★様々な距離感
美知留(長澤まさみ)、宗佑(錦戸亮)、瑠可(上野樹里)。
彼らの気持ちの表現の仕方、他人との距離の取り方は様々だ。
・美知留は「好きになってもいい?」
「好きです」ではなく「好きになってもいい?」。
タケルへの気持ちを決めかねているからこういう表現になるのだろうが、間接的で遠慮がちな言い方。
また同時にタケルに拒絶されることも怖れている。
美知留らしい。
・宗佑は「好きだ」「愛してる」の大合唱。
あの手紙の量で宗佑の異常さを表現しているのだろうが、彼の気持ちの表現はストレートだ。
相手との距離もメチャクチャ近い。
宗佑の理想は『相手とひとつになること』らしいが、彼の愛は相手の人格をのみ込む愛。
エリ(水川あさみ)の言葉を借りれば「絶対の愛」。相手とひとつになれば確かに永遠不滅の「絶対の愛」になるのだが、それは重すぎる。
この作品は『他人との距離』の物語だと以前に書いたことがあったが、他の4人が距離を遠くとるのに大して宗佑は逆。
彼は近すぎる距離でしか人を愛せないのだ。
・瑠可の愛は「自分の気持ちを抑えて身を引けること」
美知留への気持ちがそう。
同時に自分の気持ちがどうにもならないのを知っていて美知留やまわりを傷つけることを言ってしまう。
理性で「愛は自分の気持ちを抑えて身を引けること」とわかっていても感情レベルでは違うのだ。
★居場所探し
この物語は『自分の居場所探し』の物語でもある。
美知留は居場所を求めて母の家、宗佑の家、そしてシェアハウスに流れてきた。
現在のシェアハウスにも違和感がある様だ。
瑠可も自分の居場所を探している。
シェアハウスでの生活は居心地がよさそうだったが、心の奥底では満たされていない。
本当の自分を隠しているからだ。
瑠可は本当の自分が明らかになってまわりから拒絶されることを怖れている。
だから落ち着けない。
今回のラストは瑠可が居場所を見つけた瞬間だった。
タケル(瑛太)は瑠可の本当の姿を知りながら言う。
「それでも瑠可のことが好きだ。僕は君を支えたい」
タケルは「ありのままの自分」を受け入れてくれた。
「ありのままの自分」を受け入れてくれる場所、それが自分の居場所なのだ。
★人の孤独
それにしても人はどうしてこの様に孤独なのだろう。
美知留も宗佑も瑠可もタケルも人を求めて満たされないでいる。
自分という枠にとらわれ、ある者は言葉を発することができず、ある者は過剰な愛を期待する。
そしてすれ違っていく。
作品中、登場人物たちのモノローグがよく使われるがそれは常に問いかけ。
「瑠可、わたしはあなたのことを理解していなかったんだね?」と美知留が問いかけても瑠可は答えない。
この問いかけのモノローグこそが孤独を表現している。
※追記
予告編を見る限りだが、ラストまでの展開はこうなるのかな?
タケルを傷つける宗佑。
瑠可はタケルと美知留のために宗佑と対決。
いくつかの死。
しかしこの結末では単純すぎる。
宗佑がタケルを傷つける理由が「美知留がタケルのことを好きだから」ということであれば、すべてのきっかけは美知留の無責任な発言になってしまう。
現在の美知留はもっと苦しんでいなければならないだろう。
また宗佑も単なるモンスターでなく何らかの形で救われなくてはならない。
どう破綻なく物語を終わらせるか、作者の腕の見せ所である。
美知留(長澤まさみ)、宗佑(錦戸亮)、瑠可(上野樹里)。
彼らの気持ちの表現の仕方、他人との距離の取り方は様々だ。
・美知留は「好きになってもいい?」
「好きです」ではなく「好きになってもいい?」。
タケルへの気持ちを決めかねているからこういう表現になるのだろうが、間接的で遠慮がちな言い方。
また同時にタケルに拒絶されることも怖れている。
美知留らしい。
・宗佑は「好きだ」「愛してる」の大合唱。
あの手紙の量で宗佑の異常さを表現しているのだろうが、彼の気持ちの表現はストレートだ。
相手との距離もメチャクチャ近い。
宗佑の理想は『相手とひとつになること』らしいが、彼の愛は相手の人格をのみ込む愛。
エリ(水川あさみ)の言葉を借りれば「絶対の愛」。相手とひとつになれば確かに永遠不滅の「絶対の愛」になるのだが、それは重すぎる。
この作品は『他人との距離』の物語だと以前に書いたことがあったが、他の4人が距離を遠くとるのに大して宗佑は逆。
彼は近すぎる距離でしか人を愛せないのだ。
・瑠可の愛は「自分の気持ちを抑えて身を引けること」
美知留への気持ちがそう。
同時に自分の気持ちがどうにもならないのを知っていて美知留やまわりを傷つけることを言ってしまう。
理性で「愛は自分の気持ちを抑えて身を引けること」とわかっていても感情レベルでは違うのだ。
★居場所探し
この物語は『自分の居場所探し』の物語でもある。
美知留は居場所を求めて母の家、宗佑の家、そしてシェアハウスに流れてきた。
現在のシェアハウスにも違和感がある様だ。
瑠可も自分の居場所を探している。
シェアハウスでの生活は居心地がよさそうだったが、心の奥底では満たされていない。
本当の自分を隠しているからだ。
瑠可は本当の自分が明らかになってまわりから拒絶されることを怖れている。
だから落ち着けない。
今回のラストは瑠可が居場所を見つけた瞬間だった。
タケル(瑛太)は瑠可の本当の姿を知りながら言う。
「それでも瑠可のことが好きだ。僕は君を支えたい」
タケルは「ありのままの自分」を受け入れてくれた。
「ありのままの自分」を受け入れてくれる場所、それが自分の居場所なのだ。
★人の孤独
それにしても人はどうしてこの様に孤独なのだろう。
美知留も宗佑も瑠可もタケルも人を求めて満たされないでいる。
自分という枠にとらわれ、ある者は言葉を発することができず、ある者は過剰な愛を期待する。
そしてすれ違っていく。
作品中、登場人物たちのモノローグがよく使われるがそれは常に問いかけ。
「瑠可、わたしはあなたのことを理解していなかったんだね?」と美知留が問いかけても瑠可は答えない。
この問いかけのモノローグこそが孤独を表現している。
※追記
予告編を見る限りだが、ラストまでの展開はこうなるのかな?
タケルを傷つける宗佑。
瑠可はタケルと美知留のために宗佑と対決。
いくつかの死。
しかしこの結末では単純すぎる。
宗佑がタケルを傷つける理由が「美知留がタケルのことを好きだから」ということであれば、すべてのきっかけは美知留の無責任な発言になってしまう。
現在の美知留はもっと苦しんでいなければならないだろう。
また宗佑も単なるモンスターでなく何らかの形で救われなくてはならない。
どう破綻なく物語を終わらせるか、作者の腕の見せ所である。