フジテレビ木曜深夜、ノイタミナ枠で放送中のアニメ『夏雪ランデブー』
いわゆる三角関係ものである。
花屋のヒロイン・六花をめぐり、葉月亮介と島尾篤が争う。
ただ普通の三角関係とは違う。
篤は何と<幽霊>で、生きていた時は六花の<夫>だったのだ。
篤は妻を愛するあまり、成仏できず、六花のまわりを漂っている。
未亡人・六花はそのことを知らない。(←未亡人と書いたが、ちなみに六花はまだ二十代だ)
<幽霊>の夫を見ることが出来ない。
唯一、見ることが出来るのは、恋のライバル亮介である。
亮介は六花にアプローチしようとするたびに、幽霊・篤に邪魔される。
六花にキスしようとすると、篤がふたりの間に入ってきて邪魔をする。
このように書いていくと、三角関係のラブコメのように思われるかもしれないが、内容は、3人のキャラクターの<心の襞(ひだ)>を丹念に描いた見事な少女漫画である。
幽霊・篤は、六花に対して無力な自分を責める。
「こんな近くで毛布ひとつかけてやれないなんて」
また、六花の心が揺れていくのに苦悩する。
「どうして俺はここにいる? どこにも行けないあやふやなまま、何のために?」
六花は今でも夫・篤のことを愛しているが、次第に亮介に心を傾けていく。
「いい年して行ったりきたりか、みっともないなぁ、私」
「先月まで色濃いなんて死ぬまで縁がないと思っていたのに、私、今少しのぼせている」
六花にとって、篤と過ごした日々は美しい時間で、その記憶の中で生きてきたのだが、現実に肉体と体温を持った人間が現れると、心揺れるのだ。
こんな表現もある。
亮介と食卓で夕食をとった時のことだ。
「こういう食卓知ってるわ。正面に人の気配。島尾くんの食器が使われるのがうれしくてかなしい」
そして最後に亮介。
亮介は篤に強く主張する。
「店長(六花)が次に行けないのはあなたのせいだ。ゆずれよ、いい加減、俺に」
だが一方で、篤と笑っている六花の写真を見て
「俺にあんな顔、させられるのか?」
と、悩む。
こんなことも言う。
「俺は店長より長く生きますよ。青汁だって飲んでます」(笑)
「俺はブレないよ。ずっと店長にこっちを向いて笑ってほしいだけ」
三人三様、それぞれの心がこもった見事なせりふだ。
<毛布><食卓><青汁>といった日常的な、生活臭のある愛情表現もいい。
さて、この三角関係、どうなるか?
<心の襞>を描くのは少女漫画の特徴だが、この作品も見事に深く、繊細に描いている。
いわゆる三角関係ものである。
花屋のヒロイン・六花をめぐり、葉月亮介と島尾篤が争う。
ただ普通の三角関係とは違う。
篤は何と<幽霊>で、生きていた時は六花の<夫>だったのだ。
篤は妻を愛するあまり、成仏できず、六花のまわりを漂っている。
未亡人・六花はそのことを知らない。(←未亡人と書いたが、ちなみに六花はまだ二十代だ)
<幽霊>の夫を見ることが出来ない。
唯一、見ることが出来るのは、恋のライバル亮介である。
亮介は六花にアプローチしようとするたびに、幽霊・篤に邪魔される。
六花にキスしようとすると、篤がふたりの間に入ってきて邪魔をする。
このように書いていくと、三角関係のラブコメのように思われるかもしれないが、内容は、3人のキャラクターの<心の襞(ひだ)>を丹念に描いた見事な少女漫画である。
幽霊・篤は、六花に対して無力な自分を責める。
「こんな近くで毛布ひとつかけてやれないなんて」
また、六花の心が揺れていくのに苦悩する。
「どうして俺はここにいる? どこにも行けないあやふやなまま、何のために?」
六花は今でも夫・篤のことを愛しているが、次第に亮介に心を傾けていく。
「いい年して行ったりきたりか、みっともないなぁ、私」
「先月まで色濃いなんて死ぬまで縁がないと思っていたのに、私、今少しのぼせている」
六花にとって、篤と過ごした日々は美しい時間で、その記憶の中で生きてきたのだが、現実に肉体と体温を持った人間が現れると、心揺れるのだ。
こんな表現もある。
亮介と食卓で夕食をとった時のことだ。
「こういう食卓知ってるわ。正面に人の気配。島尾くんの食器が使われるのがうれしくてかなしい」
そして最後に亮介。
亮介は篤に強く主張する。
「店長(六花)が次に行けないのはあなたのせいだ。ゆずれよ、いい加減、俺に」
だが一方で、篤と笑っている六花の写真を見て
「俺にあんな顔、させられるのか?」
と、悩む。
こんなことも言う。
「俺は店長より長く生きますよ。青汁だって飲んでます」(笑)
「俺はブレないよ。ずっと店長にこっちを向いて笑ってほしいだけ」
三人三様、それぞれの心がこもった見事なせりふだ。
<毛布><食卓><青汁>といった日常的な、生活臭のある愛情表現もいい。
さて、この三角関係、どうなるか?
<心の襞>を描くのは少女漫画の特徴だが、この作品も見事に深く、繊細に描いている。