平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

相棒 「亡霊」

2011年03月10日 | 推理・サスペンスドラマ
 公安という権力と闘う男たち。
 右京(水谷豊)は、「人の命を奪うという犯罪を正当化しうる立場など、どこにもありはしません」という信念のもと、闘う。
 今は亡き小野田(岸部一徳)は、「私の目の黒いうちは誰ひとり殺させやしない」と言って、赤いカナリアの元幹部・本多篤人(古谷一行)を守ろうとする。
 信念で権力と闘う男たちはカッコイイ。

 そんな中、僕が「いいな」と思うのは、伊丹(川原和久)のスタンスだ。
 触われば殺されるかもしれない公安という権力。
 しかし、真実は明らかにしたい。
 そこで伊丹は右京に情報を漏らして、本多を拘置所から奪還させる。
 「俺はまだ死にたくないんでね」と捨てぜりふを残して。
 そして、右京たちが本多を連れ出したことがわかると、ガッツポーズ。
 以前のエピソード「監察対象 杉下右京」で、「俺は事件解決のためならどんなものでも利用する」と語った伊丹だが、今回も見事に右京を活用している。
 そして、<死にたくない>伊丹は、自分なりの方法で、権力と闘っている。
 僕はこの伊丹のスタンスが好きだ。
 信念に基づいてまっすぐに突き進む右京の姿は立派だが、伊丹のような変化球も味がある。

 考えてみると、右京以外の人間は結構ズルく、したたかに立ち回って、自分の理想を実現しようとしていますね。
 小野田がそうだったし、今回の議員・片山雛子(木村佳乃)もそうだ。
 のし上がっていく人間というのは、こういう人間なのだろう。
 一方、右京は潔癖だ。
 今回のラスト、入国管理官と偽って本多を連れ去ったことに対し、自分は罰せられるべきだと右京は言う。
 それに対し、神戸(及川光博)は「今回は大河内管理官の温情に甘えましょうよ」と言ってなだめる。
 この右京のストレートさ。青臭さ。
 これゆえに右京は警察という組織からはみ出しているのだが、小野田といい、伊丹といい、右京をうまく利用していますね。
 右京も利用されていることを知りつつ、それを事件解決の手段として活用している。
 右京が振りまわされないのは、信念がしっかりしているからだ。


コメント (2)
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