した運転士(当時23歳)のブレーキ操作の遅れが事故原因と推定した。直前にオーバーランをした運転士が日勤教育を受けさせられることを心配し、言い訳などを考えているうちに注意がそれていたとされている。運転士は過去に3度、日勤教育を受けており、報告書は「厳しい日勤教育や懲戒処分を行う運転士の管理方法が関与した可能性が考えられる」と組織の体質を問題視した。  

 遺族とJR西などが参加し、事故原因や背景を議論した会議が事故から約9年後にまとめた報告書は、再発防止を優先して社員を罰しないよう企業風土の改善を求めた。これをきっかけにJR西は日勤教育の見直しに着手。16年から遅延や速度超過などのミスが起きても処分しない「非懲戒」制度を導入した。  
 研修もシミュレーターを活用するなど実践的な内容に転換した。風通しの良い職場とするため、上司への管理者教育や経営陣とのミーティングなどの取り組みも始めた。  
 JR西の最大労組・西日本旅客鉄道労働組合(約2万2000人)が22年に実施した職場向けのアンケート調査では、8割超が「ミスを報告しやすい環境になっている」と回答した。  一方、人為ミスの低減に向けた体調管理など会社側の支援については、4割超が「あまり充実していない」「充実していない」と答えた。事故のリスクを軽減させるハード面の対策についても、約3割が「実施されていない」「実施に至っていないことが多い」と回答するなど、安全対策は道半ばだ。  JR西は「引き続き安全の営みや取り組みを確認し、安全マネジメントに関する課題の解決を図る」としている。【井手千夏】




感想
 当時社長だった井手正敬氏の”懲罰的な経営”が事故を引き起こしたと思います。
日勤教育とは名ばかりで、痛み付ける場でした。夏であれば暑い中草むしりをさせ、そして毎日反省文を書かせていました。

 この記事を書いた記者が井手千夏氏、当時の社長が井手正敬氏、同じ井手なのも奇遇です。

上野千鶴子さんと信田さよ子さんが講演と対談 女性の貧乏やDV被害は自己責任? ”女性に優しくない日本社会”

2024-04-24 17:44:24 | 社会

 ドメスティックバイオレンス(DV)や賃金格差、親の介護と子育てなど、女性をとりまく困難の社会的背景や問題点は何か。社会学者の上野千鶴子さんと公認心理師の信田さよ子さんによる講演と対談が3月、熊本市で開かれた。NPO法人「ウィメンズ・カウンセリングルーム熊本」と熊本市男女共同参画センターが主催し、約400人が耳を傾けた。内容を詳報する。(本田彩子) 

政治によって作り上げられた人災【上野千鶴子さん講演】

 こんにちは。“生”上野千鶴子でこざいます。信田さよ子さんの前座を務めさせていただきます。  女性の地位の話をすると話が暗くなります。日本の女性は本当に働き者です。15~64歳の女性の就業率(2022年)は72・4%。なのに貧乏で地位が低い。なぜ? 半分以上が非正規雇用だから。非正規雇用は男女合わせて約4割。全体の約7割が女性です。  

■新たな性別役割分業  
 今や共働き家庭が圧倒的多数になりました。理由は男の給料が減ったから。でも、稼ぎ主は父ちゃん。妻は補助収入のために低賃金で仕事に出る。男は仕事で、女は家事、育児、介護に加えて仕事。家の内外の超長時間労働で家庭を支える「新・性別役割分業」です。  こんな社会に誰がした? 政治です。1985年には男女雇用機会均等法と労働者派遣法ができ、雪崩を打つように雇用の規制緩和が進みました。(市場による自由競争を重視する新自由主義)ネオリベラリズム改革です。ふーん、と思うのはね、ジェンダー平等法制の整備と雇用の規制緩和って、手に手を取り合って進んできたんです。その心は何か。「女に都合良く働いてもらいたい」。そんな政権の意図がみえます。  

■「BB(貧乏ばあさん)問題」  
 これまで女性が働くことを許さなかったのは、夫1人じゃない。時代遅れの税制・社会保障制度が女性に働くことを制限し、家計補助にとどめた。一つは61年の配偶者控除。これは「内助の功」への御褒美です。続いて85年の第3号被保険者制度。保険料を払わなくても主婦が基礎年金をもらえる。老人介護へのわずかな御褒美ですね。そして87年の配偶者特別控除です。  で、何が起きたか。私が敬愛する樋口恵子お姉さまが言う「BB=貧乏ばあさん」問題です。女は働いても低賃金で低年金、ずーっと死ぬまで貧乏ですよ。  均等法ができた85年とは-研究者の総括はこうです。「女性の分断元年」「女性の貧困元年」「女女格差元年」。働く女性は男並みに働け。それができない女性は二流の労働力に甘んじてもらう。育児と介護を頑張った女性には御褒美を、というわけです。  

■「自己責任」にするな  
 改革の成果は日本のみならず、全世界で女性の長時間労働を進めました。その標語が「自己決定・自己責任」です。貧乏になったのは本人が努力しなかったからだと。驚くことに、この考えに多数が共感しているというデータもあります。  女性が困難に陥るのは自己責任でしょうか。いいえ、政治によって作り上げられた人災です。貧困やDVで女性が心身を病んでいても、心身の治療だけでは癒やせません。
 私は言いたい。心の問題ではないことを心の問題にするな! 必要なのは個人の処方箋ではない。社会的処方箋です。  
 最近、女子高校生に今日と同じ話をしたら、こう言われました。「これからの社会は真っ暗だと分かりました」。誰のせいや。あんたらと私のせいや。「ごめんなさい」と言うしかない。こんなことは私たちの世代で終わりにしたい。私たちがノーを言わずに被害者であり続けることで、次の誰かの加害者になりうる。傍観者にならず、責任を果たしてほしい。それが千鶴子の願いです。
◆うえの・ちづこ 
1948年、富山県生まれ。東大名誉教授、認定NPO法人ウィメンズアクションネットワーク(WAN)理事長。女性学・ジェンダー研究の第一人者。

家族間の暴力は全部つながっている【信田さよ子さん講演】

 日本広しと言えど、上野千鶴子を前座にできるのは私ぐらいです。DVについて話したいと思います。  がん患者は治療体験を「キャンサー・ジャーニー(がんの旅)」と呼びます。DV被害者も同じ。回復までのプロセスが長いんです。各駅停車で途中下車をくり返し、一度戻ったと思ったら列車が故障する。「ビクティム・ジャーニー(被害者の旅)」なんです。  

■「暴力を暴力として」  
 私は約20年前、内閣府DV加害者プログラムのワーキングチームの一員としてカナダのDV対策を学び、日本式の加害者プログラムを作りました。日本でどれだけのことができるだろうと思ったけれど、現在まで何もできていない。DV防止法で精神的DVが暴力だと認められるようになったくらい。加害者を逮捕することすらできないし、加害者プログラムに参加させる強制力もない。暴力を暴力として、適正な法的対処をしてほしい。私はずっとそう訴え続けています。  

■当事者の認識乏しく  
 DVは加害者も被害者も、自己認識をするのが難しい。加害者は自分が被害者だと思い込んでいて、「俺を怒らせるな」と妻に言う。被害者である妻も、「自分が悪いから夫が暴力を振るう」と思う人が多くいる。夫の行為をDVと言えない女性にとって、被害を認めることは、ある意味“敗北”。DV夫を選んだのは自分だから、その選択を責任逃れするずるい行為だと思えてしまうんです。  2001年にDV防止法ができた当時、こうした被害者意識の錯綜(さくそう)が考慮されなかった。各地の婦人相談所では、殴られていたらDV被害者だと認め、シェルターへの入所、生活保護へとつなぐマニュアル対応が行われました。もちろん、一部の被害者にとっては迅速な介入なんだけど、殴る蹴るといったDVは氷山の一角。その下に性的DVや精神的DVが地層のように連なる。自分が被害者だと思えない人にとっては不十分な対応でした。  DVの本体は何か。「恐怖」だと思う。その恐怖は恐怖としてではなく、「緊張」として感じられる。夫が帰る時間が近づくと緊張が走る。食事の準備ができていないと夫は無言になり、時に怒鳴り、子どもにあたる。妻はその地雷を踏まないようにする-。この緊張こそ、DVです。  

■包括的な支援が必要  
 家族の間で起きる暴力はたった一つ、ということはほとんどありません。DVが起きた時、必ず面前DVの問題が起きます。  実はDV加害者も多くが幼少期、親のDVを目撃している。最近の加害者プログラムでは、過去に被害を受けたことで次なる暴力の加害者になったことを本人に自覚させる、というやり方が広がっています。  他にもきょうだい間虐待、これは兄から妹への性虐待などですが、これも両親間にDVがあることが当然の前提。母から子への虐待も同じ。子どもの問題は子どもの問題だとして見過ごされがちですが、実際は家族間の暴力は全部がつながっているんです。私の考える包括的支援とは、DVと子どもの虐待とを一緒に考え、被害者・加害者支援の連携をとること。これらがバラバラだと、しわ寄せは必ず子どもにいきます。 
◆のぶた・さよこ 
1946年岐阜県生まれ。公認心理師・臨床心理士。原宿カウンセリングセンター(東京)顧問。日本公認心理師協会会長。日本におけるアダルトチルドレン、DV、母娘問題の第一人者。

上野さんと信田さん・質疑応答の主な内容
 ―「自己決定・自己責任」の考え方を打破するには。  
上野 (置かれている困難な状況が)「私のせいではない」ということを知ること。周りの状況やデータにも目を向ければ世の中のしくみが見えてくる。男性が威張るのも男性自身の能力ではなく、社会構造の問題だと分かります。本を読み、学んでください。  
信田 DVも同じですね。まずは自分は悪くないことを知る。DVは加害者の問題。虐待も親が子どもに「あんたがすべて悪い」と思い込ませる。家族の中で起きていることは、国が国民に対してやっていることの相似形なんですよ。  
上野 その通り。大きな違いが一つあります。子どもは親を選べないが、国民は政府を選べます。  ―インターネット上で「DV」と検索すると、「被害者の心のあり方を変える法則」などが出てくる。  
信田 そんなサイトは見ないで。DVの被害者に一切責任はない。よく被害者は自己肯定感が低いと言われるけれど、関係ないと私は考えます。自分の人生を考えてほしい。  
―共同親権の導入に危機感を感じる。  
信田 私は共同親権の導入に反対の立場です。DVがある事例は除外するというが、DVと認識されないものもあるからです。  今回は女性の問題として取り上げたが、DVの被害者には男性もいる。(精神的に)不安定な妻が家族の中で権力者となり、妻に殴られてあざをつくる夫もいるんです。でも男性にはDV被害の相談先が少ない。そうした現状があることも認めなければならない。



感想
 このお二人を呼び、講演して、対談してもらう。
なかなかできないことです。
 DVは暴力だけでないこと、それは社会が生み出していることがよく分かりました。
ちょうど、信田さよ子さんの本を2冊読んだ後だったので、なおさらよく分かりました。
 女性にDVして何が楽しいのでしょう。
それで社会のうっぷんが晴れるのでしょうか。
政治にもっとうっぷんを出すことだと思います。
 女性を緊張状態にして何が楽しいのでしょう。
女性が楽しく居られることこと、男性にとっても楽しいのです。